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第4話 あたしって、どのくらい強い?

さて、流れでフォルとルーンがお供に加わったわけだけど……

まあ、まずは動くか!


「良し! じゃあ早速最深部へ行こう!」

「待ってくれ。その前に、寄りたい所がある」

「え? どこ?」

「俺達の主、魔神アネリルス様の所だ」

「アネリルス? あぁ、何かさっき言ってたね」


確か ”魔神最強” だったかな? そんな凄い人が主だなんて……もしかしてこの2人、堕天使の中じゃ結構強い方だったりして?


「でも、どうしてその人の所に? 出掛ける前に挨拶しておきたいとか?」

「それもあるが、本命は最深部の ”怪物” について、情報を頂くことだ」

「情報?」

迷宮核(ダンジョンコア)を手に入れるには、奴との戦いは避けられない。だが、奴は常識が通じない(・・・・・・・)化け物。何の対策もせずに挑めば、まず間違いなく全滅する。だから、奴と直接戦ったことのあるアネリルス様に、少しでも奴について知っていることを教えて頂きたいんだ」


確かに。”怪物” とやらがどれほどの存在かは分からないけど、いずれぶつかるなら情報はあった方が良いかも。でも待てよ? それって、本人について来てもらった方が良くない?


「アネリルスさんって、魔神最強って言うくらいだから強いんだよね? だったら情報貰うだけじゃなくて、アネリルスさんにも一緒に来てもらった方が良いと思うんだけど?」

「さっき言ったように、アネリルス様は一度奴と戦って以降、最深部に近付こうとすらしなくなった。それが何でか分かるか?」

「……もしかして、”怪物” が怖いから?」

「そうだ。あの日以来、アネリルス様は時折うなされるようになった。本人は絶対に認めないだろうが、奴を恐れているに違いない」

「んじゃ、あたしらだけでやるしか無いね。或いは最深部まで行く途中に、仲間が増えれば良いんだけど……」


あたしらの目下の目標は、魔神最強と呼ばれる人が恐れを成す程の存在を倒すこと。そうそう仲間が増えるとは思えない。


「ま、とりあえず、アネリルスさんの所へ行きますか」

「俺達が案内しよう」

「迷子にならないように、しっかり着いて来るっすよ!」


そんなこんなで、あたしはフォル達に連れられて、アネリルスさんの元を目指して歩き始めた。



*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*



「そう言えば、さっきのはどういうことなの?」

「さっきの?」

「あたし達が生贄だって話」


ルーンが言うには、あたし達は生贄としてこの異世界に呼び出されたらしい。でもさ、それって良く考えると変じゃない? だって生贄にするつもりなら、どうして強くなれなんて言うの? わざわざギフトまで寄こしてきて、明らかに育てようとしてるよね? 生贄にするつもりなら、何でわざわざ育てるような真似をするんだろう?


「俺達も詳しいことは分からん。確かなのは、クラヴィアには何らかの目的があって、その為に生贄が必要だってこと。そしてその生贄は、かなりの高レベルである必要があるってことだ。何で高レベルである必要があるかは、分からんがな」

「ギフトを与えてるのも謎な所っす。強化の一助としての力ってんならスキルで充分事足りるはずなのに、わざわざギフトを与えてる理由が分からないっすよ」


成程、クラヴィアがあたしらに強くなるよう言って来た理由はそれか。レベルやギフトを与えて成長を促し、成長しきった所で生贄にしようって魂胆なんだろうね。

……ある程度まで育てた所で生贄にする(収穫する)。まるで、養豚場の豚か、農園の果実になった気分だ。いや、気分じゃない。あたしは捨てられたけど、光希達は今実際にそういう状況にある。ヤバいどころの話じゃない。改めて危険な状況であることを理解して、あたしは自然と足を速めた。

―――その時だった。


「グルルゥゥゥゥ…………」

「グルゥゥ………」


何かの唸り声が上から(・・・)聞こえてきた。見上げてみると、高い所からあたしらを見下ろす集団がいる。デッカい体には鱗がびっしり。大きな口には鋭い牙が並んでいて、背中に生えた大きな翼を羽ばたかせて飛んでいる。多分、ドラゴンって奴だ。そのドラゴンが全部で500体くらい。皆揃ってあたしらに敵意の視線を向けていた。


