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第54回 好きなものを並べて己を知ろう。

前回の第53回のコラムは、かなりエキセントリックな思考法だったので、読んでくれた方の中には、理解を越えてしまって、気味悪く感じた方も、いたのではないでしょうか。

これまで投稿した私の作品群のうち、何作か読まれた方は、すでにお気づきだろうと思いますが、私は社会で常識とされているものの見方とは異なる視点を、作品を通して提示するのが好きです。が、それは社会の規範や風潮、因習に従順な『常識的な人』からすると、奇妙に映り、自分たちとは異質に思え、改めなければならないと感じる内容にさえなるのではないかとも思います。

そういう印象を受けた時に、拒絶したり、嘲笑したり、攻撃性を露わにする人もいますが、こちらとしては、ただ自分が感じている世界を伝えようとしているだけなので、悪意はない、という事は、分かって欲しいです。そして、むしろ、あなたがそういう負の感情を喚起される原因について、ご自身の内面をかえりみて、心理的な要因の観点から、その問題点を考えてみてもらいたいです。


とはいえ、何事も高踏的こうとうてきに考えてばかりでは、精神的にうんざりして来ますから、今回は、いま一度、初心を振り返って、書き手も読み手も読んで楽しめる、分かりやすいコラムに、立ち返ってみようと思います。


(この序盤の文章で、すでに読むのに疲れてしまった方もいるでしょうね。^^;まあ、こういう文章を書く作者なのだと思って、辛抱強くお付き合い下さい。)


上記のような、物事を別の角度から見ようとする物の見方は、私の趣味や好みにも反映されています。

趣味や好みから影響を受けて、そういう性格や性質になって行ったというよりは、生まれつきそういう性格や性質だから、こういう趣味や好みになっている、という事が言えると思います。

つまり、趣味や好みを見て行くと、その人の性格や性質が分かってくる、という事です。


〝敵を知り、おのれを知れば百戦危うからず。〟


この有名な言葉は、中国の『孫子そんし』という兵法書に記されているのだそうです。

ちなみに、より正確な日本語訳と、この一文に続く言葉は、以下の通りです。


〝彼を知り己を知れば百戦あやふからず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦ふ毎に殆ふし。〟<ウィキペディアからの引用>


これを文芸に当てはめて考えてみると、


〝作品にしようとするテーマについて知識があり、そのテーマに興味・関心があるなら、おのずと良い作品が書ける。テーマについてまだ知識はないが、そのテーマに興味・関心があるなら、良い作品が書ける確率は半々になる。テーマについて知識がなく、興味・関心もないなら、作品の出来栄えは大そう心もとなくなる。〟


という事です。

つまり、興味・関心の対象で、なおかつ知識もあるテーマを選べば、安定して良い作品が書けるのではないか、という仮説が立つわけです。


まあ、こんな仮説など立てなくとも、自分の趣味や好みを確認しておくというのは、どんなテーマを選ぶかを決める際にも役立つ、有用性の高い段取りだと思うので、今回は『自分の趣味や好み確認表』というアンケートを作って、私に向いた作品の方向性を探ってみたいと思います。


まず、『自分の好み確認表』の見本を載せます。

コピペしてご自身でも試しに記入してみて下さい。


-------------------------------------------------


『自分の趣味や好み確認表』(見本)



【趣味(大まかなカテゴリーを書いて行きます)】


・「娯楽」(ドラマや映画の視聴、読書、ゲームなど)



・「スポーツ」



・「アウトドア」(釣り、登山など)



・「ハンドメイド、DIY」



・「植物関連」



・「芸術関連」



・「食べ物関連」(調理、食べ歩きなど)



・「蒐集」(しゅうしゅう)



・「その他」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【好み(より詳細なジャンル名や作品名や感覚を書いて行きます)】


・「音楽」



・「芸術」(絵画、彫刻、写真など)



・「創作物」(小説、漫画、映画など)



・「ファッション」



・「人」(俳優、女優、芸能人、歴史上の人物、身近な人など)



・「生き物」



・「植物」



・「物質」



・「場所」



・「音」



・「色」



・「香り」



・「味」



・「季節」



・「天候」



・「質感」



・「その他」




-------------------------------------------


では、私の回答を披露します。



『自分の趣味や好み確認表』



【趣味(大まかなカテゴリーを書いて行きます)】


・「娯楽」(ドラマや映画の視聴、読書、ゲームなど)

