僕が助ける!
暴漢だった。
ジェームズと別荘の管理人は後手に縛られ、猿轡を噛ませられていた。ジェームズのその姿を見たエリザベスが息を呑んだ。
別荘の玄関ホールに居た全員がジェームズと管理人と共にホールの奥にしゃがまされた。
若い男三人は目出し帽で顔が分からない様に隠している。それぞれ、手に狩猟で使うボルトアクション式ライフルとショットガンを持っていた。
奥にいる、料理人とメイドと管理人の息子が警察を呼んでいるはずだ。それでも、この山の奥へ来るのにどれくらいかかるだろう。
ジュードはエリザベスの隣にしゃがみながら、周りを見ていた。
エリザベスは震えながら、ジェームズに寄り添っている。片方の手をお腹に当てて無意識にガードしているようだ。
ジェームズは暴漢たちを睨みつけている。捕まった時に殴られたのか、頭から少し出血していた。
「金出せよ」
え? 強盗? 強盗なの?
「何言ってんだよ、お前」
「ここまで来たら、ついでってもんだろ」
「言われたことだけやればいいんだよ、余計なことすんなよ」
若い男三人が揉め出した。
「脅すだけでいいんだよ。新事業に首突っ込んだらやばいぞって」
随分軽い男達だった。だいたい想像できてしまう。ライバル会社の依頼で脅しに来たのか。
「ウルセェよ、俺に指図すんなよ」
威勢がいい割に、その男は足元がガタガタ震えていた。
「俺は別に、死人が出たって構わないんだぞ」
金を出せとか言い出した、一番興奮してる一人が、ジェームズにライフルを向けた。
助けたいと、ジュードは思ってしまった。
エリザベスとジェームズの二人を。あと、エリザベスのお腹の子を。
できるかできないか考える時間も迷う隙も無かった。精一杯の力で、ジュードは男達の銃の弾を詰まらせた。
「あ、あれ?」
ジュードの力は銃弾の発射に対して、それほど強くは効かなかった。
あろうことか、弾が詰まったライフルの銃身を覗き込んだ男は詰まりが取れた銃に頭を飛ばされた。
全力を使ったジュードは倒れ込んだ。
頭を飛ばされた仲間を見た男達はそれぞれ、パニックを起こした。
一人は逃げ出して、もう一人も逃げ出そうと銃を投げ出した時にあらぬ方向で、発射された。
木造の屋内で発射されたショットガンの弾は天井にめり込んで、鋭い木片の雨を降らせた。幸いなことに、大体の木片は誰もいない場所に飛んだ。ただ一つ、一番大きなものが、倒れ込んだジュードの左肩から胸へ深く刺さった。
パトカーが何台もサイレンを鳴らして駆けつけた。逃げ出した男達は捕まり、死んだ男一人と、ジュードは別々に救急車に乗せられた。
エリザベスが泣きながらジュードの手を握って付いてきた。
「守ってくれたの? ありがとう……」
ジュードが全力で能力を使ったのは分かっていた。頭部のあらゆる所から、目や耳や鼻から、血が流れていたから。
「いやよ、死んじゃダメ……」
木片の入った傷からも血が流れ続けていた。