「デカいけど、怖いって感じじゃないな。あれってドラゴン?」

「あぁ。あれは中位の竜種、ファイアドラゴン。硬い鱗で身を守りつつ、空中から炎属性の攻撃を仕掛けてくる。特に、竜種共通のスキル『竜魔息吹(ドラゴンブレス)』は強力だ。ファイアドラゴンの息吹(ブレス)は火属性だから、並の奴が食らったら一瞬で骨も残らず塵と化すだろうよ」

「と言っても、奴らはせいぜいレベル3000程度。このダンジョンじゃ下の上くらいのモンスターで、いくら束になろうが俺っち達の脅威じゃ無いっす」

「え、あんた達モンスターだよね? 同じモンスターなのに敵同士なの?」

「それについては―――む?」


話し込んでいると、ドラゴン達が口を大きく開けて、一斉に炎の波動を放ってきた。あれが『竜魔息吹(ドラゴンブレス)』か。まあでも、こんなの『厄災箱(パンドラボックス)』を使えば楽勝だけどね。


「はい収納」


100を超えるドラゴンの攻撃も、『厄災箱(パンドラボックス)』の『厄災収納』に掛かれば一瞬で片付く。空間の穴を作って、そこにブレスを放り込めばお終いだ。

ほんと、『厄災箱(パンドラボックス)』の優秀っぷりと言ったら、自分の力とは言えマジで反則すぎだよね~。んで、ドラゴン達はと言うと、ご自慢の攻撃が全く通じなくて相当焦ってるみたいだ。


「一華殿。今の攻撃、わざわざ止める必要も無かったんじゃねぇか? 今の一華殿はレベル9999。レベル3000のファイアドラゴンの攻撃なんざ、蚊に刺された程にも効かねぇぞ?」

「確かにそうかもだけど、万が一ってことがあるでしょ? それに―――」


あたしは『厄災顕現』を使って、さっき収納したブレス約100本を再現。それをドラゴン達に発射してみせた。あたしの魔力を上乗せしたお陰かブレスの威力が爆上がりしてたみたいで、ドラゴン達は一瞬で消し炭になった。


「どう? 手札は増やしといて損は無いでしょ?」

「そ、そうだな……」

「うわぁ、敵の攻撃でトドメ刺すとか、えっぐ……」


……若干2人が引いてるのは、見なかったことにしよう。

それにしても、『厄災顕現』は便利な統合能力(アビリティ)だけど、気を付けて使わないと味方を巻き込みかねないな。いや、『厄災顕現』だけじゃ無い。あたしはまだ、『厄災箱(パンドラボックス)』も、『戦神』も、自分のレベルも、どれだけの力なのかちゃんと理解できてないんだ。今のままだと、力を使おうとしても確実に力に振り回される。”怪物” どころか、多分アネリルスさんにも勝てない。

え、何でアネリルスさんが出てくるかって? フォルの話が本当なら、”怪物” はアネリルスさんがビビるくらい強いんでしょ? だったらせめて、アネリルスさんは超えないと話にならないよ。


「グルガァァァァ!!」

「カカカカカカカ!!」

「っ! 一華殿、また来るぞ!」

「ドラゴンにリッチ、その他諸々……! 今度は100どころじゃ無いっすよ! 少なく見積もっても2000はいるっす!」

「マジ? どこにそんなに隠れてたのさ?」


でも丁度良いや。見た所敵はレベル3000~5000くらい。ギフトみたいなヤバい力を持ってる奴もいなさそうだし、コイツら実験台にしてあたしの力を把握してやろう!


「一華殿、ここは俺達が―――」

「いや、2人は下がってて。ちょっとコイツら相手に色々試したいんだ。そうだ、2人からも何かアドバイスがあったら言ってね !」

「はいっす!」

「無理すんなよ」


2人が快く返事をしてくれた。最初はまさかこんな関係になるとは思わなかったけど、仲間になると結構頼もしい。いずれはこの2人に全部お任せして……いやダメだ。そんなことしたら鈍る。そんで光希と再会した時に鈍ってたら、お仕置き稽古の刑に処される!


「どうかしたっすか? ちょっと顔が青いっすけど」

「な、何でもないよ!」


まあ後の事は良いや。今はとにかく、目の前の敵を片付けないとね!


