第12話:いざ次の町へ!ナオキよ、今立ち上がる時だ!
ここはメリンの広場
そこにはナオキとパルフェに洞窟の事を教えた冒険者とその仲間が居た
「あの二人、今頃どうしてるかね」
「さぁな、まぁ上手いことやってるんじゃねぇか?」
「流石にモンスターにやられたって事は...無いよな」
「おいおい、バチ当たれとか言っておいて心配か?」
「だってよ、本当に大怪我してたり死んでたら胸糞悪いしよ」
「それはまぁそうだな」
二人が話していた時、見覚えのある少年が歩いてきた
「お、おいあれ!」
「あの兄ちゃんか!?」
二人は少年に駆け寄る
「兄ちゃん!無事だったか!」
「心配してたぞ!」
二人は彼の顔を見た
そこには、相も変わらず光の無い目をしているナオキの顔があった
ナオキは生気の無い顔で二人を見ている
「に、兄ちゃん?」
「大丈夫か...?」
「ええ大丈夫ですよご心配なさらなくてもぼくは大丈夫ですよ」
と、相も変わらず光の無い目をしながら早口でナオキは喋る
どう見ても大丈夫ではない
「い、一体何があったんだ...?」
「ナニモナカッタデスヨ」
「本当にか...?」
「モチロンデストモ」
遂には声にも生気と抑揚が無くなった
「コレデシツレイシマスネ」
ナオキはそう言い、歩いて行った
「なぁおい、どう考えてもあれ大丈夫じゃあ無いよな...」
「ああ...」
「本当に何があったんだろうな...」
二人が話していると
「あの...」
パルフェが後ろから話しかけてきた
「おお、嬢ちゃんか!」
「嬢ちゃんも無事だったんだな!」
「あ...うん...」
パルフェはばつの悪そうな顔をし、冷や汗を掻いている
二人がパルフェに訪ねた
「なぁ嬢ちゃん、一体何があったんだ?」
「兄ちゃんに何があったんだ?」
その言葉にパルフェは
「あー、えっと...それは...」
パルフェは洞窟での出来事を話した
と言っても、クラーケンを追っ払った所まででその後の女神との出来事は話さなかった
流石のパルフェもナオキに気を遣った様だ
それを聞いた二人は
「そうだったのか、まだクラーケンを追っ払ったとは恐れいったぞ」
「だけどよ、何であんな生気のない顔してたんだ?」
「それはその...ちょっと、嫌な事があって...それで落ち込んでるから...」
「そうだったのか...あんな顔してるって事は、相当つらい事があったんだな」
「まぁ...うん」
それはそうだろう
何せ愛を誓った愛しの女神様が、間号事なきの腐れ女神であった事
自分に与えられた能力が、今話している腐れちんちくりんへの愛の言葉でのパワーアップという辱しめによる物である事
ただのイケてない高校生が耐えられる訳も無かろう
「すまなかった嬢ちゃん!」
「え」
「舟での一件があったからバチ当たれなんて思ったが、まさかそんなつらい事があったなんて思わなかったんだ!ホントにすまねぇ!」
「俺も悪かった!」
「いやまぁ、その」
そう言って彼らはパルフェにいくらかのお金を差し出した
「えっ」
「これは俺からの気持ちだ、受け取ってくれ!」
「俺からも受け取ってくれ!」
「え、でも...」
「良いんだ、この金で兄ちゃんを元気付けてやってくれ!」
「美味いもん食うなり何なりとしてくれよな!」
「うん...ありがとう...」
そう言ってパルフェは金を受け取り、ナオキの後を追った
パルフェを見送った二人は呟いた
「頑張れよ、兄ちゃん、嬢ちゃん」
「応援してるからな」
知らぬが仏
「ナオキ」
「...」
「あの冒険者の二人がね、これで元気出せってお金くれたの」
「...」
「何か食べたいものとか、欲しい物があるなら言って」
「...」
ナオキは未だにショックから立ち直れない
「その、えっと」
「腕輪の件、ちょっとは悪かったと思ってるわよ」
「...」
ナオキは何も言わない
「...しょうがないわね」
パルフェがナオキの両頬を両手で包む
このまま元気出せのキス
等もなく、パルフェの両手がナオキの両頬を思いきり引っ張る
「いっっっで!!何すんだよ!?」
「あ、やっと戻った」
ナオキの目に光が戻った
「やっといつものあんたに戻ったわね」
「いてて、だからってこんな荒療治するなよな」
「ふーんだ、可愛いパルフェちゃんが何度も励ましてあげたのに全然反応しないからよ」
「原因作ったのお前でもあるだろうがよ」
「えー?そうだったっけ?パルフェちゃん忘れてちゃったー☆」
「見た目だけじゃなくて頭までちんちくりんかよ」
「あ?」
「何でもありません」
相も変わらずのやり取りである
「まぁとにかく、さっきの二人にお金貰った訳だからこれでしばらくは何とかなるわ」
「だな、それよりこれからどうする?次の町にでも行くか?」
「そうね」
パルフェ曰く、この町を出て西にずっと進むと新たな町が有るようだ
二人の次の目的地が決まった
「よし!そうと決まったら!」
ぐきゅうううううううう
「...腹ごしらえにしない?」
「...そうね」
どこまでも締まらない少年である




