3.寝てました
初めて書くのはやっぱり納得いかないな、
もうちょっとボキャブラリーがほしい。
由樹SIDE
1年の冬に家庭の事情で転校してきた黒木優眞。
この学園は男子校の為か転校してくるものは過去をみてもそうそういません。しかしこの学校に転校生がくる半年ほど前、とある兄弟校では珍しい時期に転校生が転入してきたと噂が流れてきました。その転校生は持ち前の容姿と性格で生徒会等に愛され好き放題暴れた結果、学園の機能を崩壊寸前まで陥れた様です。
その為か、自分達のクラスに転校生が来ると知らされた時「おいおい、まじかよ…」「平和な学園生活が…」など、クラスの皆が今の日常が崩されると嘆いていました。
しかし、どうでしょう。
先生に呼ばれ入ってきた転校生は一言でいうと黒髪美人。ここまでは兄弟校の噂と同じでした。その後、担任から自分が委員長だからか学校の案内を任されました。体育館、食堂、中庭、そして屋上。案内をして転校生優眞と話をしていくうちに、好きなアーティストが同じで意外と話しやすいことがわかりました。
この人はあの噂の転校生とは違う、と確信を持ち、中学から友人の砂哉にも紹介して今のメンバーに至ったわけです。
晴希とは普通に話したりする仲でしたが、その容姿からかクラスの皆から一線を引かれていました。しかし、優眞と晴希が同じ部屋になり二人が気さくに話しているところを見て、クラスの皆も話かけるようになりました。
優眞が転校してきてくれたのおかげで、クラスの仲が更に深くなったのは間違いありません。…何より学級委員長としてまとめやすくなりましたし。
この日常がいつまでも続いてほしい、そう思います。
砂哉SIDE
次の時間は体育で皆着替え終わってグランドへ向かっているのにただ1人だけ着替える手が止まっていた。
「優ちゃん、優ちゃん!」
「ん、どうした?」
何回か優ちゃんに声をかけてやっと反応した。
また《・・》何か考え事でもしてたのかな?
優ちゃんは、何か考え事があるときよく動作が止まるんだ。本人や他のクラスメイトは気付いてないようだけど僕やゆっきー、晴ちゃんは気づいている。だてに友達やってないからね。
それにしても、何かあったのかなー。顔色は大丈夫そうだし…もしかして次の体育が原因?優ちゃん、体育苦手みたいだし……よし、同じチームになったら僕が優ちゃんの分まで頑張ろう!そして勝てば優ちゃんの悩みも少しは軽くなるはずだよね。
友達想いの砂哉なのでした。
―――――
2限目も終わり、今は3限の歴史。
体育の授業では俺と砂哉と由樹と同じチームになり、砂哉が何故かやる気満々で率先してチームを引っ張っていったおかげで3-0と勝つことが出来た。俺は汗かくのが嫌だったので、ゴール近くに立っていただけだが。
それはともかく、眠気が。……うん、勉強に集中出来ないなら寝よう。
―――――
トントン
誰かが肩を叩いている気がする。一体、誰だろう。ここには誰もいない、俺しかいないはず…
「…ま、…うま、優眞」
俺の名前を呼ぶ声が聞こえて意識が浮上し目を開ける。
――――ああ、そうか。ここは学校か。
「優眞起きて、もう昼だよ」
晴希に起こされ時計を見てみるとちょうど4限が終わった時刻だった。
「……4限の数学も寝てたのか…」
数学の授業も寝ていたことに軽くショックを覚えたが、まだ寝足りないのか欠伸が出る。ふいにグゥっとお腹の虫が鳴った。よかった、次はお昼だ。
俺たちは弁当は作らないのでいつも食堂で食べている。
「おーい、二人とも食堂行こうよー!」
「今日はAランチが美味しそうです」
二人は待ちきれないのか、すでに廊下に出ていた。
「今行くよー!ほら優眞」
「ああ、行くか」
あーあーあー、寝ようか。