#03『毒林檎』
霊は空腹でとにかく飲水と食べ物を欲していた。病院を後にし寂れた街を歩くと
そこにQuestという看板が目に止まる
彼は興味本位でその店に入ることにした。
このままでは倒れてしまうほど体調が悪かったが、王室で手に入れた
盗賊の手袋の力を借りて生き延びようと店内にあるクエストに目を止めた。
弱いモンスターから強いモンスターまで其々おり、とにかく水と食料が欲しかった霊陰は
一番弱い且つ店から一番近い地域にいるモンスターのQuestを受けることにした。
一番近場にあった山、「サウンドマウンテン」に登り、「子犬使いのエグザル」と戦うことにした。
エグザルは陽気な態度で巨大な犬を操る。巨大な犬は体長5Mほどあり頭が3本生えていた。
彼はリールを手放した犬に霊に指を差してこういった。
「ケルベロスお前の今日の餌はヤツだ!」と…ケルベロスは咀嚼していた肉を骨ごと噛み砕き霊に襲いかかる。
霊はディストピアで鍛えていた得意の脚力があったがすぐに追いつかれそうになる。
森の中に逃げ50Mほど走ると、この先激流の川が霊の道を塞いでいるのがわかった。
このままだとケルベロスに餌にされてしまう。と諦めかけた霊は天を仰ぐ
すると木の上に美味しそうな林檎がなっているのに目が止まる。
盗賊の手「Light Hand」を使い木の上に目にも留まらぬ手癖の悪さで登ることに成功する
ケルベロスは霊を喰らおうと必死に天を見る。
すると太陽の眩しさでケルベロスは一瞬怯んだのがわかった。
霊は果実をケルベロスの口内に投げ込むことにした。
するとケルベロスの様子が変化しエグザルに向かって涎を垂らしながら突進していった。
その勢いは途轍もない速さであったがエグザルは冷静さを失ってしまった。
逃げ回るエグザルに容赦なくケルベロスは噛み砕き、彼は骨だけになってしまった。
エグザルは犬を操っていたようで犬に操られていたのだ。
動物は「モノ」のように扱っていたエグザルに天罰が下ったのかもしれない。
颯爽と1,000Gを手に入れた霊陰は1,000Gあればとりあえずお腹が膨らむと思い
1人分の食料と水を手に入れた。彼は泊まる宿がないのでその日は野宿して
ディストピーアに居た頃の思い出に耽りながら眠りについた。
夢の中で霊は咲花の顔を見た。しかし目が覚めると咲花は当然いなかった。
霊はこれは何か意味があるものだと思い込み、再び街を散策した。
しかし咲花は何処にもいない、もしかしたら彼女の存在は幻想だったのではないかと感じた。
レインは咲花を探すためこの最初の街「アルビス」を探索するのであった。
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