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二日目

「コウタはこっち」

「え・・・・」

朝食を食べた後、ケイタとカズハについていこうとしたコウタはすぐにメイカに捕まり大使館にある練習場へ連れていかれた、



「どうしましょう・・・・」

二人残されたカズハとケイタはすることがなく大使館中を探検していた。



「なんかこの通路おかしい」

二人は歩いていると廊下でケイタが不思議なことを言い出した。


「私はなにも・・わからないけど」

カズハは見渡すが全然違いがわからない。

「ここの壁です」

ケイタが指を指したのは通路の真ん中付近の壁だった。だが、その向かい側には大使館の外だ。


「ここ~?」

カズハが近づいてまじまじと見ると白い線が天井まで続いていた。

「なに・・これ?」

それを不思議に思った彼女は思わず白い線を指でなぞってしまった。


____ガタン!

「「・・・・!?」」

突然音がなり二人はびっくりする。だがそれだけでは終わらず、白い線を端に壁が二人を覆うように回転して壁の中に入れられた。


「「・・・・・・・・・」」

壁の中は真っ暗。一応気配がするので二人はなんとか離れずに済んでいる。


「火をつけますよ」

ケイタは白紙の手紙を数枚取り出して火の魔法で燃やして明かりをつけた。だがもちろん紙なのですぐに消える。

_____ボゥ!

明かりがついた途端、ケイタの視界に移ったのはカズハの顔、そして奥に広がる通路とカズハの右に立て掛けてある松明だった。火が消える前にすぐに松明を取り、火をつけた。


「おお~」

明かりをゲットしたことにカズハは少し感動している。

「これから・・・どうする・・の?」

カズハは先ほどの壁を触るがなにも起きなかった。


「とりあえず、先に進むしかないですね」

二人は見えた通路を進む。


 奥に進んでいくと少し広い空間にでた。おそらく1ルームぐらいの大きさだろう。そして奥にはまた通路がある。二人はとても慎重に入り、そしてそのフロアを隈なく探る。だがなにも見つからなかった。