読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、ネットの閲覧


・「スポーツ」

しない


・「アウトドア」(釣り、登山など)

インドア派


・「ハンドメイド、DIY」

あまりしない


・「植物関連」

一時期多肉植物を種から育てていました


・「芸術関連」

画集・写真集の鑑賞、水彩画、彫刻制作


・「食べ物関連」(調理、食べ歩きなど)

調理はするけど趣味というほどではない。


・「蒐集」(しゅうしゅう)

絵画、骨董(これらの蒐集はまだ始めたばかりで勉強中です)

洋楽の音源

子供の頃はカプセル玩具の人形を集めていました

大人になってからはチョコエッグなどの食玩を一時期集めていました


・「その他」

特になし



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【好み(より詳細なジャンル名や作品名や感覚を書いて行きます)】


・「音楽」

1950年代から1970年代のロック

1920年代から1960年代のジャズ

ギターを用いた音楽全般

バッハからロマン派までのクラシック


・「芸術」(絵画、彫刻、写真など)

ラファエロ

アンリ・マティス

アリスティド・マイヨール


・「創作物」(小説、漫画、映画など)

夏目漱石『それから』、『こころ』

宮沢賢治『十月の末』、『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』(グスコーブドリの伝記の改稿前の作品)、『銀河鉄道の夜』

種田山頭火『草木塔』

八木重吉『貧しき信徒』

手塚治虫『ブラック・ジャック』、『火の鳥』、『ブッダ』、『きりひと賛歌』

秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』50巻くらいの作風が好き

映画『アラバマ物語』、ディズニーの古いアニメ映画、スタジオジブリのアニメ映画、ピクサーのアニメ映画、『バック・トゥ・ザ・フューチャーⅠ、Ⅱ、Ⅲ』


・「ファッション」

自分自身は無頓着ですが、上手に着こなした人を見るのは好きです。

華美に装飾されたものより、素材の良さを生かしたシンプルなデザインが好きです。


・「人」(俳優、女優、芸能人、歴史上の人物、身近な人など)

グレゴリー・ペック

原節子

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮者)

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

レスター・ヤング

種田山頭火

母方の祖母(若い頃からお金で苦労したそうですが、おだやかで優しい人でした)


・「生き物」

猫、立ち上がったレッサーパンダ


・「植物」

ゴデチア

スイカ



・「物質」

ブラックオパール

縄文土器

美濃焼


・「場所」

自分の部屋(安心できる)


・「音」

鈴虫の鳴き声「リーン、リーン」


・「色」

ターコイズブルー


・「香り」

豚骨スープ

そら豆と鶏肉の中華風炒め


・「味」

ブリの照り焼き

トマトを加熱した料理

生クリーム

ソフトクリーム(バニラ)

木苺

わかもと


・「季節」

春(花粉症がなければ最高)


・「天候」

春の陽気

梅雨明けの青空

秋晴れ

あまり濡れない小雨

台風


・「質感」

つるつるになめらかよりも、ややがさがさして大胆にデフォルメされた荒い感触が好き。


・「その他」

生活感のあるものより、理想的なものに惹かれます。

小動物や子供のあどけない言葉など、小さいものの愛らしさに魅力を感じます。



-------------------------------------------



こうやって、列挙してみると、すでに自分の創作に反映されているものが、けっこうあります。


音楽の趣味とか、芸術関連の趣味、文学や児童文学やエッセイの傾向など……。


「立ち上がったレッサーパンダ」は、まだ作品に現れていませんね。可愛いという点で似たような子熊とかは出て来ていますが。

今度童話で書いてみようかな……。


スポーツに関する作品を書くのは、どうやら困難なようです。

自分でする機会がないですし、テレビ観戦などなら興味がない事はないですが、それでもミーハーの域を出ないですからね。

アウトドアに関する作品や、ファッションに関する作品も、難しそうです。


この表を見ていると、できそうなテーマと、できなさそうなテーマが、だいたい分かって来ます。


ただ、創作というのは、採り上げたテーマについてさも熟知しているかのごとく表現できるところにも、面白さがあるので、今まで興味がなかったからといって、そのテーマを諦めなければいけないわけではありません。


作品を書きながら、そのテーマについて調べるうちに、だんだん興味が湧いてきて好きになる、という事も、往々おうおうにしてありますからね。


要は、楽しむために書くのだから、どういう経緯で取り組むにしても、楽しかったらそれでいい、という事です。



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