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碧き星より繋げる手

 いつの間にか、天が割れていた。

 いや、遥か西から東までの空に一筋の線が通り。雲の群れが、綺麗に一直線に切断されていた。


 しばらく上を見ていると、ドンッと大きな衝撃音が空から辺りに響き渡った。きっと、ソニックブーム(音速を超えたときの衝撃)だ。

 東龍もリンエインも真っ青になっていた。

 俺も身震いして、幻の剣の恐ろしさを再び実感した。


「幻の剣。空鳴そらなりです。どうですか、すぐに覚えられそうですか? この技ができれば、これからの戦はかなり楽になるかと思います。この技は音の速さというのを超えた居合い抜きなのです」


 幻の剣……龍尾返しに蕪割。空鳴り。これで三つだ。

 震える足を叱咤していた俺は、幻の剣が、後幾つあるかと思うと、更に恐れを肌で感じた。


 でも、勇気をだして鬼姫さんに聞いてみた。


「鬼姫さん。幻の剣は幾つあるのですか?」

「そうですね。今あるのは五つです。龍尾返しに蕪割に空鳴り。後は水波みずは一点当突いってんとうしです」

「水波に一点当突……」

「それは、どんな技なんだ? 鬼姫?」

「私も興味あるわ」


 好奇心や興味の方が俺と同じように強くなったようで、やっと東龍とリンエインが震えから解放され、鬼姫さんに聞いた。


「それは、今にわかります!……武様!」

「構えろ! 武よ!」

「え! 何何何ー……!」


 遥か東から大勢の龍の顔が見えたと同時に、竜宮城の城下町のどこからでも見える大きな龍が四方を囲んでいた。

 天空が龍の鱗で埋め尽くされる。

 東からの大勢の龍が一斉に竜宮城の城下町の上空を西へと飛んだのだ。

 

「武よ! 俺は乙姫様のところへ行ってくる!」

「私は戦略会議に向かわないと! あなたたちは東へ向かって! きっと、そこから主力が攻めてくるはずよ!」


 二人は竜宮城へと大急ぎで駆け出した。


「はい!」

「東ですね! 武様! 幻の剣! 全てお見せいたしましょう!」


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