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鼓動が聴こえる、その時まで  作者: UrANo
立つ鳥跡を濁さずと言うが、実行するのは難しい
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─4─ 事象発動に武器、はロマンでしかない

こんにちは、もしくはこんばんは。

UrANoです。

いつか海外旅行したいです。特にイタリア。

 神父様の杖(仮名)が浮かぶ暗い部屋の中、新事実を神父様が言う。ついでの様に言ったのが…………リアさんの瞳が元々神父様の瞳だと言うことだ。

 …………仮に話が事実だとしたら……かなり複雑なのにちゃんと友好関係を保ってるなぁ……。


「っと、私の話に付き合わせてしまったな。クレアをここに呼んだのは別の理由があってだな……」

「〈神具授与の儀〉だっけ?さすがにここまで場が整えられてたら分かりますよ……」

「私の杖がどうだと散々言っていたあれが神具だが、感想はあるか?」

 

 正直に言うと本当に老人とかが使うただの杖にしか見えない。あ、でも本で見た仙人とが持ってるのにも似てるかもしれない。


「あ、よくよく考えたら神具って言う割に長い気がする」


 それこそ例えるなら日常で使う杖と同じ大きさだ。だから神父様の杖(仮)と、勝手に結びついてしまったのだ。他の『葬送者』の神具を見た事がないので何ともいえないが、想像より長いのは確実だ。

 近くに行ってみると杖には何か文字が張り巡らされていて、ところどころ陣や回路が見える。これを創った人は相当実力を持った人だろう。


 半年前くらいまでいた青年の〈神具授与の儀〉を覗き見した時は確かこの後……。


「まぁ、分かっていると思うがあの神具にクレア。君のマナを込める事によって契約が成立し、持ち主のマナの流れに合う杖となる。ちなみに私が創った」


 わーーー。さっすがー神父様だ。『奇跡』常時発動できる実力があるからってだけじゃ説明出来ないくらい凄いことやってるの自覚してなさそうだなぁ。


 杖の1部が存在を示すように光っている。「ここにマナを流し込め」と言っているようにも見える。

 

 ゴクリと唾を飲み込む。


 ここで失敗したらどうしよう……。

『奇跡』について目覚めてからの1年間、結構習ってきたけど……。習ったとはいえまだまだ初心者な事には変わりないし。


「クレア? 『奇跡』使える者は失敗しないぞ? そもそも最低条件がマナを流し込む事だからな。教会の物を壊しまくっても笑ってる精神は何処へいったのやら……」


 問題ないんかいっ!


 心配して損した気分……。自信満々で失敗するよりかはマシだからいいんだけどね!

 それよりもショックなのは神父様は私の事をポジティブの塊だと思ってる(仮)事だ。

 人間(1回死んでるらしいけど)誰しも不安になることくらいあるって。説明もなしに言われたら尚更不安だし心配もするって。神父様は冗談も通じなければ感情も通じない。そのくせ冗談を言う。


 とりあえず小言は1回置いておこう。今は目前のこの杖にマナを込めることに集中しよう。

 膨大かつ精密、しかも大量の陣が彫られている杖だ。何処にマナを流すかは分かるがその後どう操作するかは自身で行う可能性が高い。


 だってこれは試練なのだ。〈神具授与の儀〉と言っても神具は選ばれた者のみに贈られるものだから。そうでなければこれ程壮大な名前は付かない。


 あと神父様の簡単は私にとって簡単だった試しがない。半年前まで教会にいた青年(名前は確かルヴァンくんだった)もグランオニーチャンの足を思いっきり折った後に「神父様の簡単ってどんだけムズいんだよ……」って愚痴ってた気がする。足を折られても秒で治してルヴァンくんにちょっかいかけに行ったオニーチャンの印象が強かった。


 深呼吸をひとつ。

 右手の人差し指にマナを込める。

 そして、流し込む。


 その瞬間、白に染まった。

 部屋が白い光に満ちて何も見えなくなったのだ。ルヴァンくんがやった時は一瞬で静まったのにこの光は全く落ち着く気配がない。


「し、神父様っ……! これどうなってるのっ……!ちよ、眩しっ!」

「クレア、マナ流し込みすぎだ」


 ほんとにマナを流し込むだけでよかったらしい。しかも少量でいいとは……。

 急いで手を離す。すると真っ白だった部屋はたちまち暗く……っと待って、神父様? 何そのサングラス。似合ってるけどさ? なんで持ってるの? てかつける必要ないよね? え、もしかして私がマナ流し込み過ぎる事予知して持ってきてたの? 酷くない?


 なんて事を考えてたらふと、手に当たった杖の形が変わっている事に気がついた。

 私よりも大きく、上の方には宝石が付いていて、何故か羽に近いのも浮いていた。そして1部が骨っぽかったり蔦みたいだったり……なんかよく分からない形をしていた。


 ちょん、と杖に触れてみる。

 反応がなかったのでとりあえず持ってみたところ、見た目に反してとても軽いことがわかった。多分元々のマナを流し込む前と重さは変わらないのだろう。


「なるほど……。まぁ、使うのはクレアなので形に問題はないと思うが。マナを流し込むことによって神具自体は伸縮可能だが…考えが上記を逸脱しているクレアの事だ…………心配だ。……神具が」


「少しくらい私を心配してくださいよ!」

「君、気がついてないと思うから言うが『葬送者』の中でも保有しているマナが多い方だぞ。身体能力も高い。心配する要素が見つからないのだが」


 一言多い! けれどそれよりも私は神具を貰った事によって、今までの努力が認められた気がして嬉しかった。


「ほんと一言多いですよ。けど、ありがとう! 神父様!」

 

 神具は大切に使おう……。そう、思った。

ここまで読んで下さりありがとうございます。

やはり杖があると無いとでは厨二心の疼き具合が違いますね。作画の為に3Dで作るのもありですね。

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