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魔王、勇者と対峙する


冗談から振り下ろされた剣を右の剣で流し、左の剣でもう一度強く下に叩く。が、刃先が強引に撥ねあがってくる。眼前にせまる刃を状態を逸らして回避。

「っ! 馬鹿力かよ……!」

顎先を掠めた刃先はそのまま1回転してくる。慌ててバックステップで距離をとる。

「嗚呼、魔王様。逃げないでくださいまし。私の愛をのせた刃が届きませんわ!」

「そんなもんいらん!!」

剣を上段に構えて突進してくる勇者を牽制するように両手の剣を左右に薙ぎ払う。と、同時に勇者に聞こえないように呪文の詠唱を開始。

「甘いですわよ!!」

勇者はそれをギリギリの所でかわすと、そのまま勝利を確信した笑みで俺の首めがけて剣を突く。だが甘い。既に呪文は完成している。

薙ぎ払った剣を引き戻して交差させ、力ある言葉を解き放つ。

「吹き飛べ!!」

交差させた剣を思いっきり薙ぎ払う。


ゴウッ!!


凄まじい勢いで風が吹き荒れる。


「なっ!?」

ろくに踏ん張っていなかった勇者は風に巻かれて2、3歩よろめく。

その隙に隠し持っていたナイフ数本を勇者に投げつける。ナイフには即効性の麻痺毒をしこんであるから当たれば楽に終わってくれるんだが……。

「さすが魔王様! 前回よりも腕を上げましたわね!」

勇者は素早く体勢を立て直すと、不敵に笑って軽々とナイフをはじいていく。

「にゃっ!?」

思わず歯噛みしていると、勇者が最後の1本をはじき損ね、ナイフが右足を掠めた。うまい具合に防具の隙間を掠めたようで勇者はぐらりと上体を傾けた。どうやら薬が効いたらしい。


「この勝負、俺の勝ちだ」

剣を勇者の首に突き付ける。

「くっ……」

悔しそうに俺を睨みつける勇者。辛うじて剣は手放していないが……この後のことを考えていなかった。

どうしようか、と考えた。考えてしまったのだ。


「甘いですわよ魔王様!」

「なっ!?」

動けなかったはずの勇者が右手を俺に振りかざす。

「先ほどのお返しですのよ!」

右手から放たれたのは水。反射的に思わず目を瞑ってしまう。その隙に勇者は俺から距離を取った。


「水も滴るいい男ですわ! なんて素敵なんでしょう!」

「てめえ……!」

「そういえばあのナイフに毒を仕込んでいらっしゃったようですが……」

「そうだよ、なのになんで動いてやがんだ」

「私、昔かなり強力な毒に犯されたので些細な毒は短時間で打ち消せるんですのよ」

「なんだよそのチート……」

そういう話は聞いたことがあるが稀であるし、まさか勇者がそんな特殊能力を持っているとは思わなかった……


「いいですわ、その表情。愛しくてたまりませんわ!」

うっとりと頬に手を当てて目を細める勇者。

攻撃を仕掛けようと足を踏み出したところで、どことなく感じる違和感に足を止める。


「素敵ですわね、魔王様」

勇者は、何もしかけてこない。

一体何だ、何なんだ……?



戦闘シーンの難しさを改めて感じました……まだまだ勉強不足ですね……

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