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20体くらいのゴブリン、2体のオーク、20人ほどの村人の姿を4人は見つけたもののメイカの指示で遠くから様子をうかがっている。

「うかつに出ると最悪の結果になる」

メイカの思う最悪な結果は、自分たちが殺されること。そうなると村人が殺されることも必須になることだった。

「でも!」

コウタは助けたい気持ちでいっぱいだった。小声でメイカに意志を伝える。メイカもその気持ちを理解している。

「奇襲しかないですね」

ケイタが逃げる以外の選択肢で一番の案を出した。

「なら私が囮に」

最初に囮役を名乗り出たのはカズハだった。魔法での奇襲、その案はメイカもいいと考えた。だが、

(囮役をカズハにするとして、どうやって全員を逃がす?カズハにもう一人付くとしてあと二人、私がカズハのサポートがいいか、それとも救出がいいか)

「では私が救出を」

次にケイタが救出役にでたことで、メイカの編成案に整理がつく。

「なら、私も救出を担当する。救出際に襲われた場合コウタと二人じゃきつそうだからね」

流れでコウタは囮の手伝いとなった。

方針が決まった所でメイカが簡単に説明をした。

「カズハが最初に炎の魔法でオークを狙って、球体でなくても飛ばして当てるだけでいいわ。オークが二人に近づいてきたら逃げること。最悪馬車を使っても構わないわ。私とケイタは村人を助ける。おそらく見つかる確率が高いと思う、見つかったら私の防御魔法で数分動きを止めるからその間にこの谷まで避難すること。私も隙を伺って逃げるから」

作戦を伝えると3人は頷いた。だがメイカの説明には足りないところがたくさんあった。それは不安がらせないためだった。


「ではいくわよ!」

メイカの合図でそれぞれ配置へ走る。コウタとカズハは村人とは逆側に、メイカとケイタは村人側に着いた。


「ケイタ、もしゴブリンが通行上邪魔になったら躊躇なく殺しなさい。じゃないとあなたが殺されることになるから」

メイカはケイタの覚悟を仰いだ。ケイタの覚悟は決まっていたようで縦に頷く。

「よし」

メイカはカズハの合図を待った。

 


「カズハの魔法がオークに当たったらすぐ俺に『五感強化』の魔法をかけて」

コウタは念には念を入れ、カズハに強化してもらうように言った。

「でも」

ゴブリン戦でも使ったこともあり副作用が出ないとも限らない。

「大丈夫。これが終わったら休憩を入れるさ」

カズハにも無理をしているのが分かった。だが、したがなくそうするしかなかった。

「では、いきます」

カズハは魔法を唱えた。魔法の羽に魔力が集中する。

炎糸ほむらいと!」

飛距離を伸ばすため火球ではなく、細い糸状の炎を飛ばした。

常に炎の糸に魔力を注ぐことによって飛距離を伸ばしていた。

_______ギャァ


カズハの放った炎の糸は見事に1体のオークの頭に命中した。

その瞬間、オーク、ゴブリン、村人が一斉にカズハをみた。火の糸の当たったオークは即座にカズハのほうへ走っていった。それに続いてゴブリンが5体ほどついていく。

「きたぁ」

カズハはすぐに後ろへ走った。カズハを先頭にしてコウタが後ろで守るように走る。



「?」

ふとゴブリンの一体が人質のほうをみた。そこにはメイカとケイタが縄を切っている姿があった。

「!」

最初に気づいたのはメイカだった。すぐに縄を切るのをやめて、気づいたゴブリンを斬りに行く。

___ブシャ

ゴブリンは縦に斬られて倒れた。だがその異変に気付いた残りのゴブリンが村人救出に気づいてしまった。

「ちっ」

メイカは後ろに、ケイタや村人がいる方に手を向けた。

「見えぬ壁を」

そうメイカは小声で唱えると手から魔力が噴出した。だが視界にはなにも変化はなかった。

「アアアアア」

ゴブリンが雄叫びを上げながら村人を目指して走った。数体はメイカに向けて走っている。だが、

______ゴンッ!

人質に向かったゴブリンたちがメイカの後ろを過ぎようとした瞬間、壁にぶつかったように倒れた。

「!?」

ゴブリンたちは手を前に出した。するとそこには見えないが壁がある感触があった。

(気づかれたか)

「ケイタ!急いで逃がして。ここもそう持たないわ」

ケイタはその指示を聞くと村人たちに走るように指示した。

きゃー。と叫びながらも村人たちはケイタについてきていた。


「ふぅ~、さて。ここからどうするか」

メイカの前にはゴブリンが14体。壁にぶつかったゴブリンもメイカを向いている。そしてさらに、1体のオークがメイカを睨んでいた。


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