─1─ ツッコミが追いつかないのですが?
こんにちは、もしくはこんばんは。
UrANoです。
マジの二度寝かましたかもしれません。
「お! 見えてきた!」
メイヴンさん達と別れた翌日の昼過ぎくらいだろうか。彼女に教えてもらった国がやっと肉眼で視認できる範囲まで来た。
4キロメートルくらいなのでレストランのピークを過ぎた頃くらいに着くだろう。うん。時間采配完璧。
ふわりと風が頬を掠める。
ひんやりしている。……少し水気のある風だ。
少し視線を下にずらすと、石造りの道の端で水が流れている。あの濁流とは違い、透明度が高い。水の流れ的に国のさらに奥に見える山の雪が溶け、流れてきた水なのだろう。雪溶け水。
数日前とは違い、今歩いている場所はしっかり舗装されている。人の手が加わっている、ということだ。チラチラと業者の荷台や旅人も見かける。それに思っていたより大きい。
……ここは割と有名な国なのかな。
上機嫌に鼻歌を歌いながら私は国へ向かった。
国の入口、門では見張りの人? がいた。何だろアレ。
あ、そっか。入国手続きってのが必要なんだっけ。その窓口の人なのかな。警備がしっかりとしてるなぁ。
……手荷物検査とかあるのだろうか。あとは身元の……身元、証明できるもの……無くない?
まぁ、何とかなるでしょ。
そんなこんなで十数分後、入国手続き待ちの列が進みクレアの番となった。
「本日は我が国テオリアへお越しくださり誠にありがとうございます。手続きを担当させていただきますリャルフです。見たとこお客様は旅人、でしょうか?」
「はい。なりたてほやほやの旅人です」
私はまだ旅立ちから二週間も経っていない、新人の旅人だ。それに教会で『葬送者』として目覚めてから、一回も外に出ていないのだ。入国手続きの方法は慣れてないどころか全く分からない。一応お金はあるし問題ないと思うけど。
「……では身分証明書の提示をお願いします。」
「身分証明書?」
「無いのでしたら発行できますよ」
どうやらこの国には身分証明書というものが必要らしい。聞いたところによると、この国にいる人は旅人、旅行客、行商人含め全員持っているとの事。
別の部屋に通され、しばらく待つことに。この後受付来た人が死体とかじゃないよね……。デジャブ感じたくないなぁ。
と、視線を先を何かが横切る。
「猫だ」
そこにいたのは数匹の猫だった。本でしか見た事がなかったのだが、本物は思っていたより個体差があるようだ。
猫達は私には興味が無いのか壁で爪を研いでいる個体、丸くなって眠っている個体、あとは床に落ちていた大きめの毛玉をいじっている個体がいる。それと、ダンボールの中にも数匹入っている。
コンコンコン。
ドアをノックする音がする。失礼します、と言い先程とは別の人が入ってくる。
「身分証明書を作成する為の準備が整いました。ご存知かと思いますが、テオリアを含めた15ヶ国でこの身分証明書は使用することができます。主に貿易の作業短縮を目的としています。それとは別に密売、罪人の抑制にも繋がっています。」
ほへぇ。
つまり身分証明書がないとこの国には入れない仕組みであり、身分証明書は他の国……おそらく同盟国でも使えるということだろう。
案内人はトレーからカードを取り出し渡す。真っ白いカードだ。1箇所だけ穴が空いている。そしてカードにしては少し分厚い。薄い機械のように見える。それにカードと共に渡された、カセットのようなものは何に使うのだろうか。
「カードのこの部分に親指をあててください。そうすることによって登録が完了します」
なるほど、指紋認証。
指紋……。
私は自分の手を見つめる。一応指紋はある。血液かけて認証よりはマシだろう。私の血は液状化したマナみたいなものだから普通の人と作りが違うし。
ぴとりと親指を指定の位置におしあてる。真っ白だったカードに線が浮かぶ。テンプレートの様だ。
そして案内人はカセットを機械に刺し、カードも「ここに刺してください」と促していた。
そしてカタカタと何かを打ち込んでいる。
「名前と性別、それと年齢を教えてください」
機械に打ち込むことによってカードにも写す事ができるのかな。
「クレイニアム・アンダーリビオンです。性別は女で、年齢……年、齢…………」
そういえば私年齢気にした事ありませんでした! 『葬送者』一年生って事は分かるんですけど、実年齢は全く記憶にないですね。さて、どうしましょー。
「分からないなら未回答で構いませんよ」
あ、よかったみたい。
思っていたよりアバウトなんですねぇ。そんなんで大丈夫なんですかね。身分偽り放題じゃないですか。
その後しばらくカタカタしていたが、ッターンと軽快な打撃音を最後にカードの登録は終了した。
「こちらのカードは会計時に必ず出すようにお願いします。建物に入る際にも必要になります。再発行には手数料がかかるので無くさないようにしてください。」
そういい受付人はカードの穴の空いたところにチェーンを通し渡してくれた。見た目がものすごく本で見たドックタグの様だ。タグはひとつしかないけど。というかネックレス風に付けるのがオーソドックスなのだろうか。
よく見たら受付人も首に同じものをつけている。
それに習って私もカードを身に付ける。
これで身分証明書発行――身分証明カードだが――は終わったようだ。
この後は入国手続きが必要だ。初めて来た国なのだから慎重になるのも頷ける。
受付人は目線を床の方へずらし言う。
「それでは、そこにいる猫から気に入った子を選んでください」
…………。
「は?」
ここまで読んで下さりありがとうございます。
旅のお供を選ぶのじゃ、状態になってますね。モソハソやった事ないですけど。知ってるのはアイ○ーとバ○コソガとザボ○ザギルだけなので。