「なにもないようなので先に進みますか」



「ストップ!」

後ろから突然声がした。二人は咄嗟に振り返り、ケイタは短剣を抜き、カズハはびっくりして顔からこけた。だが声の正体は知っている人だった。


「あなたは」

その声の正体は大使館で出迎えたのはソータだった。だがケイタは警戒していた。


「そんなに警戒されても困るのだが・・・」

ソータは剣を置き、手を上にあげる。まだ、魔法があると警戒してみていると、突然ソータが地面に置いた剣を蹴りあげケイタの横をめがけて蹴り飛ばした。

_____ブンッ!

ケイタの髪が少したなびいた瞬間、後ろで剣が刺さる音がした。そして振り向くと血が地面に滴っている。


「ゲ・・・」


「私を警戒するのもいいですけどちゃんと前も警戒してくださいね」

ソータがニコッとするが「すみません」といって短剣を収めた。そして落ち着いたカズハはゆっくりとたって状況を確認した。

「なにがあったの?」




「この魔物はオークですね」

ソータが殺した死体を調べた。

・オーク

 頭がブタのようだが、2足歩行。筋肉がとても発達しており、人間と力だけで戦うとほぼ負けなし。


「どうして・・こんなところにオークが?」

カズハが思うように二人も同じことを思っていた。


「一応進みますか」

帰り道はふさがれているので先へ進むしかなかった。

オークのフロアから奥に行くと100mほど廊下がつながっていた。そして奥まで行くと上に少し大きなマンホールのような蓋と梯子があった。


「上りますよ」

先にソータ、次にケイタ、カズハの順で上っていく。


 ソータがそ~っと蓋を開ける。するとそこは宿の中だった。

「誰もいません。中に入って大丈夫ですよ」

ソータの指示で二人は中にはいる。

そこはとてもきれいに整理整頓されていているが先ほどまで誰かいたかのような熱気が感じられる。


「まさか・・・・」

ケイタはあることに気が付く。ここに通路があったこと、そして、宿という逃げ道につながっていたこと。それは・・・・。


「勇者の情報がばれたんじゃ・・・・・・」

それを聞いたソータはとても目が見開いたあとすぐに目を瞑る。

「ふぅ~、さて!」

ソータは気持ちを少し落ち着かせすぐに行動に移った。


「二人はすぐに大使館に戻って知らせてください。国外はほかの人に任せますが国内は私があぶり出します」

指示を出した瞬間、鳩を呼びメイカのいる方向に飛ばす。そして地面に手を当てて魔力を流した。


「・・・・・・・・いた」

数秒待つと魔力に反応があったようですぐに動き出した。



「私達も行きましょう」

二人もすぐに大使館に戻った。




「俺の正体がばれた?」

コウタに知らせるが事の重大さがわからないようだった。


「じゃあ、魔王に知らされたら直々に攻めてくる可能性があるってこと?」

メイカは理解ができているようでちゃんと説明してくれる。


「そう、もしかしたら魔王の側近とかくる可能性も」

さらにケイタは不安を募らせる。

「それ不味すぎない?」

コウタの顔が真っ青になる。無理もない。狙われるのは自分だからだ。

「でもソータがみつけたんならまだ大丈夫じゃないかしら」

メイカのほうは余裕な表情をみせている。




「やっと捕まえました」

ソータは裏路地に隠れて移動していた魔物を捕まえ馬乗りになりナイフを突きつけている。魔物はゴブリン。身長は1mくらいだった。隠密には格好の大きさだろう。


「ナニヲスルキダ」

必死に抵抗するがその魔物はソータに完全に固められて抜け出せない。

「なにをするって、この状況でわからないわけないだろう。さぁ、吐け。何の情報をばらした」

あくまで勇者という単語は伏せて魔物を脅迫する。


「ゼッタイニイワナイゾ」

頑としていわないが、ソータはさらに脅迫をする。

____ザクッ

ソータはもっていたナイフを魔物の目の数ミリさきに突き立てた。


「ヒィ!」

それをみてさらに恐怖心がましてしまった魔物は口を割る。


「ユウシャノジョウホウハマダオシエテナイ」

『勇者』そのワードが出た瞬間ソータはニヤッと笑う。


「よかった。教えてくれて」

教えてくれた魔物に感謝する。魔物は助かったと思ったのか少しホッとしている。

_______サクッ


「せめて痛みなく一瞬で」

ソータは魔物の頭にナイフをさした。そして魔物は動かなくなった。

「拷問は苦手なんでね」

捨て台詞を吐き、魔物を燃した。





「ただいま戻りました」

ソータは戻るとただちに上と勇者御一行に報告した。


「そう、ならまだ安心ね」

メイカはなんとか時間がとれて少し安心する。そして3人もホッとした表情をみせた。


「ですが、偵察がやられたという報告は行くと思います。あまり長居はできないかと」


その考えはただしい。だがメイカは裏をかいた案を提案した。

「偵察がやられただけならまだ、みつかったからやられたという段階じゃない?」


それも一理ある。メイカはさらに付け足した。


「なら少しは警戒して偵察はよこしてこないはず。新聞記事では発表されているけど顔がまだばれていない以上残る方が得策だと思うわ。そして至急ほかの国や村にも偵察されてないか手配をしないと」


ソータとメイカの読み合いが繰り広げられるが他3名は全く頭が働いていなかった。

「いずれあなたたちもわかる日がくるわよ。これは慣れだからね」

3分ほど沈黙の時間が過ぎた後、メイカの案で決定した。


「ですが、せめて一週間が限度です。それ以降は怪しまれます」

条件付きだがメイカは了承した。


その後、ケイタとカズハの二人は疲れて昼寝。コウタとメイカは特訓で2日目は幕を閉じた。


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