ははははははとはらった
バースデイケーキはもう食べたかい
でいりのおじさんが笑っていった
いったい何のはなしをしているのだろう
酒瓶入ったケースをはなして
隣に座ったその人に、家の店のカウンター
店番するわたしは首をかしげる
しげしげとおじさんはわたしをみながら
沈黙ののちアッと突然見てくれを気にし
髪を手櫛で梳かしながら
嬢ちゃんまたな、がしがしとわたしの頭を
なでたあと店の奥を気にしつつ
去っていた
なんだったんだろう
胡乱な目でもういない姿を追うと
うとうとしつつ母うしろから
カラカラ声でこえかけてきた
きょう、わたしのたんじょうびなのよ
あんた憶えてなかったのねと
母はハハハと笑ってて そういえば
おじさんと母は幼馴染だとたどたどしくも思い返した
おもう。おじさんは母をすきなのだろうか