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第45回 グーグルマップで海外旅行をしてみよう。


グーグルマップというサイトを、利用したことがありますか?

世界中の詳細な地図が見られるサイトです。

日本国内の地図だと、日頃、道路地図として、利用されている方も多い事でしょう。


地図サイトは、ゼンリン地図とか、Yahoo!地図とか、goo地図とか、グーグルマップ以外にも色々あるんですが、このグーグルマップには、他の地図サイトにはない、一つの大きな特徴があります。


それは、現地の写真を見る事ができる、「ストリートビュー」という機能です。

地図の右下にある、人形のアイコンを、クリックしてつまんで、地図上の見たい場所まで運んで離す(ドラッグ&ドロップする)と、その地点の写真が、画面いっぱいに表示されます。


この写真、驚くべきことに、360度、プラス上下、全方向撮影されていて、画面をドラッグすると、見回すように、景色を眺める事ができるんです。


さらに、写真に写った車道の行く手をダブルクリックすると、映像のように景色を前に進めることができます。

つまり、現地に行かなくとも、現地の景色が、まるでドライブか散歩でもしているように、楽しめるんです。


これは、仕事や旅行で出かける際の、事前の現地確認に、非常に役立つ機能です。そして、それだけではなく、他にも、旅行好きにはたまらない、素晴らしい楽しみ方が、ストリートビュー機能にはあるんです。


例えば、アフリカ大陸の東岸の沖にあるセーシェルという群島を地図で表示させて、そこに人形を投下してみて下さい。白い砂浜とエメラルドグリーンの海が見渡せる海岸の景色が、画面いっぱいに広がります。

ストリートビューでは、世界中の観光地や、景勝地の写真も、見られるようになっているんです。

(ただし、セーシェルでは、道路に舞い降りて、写真の景色をドライブのように前に進める事はできません。海岸や空港など、いくつかの地点で定点撮影された、全方向の景色を、楽しめるだけです。僻地へきちや狭い道しかない土地などは、このように、定点撮影のみが行われている場合もあります。)


続いて、セーシェルの南にある、マダガスカルの上に、人形を投下してみて下さい。

私が舞い降りたのは、日暮れ時の展望台から、耕された広々とした畑と、おもむきのある古い教会のある街並みが見渡せる、ロッジのような小洒落こじゃれた建物のある高台でした。

人形を落とす場所によって、見える景色だけでなく、時間帯や、季節なども、変わって来るんです。

(場所の名前は、「Artisan Hotel」です。地図画面の右上にある検索窓に入力して検索すると、見つけやすいでしょう。)


道が狭い土地では、定点撮影のみが行われている場合がある、と書きましたが、試しに、イタリアのベネチアに、人形を投下してみて下さい。

ベネチアは、細い路地と水路が入り組んだ街並みが特徴の観光名所ですが、グーグルマップの撮影担当者は、ベネチアをストリートビューで再現する事に対して、並々ならぬ情熱を持っていたようで、写真を見ている人が、現地に行ったのと同じように歩き回れるように、その細い路地の中を、かなり綿密に、奥の奥まで撮影してくれています。

この迷宮のような路地に、最初に分け入った時、私は赤い花があふれるように咲き乱れた植物を白壁にわせた、明るい日差しを浴びて輝いている民家を見つけました。ベネチア内のどの名所よりも、そこが、私にとって、街一番のお気に入りの場所になりました。

きっと、私が実際にその場所を訪れることは、これから先もないだろうとは思います(地名や番地も分からないので、ストリートビューで再度見つけるのも至難の業です)が、ストリートビューのおかげで、その場所固有の雰囲気や美しさを、かなりリアルに体験する事ができました。


極地の代名詞である南極も、ほんの一部ですが、景色を見回す事ができます。

人形を南極大陸の上に移動させると、大陸の隅の方に、小さく青い部分が表示されます。そこが、景色の見られる場所です。


雪のまだらに積もった岩山と、大小の石ころが埋め尽くした平原という、なんとも殺風景な、よその星のような景色ですが、南極のストリートビューの撮影者さんは、道などないのに、私たちに少しだけ、平原を歩き回る機会を与えてくれています。

おかげで、はるばる南極に行かなくても、温かい部屋で安全に、南極の大地を闊歩かっぽするという疑似体験をする事ができます。


こんな風に、世界中のいたるところを撮影して、現地に行かずして、現地に行ったような気持ちにさせてくれる、これが、グーグルマップのストリートビューの素晴らしい所です。


これは、小説などの創作活動にも、大いに活かせる機能です。

大昔の作家は、海外の景色を作品に盛り込もうとしても、現地に行くのが容易でなく、しかも、伝わって来るその国の情報自体、少なく、信ぴょう性もあいまいだったでしょうから、想像で補う分、記述が不正確になる事も多かったようです。(それがまた、昔の作品の、面白い味になっている点でもあるんですが。)


ストリートビューの機能を使えば、「この国の、この町の、この通りの、こういう信号機のある、こういう横断歩道を渡った所には、こういった店構えの本屋がある。」、という所まで、正確に知る事ができます。

だから、旅行に行く余裕はないけれど、リアリズムは追求したいという書き手には、この機能が大変便利な情報収集の手段になる事でしょう。


かく言う私も、きれいな景色や名所を見るのは好きですが、極端な出不精でぶしょうで、近場の行楽こうらくでさえ、おっくうで滅多に出かけようとはしません。ただ、そんな私でも、創作の中で海外の景色を扱う時は、あんまりいい加減な事も書けないので、現地の雰囲気や、街並みの様子などを、見ておきたい時もあるのです。

そういう時には、画像検索サイトと合わせて、このグーグルマップのストリートビュー機能を用いると、とても重宝します。


現地の景色を、必要に合わせて、角度を変えながら詳細に見られると、目に映る情報が多い分、物語の新しいアイデアが浮かびやすくなる、という利点もあります。


創作や仕事や旅行のためといった、明確な目的がなくとも、知らない土地の景色をぼんやり見たり、散策したりするって、それだけで楽しいものです。

それが、胸躍らせるような絶景や、一生行くことができないだろう遠い土地の景色なら、なおさらです。


もし、グーグルマップを楽しめる環境がご家庭にあれば、ぜひ、試しに、ストリートビュー機能で遊んでみて下さい。

私が言っている疑似トリップ体験の素晴らしさが、決して大げさではない事が、即座に実感して頂けると思います。




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