第22話:ミロアからモーラへ、ナオキとパルフェのお互いへの想い
「これはあんまり...これもそんなに...こっちは...」
ナオキは依頼を見漁っていた、何か大きな依頼は無いかと焦っていた
「ねぇ、ちょっとは落ち着いたら?」
パルフェがナオキに問いかける
「別に良いだろ」
「何焦ってんのよ」
「別に焦ってない」
「そんなにクロムに負けたくない訳?」
「ッ!」
図星であった
クロムという、絶対に越えなければいけない壁が現れた事により焦っているのだ
人生で最も対抗心を燃やしている瞬間なのだ
「クロムは今関係無いだろ!」
「あ、図星?」
「違う!」
「ムキになっちゃってる時点でそうでしょ」
「...」
ナオキは何も言い返せない、事実であるから
「いくら可愛いパルフェちゃんが盗られそうになってるからって、焦る事無いでしょ」
「別に盗られたって焦んねぇよ」
「ふーん、じゃあ今すぐクロムの所行っても良いわけ?」
「そんな訳じゃねぇよ...」
「嫌なんだ?」
「...」
パルフェがくすくすと笑う
「大丈夫よ、よっぽどの事がなけりゃあんたの事見捨てるとかしないから」
「だからそうならない為にも、あたしのしもべとして頑張りなさいよね☆」
「はいはい...」
ナオキ達は依頼掲示板で依頼を見漁ったが、目ぼしい物は特に無かった
「んー、特にこれと言った依頼は無いかな」
「そうね」
「この街でする事も依頼受ける位な訳だけど、それも目ぼしい物がなけりゃねぇ」
「だよな」
「どうする?次の町に行く?」
「そうするかなぁ」
二人はミロアを離れ、次の町に行く事に決めた
「ここを出てだいぶ北に行くと、モーラって町があるわ」
「北?もしかして昨日用心棒の依頼で行ったあそこか?」
「そうそう」
二人は一度モーラまで行ったのだ
正確には町の入り口近くまで依頼主を送り届けたまでで町には入っていないが
「あそこか、どんな所なんだ?」
「何でも、数多くの色々な店が並んでる商売の盛んな町みたいよ、マーレやメリン、それこそミロアよりも凄いとか」
「へー」
「行く?」
「もちろん」
「決まりね」
二人は心を踊らせている
ナオキは武器屋や飯屋、パルフェはアクセサリーショップや道具屋がこれまで以上に充実しているモーラに行くのが楽しみでしょうがない
「よっしゃ、そうと決まれば出発だ」
「そうね」
二人はミロアを出発し、モーラへと向かった
「ここをまっすぐね」
「一度通ったから気兼ねなく進めるな」
「心配も特に考えなくて良いしね」
二人が一度進んだ道を進み、半分以上進んだ時にパルフェがナオキに聞いた
「ねぇナオキ」
「何だ?」
「クロムの事なんだけどさ」
「ッ!」
ナオキは嫌な顔をした
「またクロムの事かよ」
「そんなに気になる?」
ナオキからすれば、自分より強くてカッコ良くて人気だってある、自分の劣等感を刺激する存在でしかない
「ああ...」
「ふーん、そっか」
「ねぇ、もし本当にあたしがクロムの所行っちゃったらあんたどうする?」
「は!?嫌に決まってるだろ!」
「あ、やっぱり盗られたくないんだ」
パルフェがくすくすと笑いナオキをからかう
「そりゃまぁ...仲間居なくなるのは寂しいし...」
「お前だって、俺っていう忠実なしもべ居なくなったら嫌だろ」
「んー、別に」
「えっ」
ナオキが暗い顔をする
「冗談よ冗談、さっきも言ったけど、よっぽどの事ない限りはあんたの事見捨てたりしないから安心なさい」
「だからせいぜい、可愛いご主人様であるパルフェちゃんの為にも頑張りなさいね」
「あーはいはい」
ナオキとパルフェが相も変わらずの話をしている
なんだかんだ、二人は互いにお互いを気にかけ旅を楽しんでいるようだ
「... 」
パルフェと話している最中、ナオキは心の中で思った
(散々コイツの憎たらしい所見てきたけどよ、だからって居なくなったら良いわけじゃねぇんだ、それこそクロムに持ってかれるなんざ嫌に決まってる)
(せっかく仲良くなったのに、いきなりバイバイからのひとりぼっちなんてゴメンなんだよ)
(それに...それによ...パルフェを...)
(こんな腐れちんちくりんのお守りさせられるクロムも不憫だろうにな)
クロムへの劣等感や負けたくない対抗心と同等に、パルフェを当てられる同情の念も彼には有ったようだ
二人が話をしたり道中でモンスターを倒したりしてる間に、二人はモーラへと着いた
「やっと着いたな」
「はー疲れた」
「まずは宿探すか?」
「そうね」
二人は宿へと赴き、休息を取った
少し休んだ後に、二人は町へと出て色々な店を回る事にした
「さーってと、どこ行くかね」
「まずはアクセサリーショップね、あたし見たいから」
「はいはい」
相も変わらずの様だ
「たまには俺の分のアクセサリーも見てくれよ」
「あら、首と腕に素敵なアクセサリー付いてるじゃない」
彼の首に付いているのはご主人様からのしもべの証
そして腕に付いているのは女神から授かった二つの意味での愛の証
「呪いの装備だよこんなの」
「ふーん?」
「何だよ」
「呪いの装備だって言う割には外そうとしないわよね、あんた」
「仕方無いだろ、この腕輪は俺のパワーアップの為の物だから外す訳にもいかないんだしよ」
「じゃあ首飾りは?別にパワーアップする為の物じゃないのに」
「それは、その...」
「そりゃそうよね~、大好きなご主人様がくれた大事な物なんだから外したく無いわよね~」
「ちっ、ちげぇよ!」
「じゃあどうして~?言ってごら~ん?」
「良いだろ別に!ほら行くぞ!」
ナオキは顔を赤くして早歩きする
「照れちゃって☆」
パルフェはにやにやしながらナオキに付いていく
これから始まる二人のモーラでの活動はどうなる事やら




