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第4話 男の気持ち

真夜はあれから部屋に篭ったままだ。


時計の針は23時を刺そうとしている。

真夜はもう寝る時間だから、もしかするとそのまま寝たのかもしれない。


俺もリビングの電気を消して自室に入った。

ルームシェアをするに当たって、真夜の生活リズムに合わせようと努力するつもりだからだ。


そのまま寝床に入ったが、3月で暖房の付けていなかった部屋の布団は冷たかった。


部屋のドアが開く音が聞こえたので、そちらに目を移すと。

スマホの明かりに照らされた真夜が立っていた。


 「寝るの?」

「うん。真夜の生活リズムに合わせようと思ってるから。」

 「もう学校も始まるし、良いことだね。」

「それで?どうした??」

 「ん…いやね。寒いから一緒に寝ようかな?って…」

「あぁ…寒いから早く布団に入れよ。」


少し暖かくなっていた布団の中に真夜と共に冷気が入ってきた。

それでも人の温もりは暖かい。



 「暖かい!」

「そりゃ、先に温めて置いたからな。」

 「さすが、気が利くね!」


なんだかんだで、真夜は毎日のように俺の布団に潜り込んでくる。


嫌では無いけど、いくら小さい頃から一緒に寝てたとはいえ、年頃の男女が同じ布団で寝てるなんて、どうなのだろうか。

今はまだ、生地の厚いパジャマだから良いけど、これが夏まで続いたら。

幼なじみで、妹的な存在。今はまだいいが、そのうち男と言う種別が暴れ出さないか、ちょっと心配がある。



朝起きると、リビングから生活音が聞こえてきた。

暖房で暖められたリビング。

キッチンにはモコモコのパジャマの上着を脱いで、キャミソール姿で朝食を作っている真夜がいた。


 「あっ、裕翔おはよ。」

「ん、おはよ」

 「起きるの早いね!」

「もう、学校も始まるしな。」

 「うん、えらいえらい!」

「ただ…上着は着てたほうが…」

 「な〜に?気になるのぉ〜??」


膝に手を当てて、上目遣いで覗き込んでくる。

自然と胸元は緩くなり、白くふっくらした部分の先端が見えそうに…


突っ込まれたくなくて、かるく目を外らしながら

「まだ、寒いし風邪引くぞ?」


意識してる事をバレたくなくて、無難な返答を選んだ。


 「ふ〜ん。ご飯作ったら着替えようと思ってたよ!それに…裕翔がこんなに、早く起きるって思わなかったもん。」


幼なじみだけど、男の気持ちも考えて欲しい…


朝食を食べ終えて、明日の入学式に備えての準備を行っていた。


 「この前、買ったソファー。今日のお昼過ぎに届くって!」

「今日だったっけ?じゃあ今日は家に居ようか。」


入学式に着ていくスーツを取り出して、2人で試着してみた。

なんか、スーツを着るって事が恥ずかしくもあり、ドキドキ感もあり。複雑な気持ちになりながらネクタイを絞めた。


真夜の部屋のドアが開いて、紺色のスーツに白いブラウス膝丈のスカートで、照れながら部屋から出てきた。


「真夜は似合うな!」

 「裕翔も似合ってるよ?」

「いや、俺は着せられてるだろ…」

 「そんな事ないよ!」


そう言いながらも、曲がったネクタイを直してくれる。


 「こうゆうのは、ノリが必要だよねっ!」

真夜はスマホを手に取り、俺の横に並んで写メを撮った。

真夜は可愛い笑顔。俺は素っ気ない顔になっていた。


 「ママ達に送る?」

「それだけは、辞めろ!どうせ、明日要求されるだろうし。」

 「たしかに、そうだよねっ!初めて2人でスーツを着た記念なんだけどねw」


テーブルに置かれたスマホを見ると、スーツの写メが待ち受けになっていた…


まぁ、真夜は可愛く写ってるから気に入ったんだろう。

俺の顔は是非とも切り取りして欲しかった。


その日は入学式に備えて、何処へもいかず、早めに寝ることになった。





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