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Perfect murders  作者: ファンセバスチャンなおき
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序章

今日もまた人を殺した。

仕事とはいえ、人を殺したその日は罪悪感に苛まれる。

私は塚本俊。暗殺専門集団<perfect murders>の一員であり、代表だ。この集団を結成して早10年になる。

恐らくもう50人近く殺してきただろうか。ただ我々の行う暗殺は世間からみれば単なる<失踪>にすぎない。なぜなら対象者の死体が発見されないからだ。

一仕事終え、事務所に帰ると、他の2人のメンバーがリラックスして待っていた。

「おかえり、つかっち」

殺害後の後片付けを担当する林直哉が私を労った。直哉はいつも完璧な仕事をする。殺害現場に髪の毛一本も残さない。それどころかあっという間に死体を遺棄する。暗殺は殺す瞬間よりもその後の処理のほうが何倍も難しい。今までこの稼業を続けてこれたのは直哉のおかげであるのは間違いない。

「おぅ、お疲れ様。直哉、すまん、思った以上に対象者の血痕残しちまった」

「たぶん今日も大丈夫。消しこんだいたよ」

直哉との関係は小学校からの腐れ縁だ。気心も知れてるし、だいたいの俺の行動パターンを予測して動いてくれる。

「つかっちもさ、やっぱ喧嘩強いよな。相手、ボクシングの日本チャンピオンだろ?」

そう声を上げたのは小島秀一。抜群のイケメンで、私が出会った中でもっともモテる男だ。ただ私たちからは<ふーちゃん>と呼ばれている。高校時代、トイレで立小便している時に襟元を掴まれ、転ばされたが、噴水状態のまま小便をした事件をきっかけに<噴水→ふーちゃん>になった。小島は渉外担当だ。彼は人の心の中を見る事ができる特殊能力を持つ。彼から言わせれば特殊能力ではなく、心理学の延長線とのことだ。依頼を受けるかどうかの最終判断は代表である私が行うが、依頼人の嘘を見破る際、彼の能力が必要になる。一度、小島の言うことを聞かず、依頼を受けて危機に瀕した時がある。それ以来、小島の判断に全幅の信頼を置いている。

彼の仕事は依頼人との面談、報酬の回収、経理業務が中心だ。

「ふーちゃん、ちゃんと依頼人から報酬もらった?すげぇ喧嘩強かったから上乗せで請求したいくらいなんだけど!」

なぜこの3人でこの事業を始め、何の目的で行うかは後々明らかにする。

多くとも俺たちが受ける依頼はあと4件。それが終われば3人で南の島で一生遊んで暮らす。それが私たち3人の念願だ。

私、塚本俊は殺害担当。喧嘩最強だが、基本毒殺で殺す。ただ銃の扱いも刃物の使い方もある程度学習している。

ちなみに新宿三丁目の雑居ビルに店を構えている。表向きは「高級家具屋ふーちゃん」という看板を掲げ、その上にションベン小僧の絵が書かれている。誰もこの店が暗殺稼業に手を染めているとは誰も思わないだろう。

さぁ次の依頼はいつ来るのだろうか、1時間後、1週間後だろうか。まぁ気長に待つことにしよう。

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