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4-3

 俺は気を取り直して、急いだ。

 更に西へと道を走るころには、空の上の龍の腹がくぐもった不気味な音と共にまた降りだしていた。


 西龍と光姫さんがいるところからは、離れた海岸の下。

 俺は西の砂浜へと辿り着いた。

 そこには、砂浜を埋め尽くすかのような魚人の大軍があった。どうやら、リンエインの策と俺の感が合致したんだ。

 目前の大海には、竜宮城の城下町の空を腹で覆った龍の首が数十もあった。海を埋め尽くすかのような万を超えるおおよそ7千歳の龍が、海から昇ってくる。

「みんな! 俺も参戦する!」

 俺は雨の村雲の剣を抜刀した。

 魚軍が全員モリを構えた。


「全軍突撃ー!!」


 大勢の魚人の将たちの号令が海へと響き渡った。

 俺はタケルになって魚軍の先頭まで瞬時に走り通すと、すぐに龍尾返しをするために、背を向ける。そして、くるりと前方の海へ。上段に構えた剣で弧を描いて大地を踏み込んだ。雨の村雲の剣を振り下ろす。大海のど真ん中に魚や貝ごと海水が大噴出し大穴が空いた。


 何百もの龍が海底へと落ちていく。

 瞬く間に海水が元へと戻るが。

 魚軍はその隙を見逃さない。数多の龍の懐へとモリを構えて勇敢に飛び込んだ。 

 俺の剣戟の音やモリで龍を突く音とが、周囲を支配した。

 袈裟斬り、そして、逆袈裟に突き。


 一体ずつ数多の龍の腹や首を斬り伏せていくと、返り血で服が真っ赤になっていた。脇にいたモリが折れてしまった魚人の一人が俺を気に掛けてくれて海水を浴びせて服の血を洗い落としてくれた。

 その時、北や南からも龍が大勢押し寄せてきた。

 どうやら、相手の作戦を妨害したのが功を為したのだろう。

 こちらの海に集中してくれている。

 怒号や龍の咆哮木霊する戦場で。

 龍の腹に大穴が空いた。

 俺は見よう見まねで一点当突を放った。


 それは、大気ごと貫通する。

 

 突きだ。


 ここ西の海にも魚軍も更に集まりだした。

 それぞれの総力戦となった。 


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