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幸せな家族計画?

「ねぇ。チヒロは子供何人欲しい?」

「はぁ!?」


 二人をどう説得しようかと考えていたら、ナキアスに押し倒された私を覗き込みながらベッドに座っているナルヴィがそんな事を突然言った。端から聞けばほのぼのとした質問だが、今の私にとっては恐怖に直結する言葉だ。


「ちょっと、だから結婚するつもりはないって……」

「出来れば偶数だといいなぁ。奇数だと喧嘩になっちゃうし」

「…………喧嘩?」


 私の抗議を遮り淡々と言ったナルヴィの言葉に疑問が浮かび、思わず聞き返していた。なんで欲しい子供の数が奇数だと喧嘩になるのよ。っていうか、誰と誰が喧嘩するの? この場合。


「そう。やっぱり同じ数だと助かるんだけど」

「……同じって、何と同じってこと?」

「勿論俺とナキアスだよ」

「…………。ちょ、ちょちょちょっと待って。私にはさっぱり話が見えないんだけど……」

「ん? だから、俺とナキアスの子供は同じ数だけ産んでくれると嬉しいなぁって。片方が多いとやっぱり喧嘩になっちゃうでしょ?」

「…………」


 えーと。つまり? 将来生まれるであろうナルヴィとナキアスの子供の数はそれぞれ同じが良いって事ね? そういう事で良いのよね?

 でもそれを何故私に言う? 産むのが私と仮定した話だから? 仮に、仮によ? 私が結婚するとしてもどちらか一人となんだから、子供を産むのもナルヴィかナキアスのどちらか一人の子供だけでしょう? 何故二人の子供の事を託されなきゃならないの? それとも結婚しなかった方のお嫁さんと相談して子供の数を合わせようって話なの?


「……良く分からなくなってきたわ」

「うん、だからね。もしチヒロが子供を二人産みたいなら俺とナキアスで一人ずつ作ればいいけど、三人欲しかったらどちらか一人だけが多くなるから不公平でしょ?」

「…………ナルヴィ」

「うん?」


 名前を呼べば、嬉しそうに笑みを深める。あぁ、アラドが言っていた事はやっぱり正解なんだわ。ずっとこんな風に当たり前に自分の名前を呼んでもらえなかったから、たったこれだけの事で本当に喜んでくれるのね。でもね、ちょっとあなたの言っている事おかしいわよ?


「それって私が二人共と子作りしなきゃ、叶えられないわよね?」

「うん。そうだよ」


さらりと返された言葉に、私は血の気が引いた。


「…………。この国って、重婚もありなの?」


 まさかよね? ねぇ、違うって言ってよ。


「じゅうこん?」

「二人と同時に結婚する事よ。普通は出来ないわよね?」

「出来ないよ」


 あ、なぁんだ。ほっとした。ならナルヴィのさっきの発言は何だったんだろう。そう思っていたらナキアスがナルヴィを見ていた私の顎を掴んで自分の方へ向かせた。


「でも俺達は二人で一つだから」


 その言葉を継いで、ナルヴィが私の引きつった頬を撫でる。


「二人で同じ伴侶を選ぶのは当たり前のことなんだ」

「はいぃぃ!!?」


 どういう理屈なのよソレ!!! って、ちょっと!! 服を脱がすな―――!!!!

 

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