「ガァァァァ!!」


お、早速ドラゴン達がブレスの準備してる! そんじゃ、あたしも使っちゃお(・・・・・・・・・)


「食らえ! 『竜魔息吹(ドラゴンブレス)』!!」


あたしは口に魔力を収束させて、モンスターの群れに向けて思い切りぶっ放してやった。そしたら―――たった1発で群れが全滅した。それどころか、床に壁、天井が抉られて、ダンジョンの形が変わっちゃった。……いやいや、ちょっと待ってよ。そりゃ確かに力が強くなった自覚はあったけどさ。こんななの? あたしこんなヤバいの!?


「い、一華殿? 試し撃ちをするんじゃなかったのか?」

「……やろうとして、しくった」


どうすんのこれ? いや、そんなのあたしが頑張れって話なんだけど、こんな無茶苦茶な力を使いこなさなきゃいけないとか、ダルすぎなんですけど……。


「って言うかそもそも、何で一華さんが『竜魔息吹(ドラゴンブレス)』を使えるんすか!?」

「あぁそれは、『戦神』の『武芸百般』のお陰だよ」


『戦神』の統合能力(アビリティ)『武芸百般』―――

1度見た敵の技や魔法を、何時でも使えるようになる。さらに『鑑定眼』で得た情報を元に、敵のスキルやギフトを自分の中に再現して、それを『戦神』に統合することもできる。要は敵の技も能力も、自分の物にできる統合能力(アビリティ)だ。


今のブレスも、『戦神』に統合した『竜魔息吹(ドラゴンブレス)』で放った物だ。……コントロールはお粗末だけどね。

で、2人に『武芸百般』のことを話したら―――


「「反則すぎるだろ!!」」


と、同時に突っ込まれた。

……うん、あたしもそう思う。でも敵が持ってるより遥かにマシだ。それに、後々強大な敵が控えてるってんなら、使える物は何だって使ってやるさ。そうだ、丁度敵を全滅させたわけだし、これも使ってみよう。


「来い。魂達」


あたしが左手を(かざ)すと、目の前に突然、青白い人魂みたいなのが大量に出現した。数はざっと見て2100。それが全部あたしの左手に集まって、吸い込まれるようにあたしの中に入っていった。


「リ、リッチの『吸魂』まで!?」

「さっき見たときに貰っておいた。確か ”魂を吸収して支配するスキル” だっけ? ………支配して何の意味があんのか分かんないけど」

「ソイツについてはまた後で。それより一華殿、さっきの話の通りなら、あんた俺達のスキルも使えるのか?」

「まあね。『獄炎』と『空間断裂』も、その気になれば使えるよ。 まだ試して無いけど」

「俺っち達が見せた技もっすか?」

「もちのろん♪」

「やっぱり……」

「でも、今のままじゃ下手に使えないよ。レベルが上がって強くなったのは良いけど、まずは慣らさなくちゃ。ってか、そもそもレベルって何なの? 数字が大きくなるだけで力が増すなんて、どういう仕組みな訳?」

「レベルの大元は、神の特性だ。神には『敵を倒す度に、相手の強さに応じて自分を強化できる』って特性がある。それも、無制限(・・・)に」

「んで、ある時世界の(ことわり)を弄って、その特性を制限付きで人やモンスターに与えた神がいたっす。お陰で神以外の奴らも、敵を倒す度に強くなれるようになったっす。これがレベルの始まりっすよ」

「今じゃ神々も、その特性をレベルと呼んでる。どういう計算かは知らんが、レベル1から9999になる頃には、力が約5300万倍になるらしいぞ」


ははぁん。要するにレベルって、元々神の力だったんだ。……って、はぁ!!? 5300万倍!? そんな危険な力を軽々しく人に与えるとか、バカじゃないのその神!? え、ってことは今のあたしの力は、最初の5300万倍? どおりであんなバカみたいな威力になるはずだよ……。


「ダル……ほんとに使いこなせんのこれ?」

「本来なら地道にレベルアップして少しずつ力が増して行く所を、一華殿は一気にカンストさせちまったからな」

「並みの努力じゃ使いこなせないっすね」


はぁぁ……ダルすぎる。

―――とか思ってたら、今度は頭に角の生えた赤い人型のモンスターの大群が迫って来た。それも、人前で恥ずかし気も無く腰布1枚でいる変態達だ。


「人目がある所で腰布1枚でいるとか、ここには変態集団までいるわけ?」

「知能の低いモンスターは、基本服は着ないんだ。それよりも、今度はオーガの群れのようだな。数は約1000体。レベルは1500程度。正真正銘、このダンジョン最弱のモンスターだ」


最弱か……良し! 弱い者イジメの趣味は無いけど、コイツら相手に手加減の練習だ! そうだ。さっきまで魔法やスキルばかりだったし、今度は武器を使ってみよう。本当は槍が良いけど、今は無いからこれを使おう!


