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勇者と戦闘

「私の愛を、受け取ってくださいな!」

走りながら上から大きく振りおろされた大剣を左右の剣を交差して受け止める。両手に強い衝撃。


「嗚呼、魔王様! 愛してます! 愛してますわ!」

止められるのは想定していたとでも言うように、2撃目、3撃目が襲いかかる。

止め、受け流してはいるものの、それぞれの攻撃 がとてつもなく重い。


「これが私の愛です!」

「愛が……重い……」

「好きです! 大好きです!剝製にしたいほどに!」

「ヤンデレか!?」

「魔王様! 魔王様! 愛しておりますの!」

なぜだ……!こんな美人さんに好きと言われているのに、さっきから寒気が止まらない……!

下からのすくい上げるような1撃。その衝撃を利用して空に逃れる。

今日ほど苦労して空飛ぶ術式組んでて本当に良かったと思った日はない。

とりあえず、地上から30メートルほど離れたところで滞空する。


「勇者といえど、さすがに空は飛べまい……」

ちなみに俺はこの術式を組むのに6年かかった。


俺の勝ち誇った笑みを見ても、勇者は揺らがない。

「甘いですわ、魔王様。こんな有名な言葉をご存知ですか?」

そこまで言うと、勇者は不敵な笑みを浮かべる。


「翼がなければ、愛でそらを飛べばいいじゃない!」

「知るか!!」

絶対そんな言葉はないぞ、少なくとも俺は聞いたことがない。

「燃え上がれ愛の力!」

勇者はそう叫ぶと、剣を振りかぶりながら跳躍する。

勇者はあっという間に俺との距離を詰めた。


「どんな運動神経してんだよお前は!!」

助走もなしで30メートルも跳べる奴がいるなんて……

「愛に不可能はありませんの!」

そう叫びながら勇者は剣を振り下ろす。


「がぁっ……!?」

俺の右腕が切り飛ばされ、続いて流れるような動作で左腕も落とされた。

大量の鮮血が宙を舞う。

「私の勝ちですわね」

とどめとばかりに俺の胸に剣がつきたてられる。


「残念だが、それは偽物だ」

宙を舞っていた血が鎖を形成し、勇者に絡みつく。


「なっ……!?」


更に剣を突き立てられた俺の体からも大量の鎖が勇者を縛る。


「その鎖は龍でも3日は縛る。ま、そこで諦めてくれ」

俺だってぼーっとしてたわけではないのだ。

空にいる間に分身を 用意し、勇者が跳ぶと同時にこっそりと下に降りたのだ。


「諦めませんわよ……! こんなもの……!」

勇者はそう言うと、右腕から電流を迸らせる。


「やめとけ、その鎖は対魔法も備えてる」

俺の忠告も空しく電流は鎖に放たれる。しかし電流はすぐに鎖に吸収される。


「さすが魔王様……私更に萌えてきましたの」

「もえるの発音が変なのには突っ込まないからな!!」


顔を少しだけ地上にいる俺に向けながら、うっとりとした表情の勇者。

本当ならここでとどめを刺したいのだが、俺はもう既に全ての術式の動力を使いきってしまっている。残念ながら俺は生身で勇者のいるところまで跳ぶことはできない。さて、どうしたものか……


「よし、逃げよう」


くるりと踵をかえして、ゲートに向かう。


「魔王様ー!! 私、絶対に貴方を手に入れてみせますわー!」


ゲートを出る間際、そんな声が聞こえた気がした。



随分と期間が開いてしましました・・・反省!


これからはできるだけ開けないように頑張りたいです

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