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宝箱

 ハウスに入り、ペプにご飯と水をあげて、ひとまず落ち着く。


 戦利品の確認をする。まず宝箱だ。俺の世代の男の子はもれなく大好きだろう宝箱。元の世界ではネット通販で買った宝箱型ボックスを使ってた。宝物は持ってないけど。部屋のインテリアに合わないのでクローゼットの中で物入れにしてた。


 本物はどっしりしていて風格がある。俺は部屋の片隅に設置した。ストレージがあるので、特に何か入れるわけじゃない。そう考えると、インテリア以外に使い途がない。なんということだ。


 蓋がぴったり閉まるので、オマルに使うのが良さそうだが、そんなことをするとドロップ運が落ちそうだ。待てよ、逆にウンがつくかも……。


 宝箱の中には、金貨一枚、銀貨八十五枚、赤い宝石、青い宝石がついたアクセサリー、ポーション三本が入ってた。


「ペプ、うはうはだよ」


 ペプは大欠伸をした。


 盗賊襲撃は、武器防具も合わせてなかなかいい儲けになるが、定収入は別に考えないと。ハイリスクハイリターンだし、儲けてる盗賊がそうそういるとは思えないし、金目当てで盗賊を狩ってたら、俺も盗賊みたいだ。


 部屋に本棚を設置。そもそもこれもストレージがあるからインテリア以上の意味がない… まあ今、床に転がしてる光石を置きたかったのでちょうどいい。地下神殿で拾ったひときわ大きな光石を置いた。明るくなった。


 それと、ゾンビだけど、盗賊はゾンビで何をしようとしてたんだろう? どっかで捕まえてきたんだろうか。うろうろしてるもんなのかな。地下神殿にいるのかな。気になるけど知らないことばかりで全然わからない。今度、シスターに聞いてみようか。


 なんかインテリアが増えて、いろいろ凝りたい気がしてきた。やっぱベッドが欲しいな。清潔なベッド。今はテントマットで寝てるからなあ。次に街に行ったら買おうかな。


 寝酒をちびちびやる。氷が欲しい。いずれビーチに行く予定だけど、氷を拾いに北方?南方?の寒冷地にも行かなきゃ行けないのか。寒いところ苦手なんだよな。魔法で氷を作ればいいのかな。冷気魔法があるらしいし。なんにせよ、魔法を覚えなきゃ。


「ペプは寒いところ好きか?」

「ナァ……」


 元気なさそうな返事だ。猫は寒いところはダメか。


 酔ってきたのでペプと話しながら寝た。おもに俺から一方的に話をしたんだが。



  ◇◇◇◇◇



 夢を見た。


 元の世界、昔住んでた両親の家、ペプと一緒にテレビを見ている。そこに父親が久しぶりに帰ってくる。父親が出て行ったときに連れて行った猫と、新しい子猫を連れて帰ってきた。子猫は毛がふさふさしている。見かけは綿飴のようだ。触るともふもふする。父親はまた出て行った。俺は猫三匹に囲まれてテレビを見て暮らす。



  ◇◇◇◇◇



 翌朝、街に戻る前に地下神殿の攻略を進めることにした。リポップ状況なども知りたい。俺は鎧姿に変身して地下神殿に向かった。


 神殿に入り、一つ目の部屋には、やはりインプがいた。一匹だ。駆け寄って、ファイアボールを吸い込んで驚いた隙に剣を刺した。吸い込むと驚いて隙ができる、これは鉄板のハメ技じゃなかろうか。


 二つ目の部屋にもインプが湧いていて、同様にハメ技で仕留める。


 このインプの死骸って何かに使えないだろうか? ゲームじゃ死体が消えて宝箱が現れるってのが定番だが。あと金を落とすとか。インプは金を持ってなさそうだ。素っ裸でポケットがない。


 火の玉を発射するくらいだから、火には強いんだよな。皮とか役に立つのかな? 肉が食べられるとかないかな。あんま食べる気しないけど。誰かに聞いてみようか。


 俺は警戒しながら第三の部屋に向かった。左右に待ち伏せや罠がないか警戒しながら進んでいく。部屋の外からこっそり中を伺うと、部屋にはスケルトンがいた。人骨が剣を持ってゆっくり歩いている。骨と床が接触して、カチャ、カチャと足音がする。たまに立ち止まって、歯をカタカタカタカタと鳴らしている。なんの意味があるんだろうか?


——動きが遅そうだ。余裕かも。


 俺は部屋に一歩踏み込んだ。すると、スケルトンが突然、素早い動きで迫ってきた。


——まじかよ。ディスアーム!


 剣を吸い込んだが、スケルトンは構わず殴りかかってきた。鎧とヘルメットにカツカツ当たる。


 俺は剣を横薙ぎに払った。スケルトンの背骨にヒビが入り、動きが止まって片膝をつく。チャンス。俺は首を狙って剣を振った。


 首が折れて頭蓋骨が転がっていく。突然動きが速くなって驚いたが、そんなに強い敵ではなかったな。


 と、思ったら、頭蓋骨が逆方向に転がり始め、スケルトンが両手で拾って首にはめた。みるみる修復していく。


——まじかよ。石!


 俺は立ち上がろうとするスケルトンの頭にロックフォールを落とした。スケルトンは頭蓋骨がバキバキに割れ、鎖骨、背骨、肋骨が砕けた。


——これでどうよ!?


 しかし、やはりスケルトンは修復していく。床に落ちた骨の破片が、どういう力学なのか宙に浮いて、元通りの箇所にくっついていく。


——やべえ、逃げるか、それとももっと粉々にするか。


 迷っていると、スケルトンの修復が止まった。修復がだいたい終わり、今まさに立ち上がろうとしている寸前で止まった。ターミネー○ーっぽい。


 ひとまずスケルトンをストレージに吸い込んだ。一安心。


 部屋の中には特にめぼしい物はない。強いて言えば光石か。俺は、部屋が暗くなりすぎない程度に、大きな石を選んでもらっていく。いつか豪邸を建てたら、いっぱい必要になるからな、と予定にないことを考えながら先に進む。


 部屋の先は通路が続いていて、すぐに下への階段になっていた。


——いったんここまでにするか。


 俺は地下神殿を出て、街へ向かった。





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