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第14話:何だコイツ!?謎の生き物、その正体とは?


村人達に見送られ、謎の生物退治を任され森にやって来たナオキとパルフェ


「ここが例の森か」

「この森にその生き物がいるのよね」


「その生き物ってどういう奴なんだろうな」

「さぁね、村人達はあらゆる動物にも見えないけど、あらゆる動物にも見えるとか言ってたけども」

「ホントにどんな奴だよ」




「でもちょっと気になるんだよな」

「何が?」

「そいつが特に被害出して無い事だよ、襲っては来てないって事だろ」

「うん」

「だったらそこまで過敏になる事でもないじゃないんかって思うが」

「あの村長も言ってたでしょ、用心しておくに越したことはないって」

「まぁそうなんだが」


二人が歩いていると、森の奥の方で何かが動いているのが見えた


「なんだアレ?」


目を凝らして見るが、木々や草に阻まれてよく見えない

おそらく動物か何かだと思われる


その存在はナオキとパルフェに気が付いたからか、盛りの奥へと走って行く


「あれってまさか!」

「尊重の言ってた謎の生き物!?」


二人は追いかけ、森の奥へと進んでいく


しばらく進んだ後、開けた広場の様な所へ出た

そして、二人は謎の生き物と対面した



「さぁ、追い詰めた...」

「観念しなさ...」




「えっ」

二人の声が重なった

目の前にいる存在に言葉を失ったからである



二人の目の前に居たのは

犬の様にも猫の様にも狸の様にも兎の様にも見える二足歩行のふわふわした生き物

確かに村人達の言った様に、あらゆる動物にも見えるしあらゆる動物にも見えない謎の生き物だ

だからってここまで形容しがたい生き物が居て良いのかよ、とナオキは思った


「なんだコイツ」

「これが村人の言ってた謎の生き物?」

「まぁ謎な生き物なのは間違いないだろ」

「こんな奴図鑑にも載って無いわよ」


異世界人のパルフェがこう言うのであれば、間違いなく新種なのだろう



「こいつ何なんだ?」

「とりあえず声を聞けば何か分かるかもね、ちょっとあんた、何か言いなさいよ」

パルフェが謎の生き物に聞く

「おいおい、そんな簡単に喋る訳が...」


ナオキが喋り切ろうとした時、謎の生き物が口を開いた


「んむッこゃーん」


ナオキは思った

こいつは犬であり猫であり狸であり兎であり、そして狐であると


「...ますますよく分からないわね」

「...ああ」


二人が困っていると、後ろの方から音がした


「なんだ?」


ナオキが後ろを見ると、そこにはメイを含めた数人の村人がいた


「あ、メイちゃん達」

「何でここに?」


「お二方の事が気になってしまい...」

「何て言うか、心配にもなっちまってそれで...」


要するに期待されていないのか俺達は

ナオキはちょっとムカついた


「ねぇ、あんた達の言ってたのってこいつ?」

パルフェがふわふわを指差す


「そうだ、こいつだよ」

「改めて見ても意味わからないな」


それには同意しかない

ナオキとパルフェはそう思った




ナオキは村人に尋ねた


「あのー、一つ聞いて良いですか?」

「どうした?」


「その、こいつ本当に退治しなきゃいけないんですか?」

「そりゃどういう意味だ?」



「いやだって、こいつどう見ても危険な生き物には見えないんですけど」

「そうそう、結構可愛いし」


「確かに...危険な生き物には到底見えないよな、改めて見ると」

「可愛いのも事実ですしね」




村人達もわりと納得しているようだ


その後、ナオキ達はそのふわふわを村に連れて帰り、村長を説得した


そして、そのふわふわは村に置いて貰える事になった

トチューノ村の一大事?は平和に終わった


ナオキ達は宿に泊まり、一夜を明かした後に村を出る事にした

パルフェはふわふわと別れるのを名残惜しそうにしていて、しばらく抱き付いていた

ふわふわもちょっと寂しそうにしていた




そして村人やふわふわに別れを告げ、二人は村を出発した


ナオキとパルフェの旅が再開され、次の町へと向かったのであった








ちなみに、用心棒としての報酬金は謎の生き物であったふわふわを退治していない為に、ナオキ達には支払われなかったのであった



「...連れて帰って説得じゃなくて、嘘付いてでも倒したって言っときゃ良かった」

ナオキは不満をこぼした

「~♪」

パルフェはさっきと夕べの分、ふわふわを堪能したので上機嫌であった

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