第5話 友達が出来た。
入学式を終えて、これから本格的な大学生活が始まる。
大学の入口で真夜と並んで写メを撮り、真夜が母親たちに送っていた。
数日間はガイダンス等が行われて、真夜とは別行動が多かった。
帰りに合流すると真夜の手には大量のチラシ…
「サークルとか、新歓にめちゃくちゃ誘われたぁ…」
「多すぎじゃね?さすが真夜ww俺の倍以上あるじゃん」
世間一般的に見ると美人だからお誘いは受けると思ってたけど、予想以上に多かった。重たそうだし、大学の敷地を出てから真夜の持っていたチラシを俺の袋に入れた。
もちろん、友達も出来た。
俺は何となく、最初に話しかけられた 鈴本涼太という、ちょっとお調子者感のある奴と仲良くなっていた。
昼食時にはだいたい声を掛けてくれる。
「裕翔、学食行こうぜ〜!」
「おう!もしかしたら幼なじみと合流するかも知れないぞ?」
「まじ?男?女?」
「まぁ、一応は女だ。」
「よし!行こ行こ!」
テンションの上がった涼太に先導されて学食へやって来た。
同じものばかりだと、飽きるから俺はいつも日替わり定食を頼むことにしている。
今日は唐揚げとコロッケの揚げ物コンビだった。
トレーを持って涼太と歩いていると
手を振る真夜を見つけた
「裕翔!!こっちこっち!」
「席取ってくれたんだ、ありがとう!」
真夜の隣には真夜と同じ位の背丈の女性がいた。
真夜と比べると、胸の膨らみは真夜より、くっきりしている。
Eくらいはありそうだ。
真夜が可愛い系なら、それとは、また違う綺麗系の女性だ。
「はじめましてっ!私は須藤花梨です!裕翔くんよろしくねっ!真夜とは仲良くさせてもらってます!」
そして、涼太も挨拶
「真夜ちゃんと花梨ちゃんかぁ!俺は鈴本涼太って言います!」
この4人で昼食を食べたり、学校帰りに遊ぶ事が多くなっていった。
食べ終えて、席を取ってくれた、お礼も兼ねて真夜たちの食器も片付けて、真夜たちと別れて教室へ戻った。
「あんなに、可愛い子が幼なじみって羨ましすぎるな。」
「そうか?初めて言われたな。」
「今度みんなでご飯食べに行きたい!」
「あぁ、聞いてみるわ」
「よろしくな!親友!!」
涼太って結構チャラいな…
帰りは真夜を待って一緒に帰宅。
途中でスーパーに寄って夜ご飯の献立を考えていた。
必要な買い物だけど、長い…
安く済ませようと考えてるのだが、俺から見るとどれも同じに見える…
「今日のチラシに鶏もも肉載ってたから買わなきゃ!」
「家にチラシなんて無いだろ?」
「ネットでも見れるんだよ。ちゃんとチェックしてるんだから!」
「偉いな…てか、そこまで考えてくれてありがとう。」
俺の知らない所での努力。
びっくりしました。
鶏肉を使った煮物が食卓に並んで、真夜の料理のレパートリーにも驚かされて。
「なんでも作れて、更に美味くて!真夜と暮らせて良かったわ!」
「ママ達に裕翔の、生活面について任されてるからね!」
褒めると嬉しそうな笑顔になって答えて来た。
真夜をソファーに座らせて、食器洗いは俺が担当。
3人が座れるソファー。真夜は足をソファーの上に乗せて2人分の、スペースを使っている。
真夜のつま先の方に座り一息ついた。
「洗い物ありがとう。」
「料理に比べたらこれくらい、どうって事ないよ。」
「花梨がね?裕翔の事、優しそうでカッコイイって言ってたよ?」
「涼太も真夜の事を可愛いって言ってたぞ?今度みんなでご飯食べに行きたいってさ。」
「梨花も似たような事、言ってたよ!」
「梨花ちゃんもスタイル良いよなぁ。」
俺の太ももの上に真夜は足を上げてきて、ムスッとした表情になった
「どうせ、胸ばかり見てたんでしょ〜」
「そんなことないよ…」
「ほんとかなぁ??」
乗せられた足を撫でて
「服で誤魔化せるかもだし?生足でこんなに綺麗なんだから、十分だろ…」
「ふぅん、わかってるじゃん。」
下手な事を言うと真夜は機嫌悪くなるから慎重に話しないとな。
「でも、足の事じゃなく、胸の話なんだけどね〜」
「今日は歩いて、疲れただろ?マッサージしてやるよ。」
「仕方ない、マッサージで誤魔化されてあげる。」
最後はバチって太ももを叩いて終わらせた。
もちろん、怒ってたけど。
布団の中では俺の腕を抱き枕にして、しがみついて寝ている。
当たってはいるけど、花梨ちゃんのような体型じゃなくて良かったと安堵した。