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なんで、一人で突っ走ったかというと、俺には幻の剣があるからだ。轟々と荒波の中。物凄い数の巨大な龍が迫って来ていた。
おおよそ8千歳は生きているだろう逞しい龍だった。
城下町まで来たら最後だ。砂浜で踏ん張るしかないと、俺は考え。
「でや!」
タケルになって気を開放した。
荒ぶる嵐のようなタケルの気で、数多の龍が一瞬怯んだ。その隙に、龍尾返しを大海に打つ。
海が悲鳴を上げる。
大穴の空いた海へと何十体の龍が落ちていった。
竜宮城の四方にどうやら、四海竜王が散らばったようで、ここ東の方角の海には東龍が来た。
「さあ! 楽しもうぜー! 武よ!」
東龍が元の巨大な銀色の龍へと姿を変える。




