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第60回 2019年、年頭のご挨拶。暦とウィキのお話。 (作・古寺猫子)


皆様、こんにちは。美猫の古寺猫子です。

明けましておめでとうございます。

旧年は大変お世話になりました。

本年もどうぞよろしくお願い致します。


まあ、時の流れというものの、なんと早い事。のんびり構えていると、早くも1月も半ばになろうとしています。

うっかりしていると、年頭のご挨拶が2月になるところでした。


でも、旧暦では、今年は2月5日がお正月という事なので、もし1月にお忙しかったり、うっかりして忘れていたりして、大切な方へのご挨拶ができなかった、という方がおられましたら、次善の策として、旧正月をご挨拶のタイミングにされてはいかがかな、と思います。


ちなみに、この、旧暦というのは、正式には「太陰太陽暦たいいんたいようれき」というこよみの測り方なんですが、1年を354日とし、3年に一回、閏月うるうづきという期間をひと月分挿入する事で、季節のずれを修正していた、というものです。


太陰太陽暦は1685年に、日本で導入され、1872年12月31日まで使用されていたので、現在の日本で用いられている一年365日のグレゴリオ暦は、わずか147年前から使用がはじまった、という事になります。


旧暦では、3年に一回、閏月を入れて、季節のずれを修正していたと言いましたが、そうすると、閏月を入れる直前の月は、月日の字面から感じる季節感と実際の季節が、ひと月近くもずれてしまっていたわけです。

ですから例えば、グレゴリオ暦では7月1日は梅雨のさ中ですが、旧暦の7月1日はグレゴリオ暦の8月初頭という場合もあって、梅雨はとっくに終わっている、という事もあったわけです。


今日は、こんな事を、ウィキ先生(ネット上の百科事典Wikipediaの愛称)から学びました。

ええ、そうなんです。これ、にわか仕込みの知識です。

私も、147年前に、改暦(暦の変更)を経験しているはずなんですが、あんまり記憶に残っていません。なにしろ、月日に縛られない、気ままな猫の生活では、現実の季節の移り変わりこそ関心事ではありますが、暦ってあんまり必要性がないですからね。

あくまでも、誰かと話をする時の時節の目安のようなものとして用いている感じです。

ただ、まだ旧暦だった頃、よその国の猫とお話しする時に、お互い同じ出来事について語っているのに、月日がずれていて、おかしいなあと思う事はありました。

今は、グレゴリオ暦が、最も多くの国々で採用されているので、話がややこしくなくてありがたいです。



それにしても、ほんとに、ウィキ先生はすごいですね。

あらゆる分野の英知の結集と言えます。

もしウィキ先生を紙の百科事典にしたら、その量たるや、もう本棚がいくつあればいいのやら、見当もつきません。

知りたい言葉のページを見つけるだけでも、ずいぶんな時間がかかるでしょう。

ところが、ネット上だと、見たいページが一瞬で開けます。


この便利さを活用しない手はありません。


特に、文芸を趣味にしている方にとって、ウィキ先生はアイデアの宝庫、知識のエルドラド、発見のアトランティスです。


ウィキ先生の良い所は、探しているページにたどり着く容易さだけではなくて、そのページに書かれた文章の中で、分からない単語や、詳しく知りたい単語があった時に、その単語(青い色になったもの)をクリックするだけで、その単語の解説ページに移動できてしまう、という点です。

まさしく、知識欲を満たしたい人のための、至れり尽くせりのツアーコースが整備されている、といった感じです。


この機能によって、知りたいところまでとことん深く知る事ができるし、思い掛けない新たな知識との出会いもあって、「知る」という事がますます楽しくなります。


ウィキ先生で見られる幅広い知識は、誰でも自由に書き込んで事典作りに参加できるという機能によって成り立っています。つまり、私でも、詳しく知っている事について書き込もうと思えば、書いても構わないわけです。(例えば、近代化け猫の生活習慣についてとか。)


そういう自由参加による事典作成の欠点として、いたずら目的の記述や、信ぴょう性が怪しい情報が書き込まれている場合もありますが、そういう問題個所は、おおむね運営さんや他のユーザーさんに修正されたり、注意書きが加えられたりするので、事典の信頼度としては、かなり高度に維持されていると思います。これは、正しい情報を提供しようとするユーザーさんが多いことの証拠で、善良な人の多さの表れでもあるので、大変素晴らしい事です。


何より、これほど情報量の多い事典は、他にないですから、記述の誤りを警戒し過ぎるよりは、信頼できそうな情報を上手く活用して、日々の知的生活を、より豊かにする方が有意義だろうと思います。(紙の事典だって、人間が書いている以上、主観的な記述や間違いも、時にはありますからね。)


ちなみに、ウィキ先生は、「百科事典」という肩書きなんですが、「辞典」ではないんですね。

「事典」と「辞典」の違いは、ウィキ先生の「辞典」の項目に分かりやすく書かれているので、よかったら調べてみて下さい。


おや、今回は、珍しく文芸コラムらしいお話ができました。

第60回という、節目の回を担当させて頂いたおかげでしょうか。

日頃、文芸とはあまり関係のないお話をさせて頂いているので、久しぶりに、文芸コラムという連載の趣旨に沿ってお話しできて嬉しいです。

え?猫子のレギュラー回は、こういう小難しい話より、文芸とは関係ない面白い話をしてほしいって?

あらら、ファンのご要望をくみ取るというのも、なかなか難しいものですね。

そういう事なら、Kobitoさんにご迷惑をおかけする事になるかもしれませんが、やむをえませんね。次回はそういう方向で検討してみましょう。




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