感情を殺したはずなのに…
俺「眠い…寝たい…はぁ…」
今日も朝が来て学校が始まって昼が来て学校が終わる…そんな毎日
蘭「一緒に飯食おうぜ!」
毎日見慣れた友達が元気に話しかけてくる
俺「おう、そうだな」
俺は笑顔で毎日答える
また、友達…人と日々を過ごす
蘭「テスト勉強面倒くね?」
また、人間関係を壊さないよう言葉を選びつつ喋る
俺「それな、マジで面倒い」
相手が笑うと俺も笑う
蘭「ヤベ!授業始まる」
走り出す…俺はこいつと一緒に楽しめてるのか…この世は楽しんでいいのか…この…
昔は楽しかった
僕「みんな待ってー!」
小学校3年生まではいつもが楽しくて輝いていて友達も家族も周りの大人も子供も優しく、穏やかで、面白くて、毎日が笑顔だった
友達「捕まえるもんなら捕まえてみなー!」
僕は子供の頃の友達を追いかける
僕「まてまてー!」
その時5時のチャイムが鳴る
友達「はい、俺の勝ちー!」
友達は俺に近づき勝ちを誇ってくる
僕「タッチ!」
僕は勢いよくタッチして走り出す
友達「は!もう終わってんだろ!」
友達はそう言いながらも追いかけてくる
僕「家に帰るまでが鬼ごっこって言ったのはそっちだろ〜」
友達「も〜!待てー!」
ほんとに毎日が楽しかった
先生「ここわかる人〜」
僕「はい!24です!」
僕は勢いよく手を挙げ答えを言う
先生「正解!みんな拍手〜」
僕はクラス全員から拍手され照れる、こんな楽しくて綺麗な毎日…こんな日々は周りと自分が歳を増やすごとになくなった…小学校4年生からのことだった。
先生「この問題わかる人ー?」
僕「はい!29です」
俺は勢いよく答える。
先生「残念、違うな〜」
辺りからは笑いが起こる。僕はこの時悔しかった…自分が否定された様に感じた。その後は最悪だった。僕の感情も分からない奴らが俺に絡んでくる。
僕「や、やめてよ!」
僕は完璧を演じてきた。けどその完璧もいつかは壊れ壊され削られる。
海斗「うぇ〜お前こんな問題間違えてやんの」
海斗はいつもそうだった、僕のミスを失敗を弱みを見つけるたびにからかってきた
僕「海斗もここの問題まったくわからなかっただろ!」
僕はいつも言い返した、悔しくてうまく言い返せなくて…そんな自分が無様でみっともなくて、許せなくて…
海斗「俺はバカだからしょうがないの!お前は頭いいんだからこんくらい解けろよな!」
お前は…君は…お前なら…毎回言われた…失敗するたび、ミスするたび、僕が諦めるたびに…
僕「頭いい悪いじゃないだろ!」
僕は完璧だから、なんでもできるから…俺だってみんなと同じ人間なのに…言い返しても僕の声は闇へと吸い込まれるように周りの笑い声に無くなっていった。
母親「今日学校はどうだった?」
親には言ってもいいのかな…そう思って一回言ったことがあった。
父親「なんで早く言わなかったんだ!」
親からは怒鳴られた様な声が飛んできた。
僕「いやいや、大丈夫。ただ少しケンカしただけだから」
僕はその怒鳴り声が嫌いだった。自分がイジメられているのに僕がやられているのに、まるで僕が悪いことをして怒られてるみたいだったから…
母親「次何かあったらすぐ言いなさいよ!」
僕はこの日から誰かに言わなくなった。苦しくても悲しくても一人ぼっちでも、泣きたくても、この世の理不尽に晒されて…死にたくなったとしても。それを出さないために俺は感情を殺した。