「ルーン、剣を借りるね。『厄災顕現』!」


あたしの右手に、ルーンの物とそっくりの剣が姿を現す。握った瞬間、いつもの素槍とはまるで違う感覚がした。武器(得物)が違うからってのもあるけど、それ以上に重みを感じたんだ。人を切る ”凶器” の重みを。


「ガガァァァァ!!!」


群れを成して迫って来るオーガ達を前に、あたしは目を閉じて集中モードに入る。全身の感覚が研ぎ澄まされて、武器(得物)にも意識が向いて行く。ついでに『戦神』の統合能力(アビリティ)の1つ―――生物の気配を探る『気配察知』を発動。察知する対象を敵対者(オーガ)に絞って、後は忘れる。


「ふぅぅ……」


気付けば大きく息を吐き出してた。

敵が近付いて来る。もう少し……もう少し……今だ!!


「はぁ!!」


あたしは目を開けて、出来得る限り最小限の動きと力加減で剣を振るう。目の前に迫ってたオーガの首は、豆腐みたいにあっさりと切れた。


「ガ!?」

「ガガァ!!?」

「荒いな。やっぱ見様見真似じゃこの程度か」


光希の動きを真似したつもりだったけど、切り口が荒い。剣の軌跡が完璧じゃ無かったからだ。でも、膂力がどんなもんかは大体掴めた。今はそれで十分だ。


「ガ、ガァァァァァ!!!!」


驚きで止まってたオーガ達だけど、仲間が殺られたことに気付いて再び動き出した。あれを見てもまだ挑んで来るなんて、コイツら結構やるね。でも負けないよ!


「せぃや!」

「ガァ……!」

「でりゃあ!」

「ガ…ガ……!」


あたしが剣を振るう度、オーガの首が次々と落ちて行く。剣筋はまだまだ荒いけど、さっきみたいに派手にぶっ壊す様なことはない。よしよし、少しずつ力を使えるようになってる。良い感じだ!!


「ガ、ガギェェェェェェ!!」


しばらくしてオーガ達は、勝てないと思ったのか一目散に逃げ出した。今回倒したオーガは、全部で600くらい。もっと前に逃げ出すタイミングあったと思うんだけど……。まあ力を試せたからいっか。


「追わないのか?」

「逃げる背を追う様なことはしないよ。それより、アネリルスさんの所って、後どのくらい掛かる?」

「恐らく、今日1日では着かないだろうな」

「え、そんな遠いの?」

「これでもまだ近い方さ。上の階層だったらもっと時間が掛かってたはずだぜ? そういえば、まだこの迷宮(ダンジョン)の構造について話してなかったな。ルーン、説明を頼む」

「はいっす! まずこの迷宮(ダンジョン)は、全8階層から成る逆ピラミッド型の構造になってるっす。各階層に雑魚モンスターと階層を守護するボスがいて、上の階層はフロアが広くて敵が多い代わりにボスは弱め。対して下の階層は、フロアが狭くなって敵が減る代わりにボスが強くなるっす。今俺っち達がいるのは下から2番目。階層の広さで言えば2番目の狭さっす」


成程。つまり今いるこの階層は、他と比べてかなり狭い方だったんだ。それでも歩きで1日以上かかる様な距離の道があるってことは、他の階層は下手をすると大陸くらいの広さになってるかもしれない。もしそうだとして、上の階層に飛ばされてたら、あたしは自分の足で大陸横断しなきゃなんなかったわけだ。良かった~、飛ばされたのが下の階層で。


「そしてこの階層のボスが、俺っち達の主、アネリルス様っす!」

「そのアネリルス様の部屋の奥に扉があって、そこから続く階段を下りると最下層に着くんだ」

「次の階層への扉を守る番人。(まさ)しく階層の守護者って訳か。……あれ、ってことは寄りたいか否かに関係なく、アネリルスさんの所には行かなきゃなんなかったってこと?」

「え………あぁ! そういえばそうだな! いやぁ、すまん。うっかりしてたぜ! ガッハハハハハハ!!」

「………」


一瞬演技かと思ったけど、フォルの瞳には一片の曇りも無かった。本気で忘れてたみたいだ。……おいおい、急にドジっ子属性出して来たぞコイツ。行先も、そこへの行き方も分かってんのに、途中にある物の存在忘れるとか、そんなことある? これが幼い子供とかならまだ可愛げがあったんだろうけど、フォルは見た目大人だし、牙生えてるし、可愛いとはお世辞にも言えない。もしフォルが『てへぺろ♡』なんて言い出したら、正直自分を抑える自身が無いんですけど?


