始まり
「うぅ・・・」
意識が朦朧とする。
あぁ、もう死ぬのかな・・
ここはスラム。幾つもの望まれぬ命が
生まれては、消えていくところ。
なんて事のない、日常。
希望なんて物はない。
ただ、ここにあるものは、生と死
ただそれだけ。
「やっと見つけた」
ふと、声がした。
「シエルお嬢様。お迎えに参りました」
シエルに、大きな変化が訪れた。
ーーーーーー
ガタゴト ガタゴト
私は今、馬車の中にいる。
理由は・・・よくわからない。
よくわからないけど
多分、お母さんの件だと思う。
お母さんは、貴族だったんだけど・・・
お父さんと駆け落ちしちゃって、
その間から私が生まれた・・・
と孤児院の人に教えてもらった。
あ、私は生まれて間もない頃、捨てられた。
で、それから孤児院で生活してたんだけど・・・
4歳の時に孤児が増えて、
孤児院にいられなった。
それから2年間、スラムでなんとか生きてきた。
ほんと、なんとかだけど。
でも、こないだから、
ほとんど何も食べられなくて、
もう死ぬのか・・・と
思ってたら、なんか助かった。
うん、私もよくわからない。
これからどうなるんだろう。
とりあえず、頑張ろう・・・。
少女はこれからの苦難を思って、
そっとため息をはいた。
これからよろしくお願いします。