「先輩は昔っからどこか抜けてる所があるっす。俺っち達がクラヴィアにここへ飛ばされたのも、元は先輩のドジが原因だったっすよ。他にも先輩のドジで、俺っちが巻き込まれたトラブルの数と言ったら……もう数え切れないっすよ」

「……苦労したんだね」


まったく、今までどうやって生きてきたんだか。ルーンが一緒じゃなきゃ、フォルはもっと前に死んでたかもね。


「まぁ、わざとじゃなきゃ良いよ。次からは気を付けてよね?」

「おぉ……! アネリルス様だったら半殺しにしてくる所なのに、あんたは許してくれるのか! 流石は(・・・)超強力なギフトを2つも持つ御人! 器のデカさが図り知れねぇぜ!」


……急にお世辞を言いまくる人って、何か残念な小物感がするよね。けど、今のちょっと引っ掛かるな。何でギフトが器の大きさの指標になるんだろう?


「あたしの器とギフトって、なんか関係があんの?」

「あ? クラヴィアから聞いてないのか? ギフトには、それを持つ者の本質が反映されるんだぜ?」

「どういうこと?」

「まず前提として、ギフトの大元は神の魂なんだ。神が自らの魂を削り取り、それを他者に分け与えた物。これが、所謂(いわゆる) ギフトの ”種” ってやつだ。”種” は相手の魂と結び付き、その者の本質を投影する。それを力として具現化することで、”種” はギフトとして完成(開花)するんだ」


へぇ。じゃあ『厄災箱(パンドラボックス)』と『戦神』は、あたしの本質って訳だ。……って言われても、全然ピンと来ないけど。


「ギフトの強さは、ソイツの器によって決まるっす。種族は関係無く、純粋な人としての器。これが大きければ大きい程、それに比例して ”種” も活性化してより強力なギフトになるっす」

「つまり、『厄災箱(パンドラボックス)』や『戦神』のような強力なギフトを持つ者は、自ずと大きな器の持ち主と分かるってわけさ」


器ねぇ……別にアタシ、自分の器とか気にしたこと無いけど、そんな大きかったかな?


「まぁ、俺はギフトなんて無くても、一華殿が器の大きい人間だってことは分かるけどな」

「え、何で?」

「俺達がどれだけ ”怪物” の恐ろしさを訴えても、あんたは一歩も退かなかった。その上、敵であるはずの俺達の意も尊重してくれた。これだけでもあんたの器が垣間見えるってもんさ」

「普通のことをしただけなんですけど?」

「それ、全然普通じゃないっすよ。普通は、俺っち達があんだけ訴えれば、親友の為だとしても ”怪物” に尻込みしちまうもんなんすよ。それなのに一歩も退かないんだから、その時点で一華さんは凄ぇ器の持ち主っすよ!」


2人の言ってることはいまいち良く分かんないけど……褒められて悪い気はしないかな。


「ま、アタシの器の話は置いといて、早くアネリルスさんの所を目指そうよ!」

「おう!」

「はいっす!」


こんな話をしている間にも、クラヴィアの魔の手が迫っているかもしれない。今はとにかく、アネリルスさんの所を目指さないとね!

本作をご覧いただき、誠にありがとうございます!


今話は一華の力と、この世界の知識がメインとなりましたが、アネリルスの元を目指す道のりはもう少し続きます。

因みにレベルアップによる力の上昇についてですが―――

・レベル500までとそれ以降で、力の上がり方が異なる。

・レベル1の力を『1』として、レベルが1上がるごとに力が『0.2』上昇。(レベル500まで)

・レベルが500上がるごとに2倍になる計算で、力が上昇する(レベル500以降)

と、このような感じの設定になっています。


このお話をより良いものとするため、皆様に楽しい時間をご提供するため、皆様のご意見、ご感想をどうぞよろしくお願いします。


また、面白いと思っていただけたら、高評価も是非お願いします。

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