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「結構集まりましたね」

コウタとケイタの活躍により、多くの果実や木の実、キノコ類を手に入れることができた。

「今日の夕食はどうにかなりそうね」

メイカは多くの食料をみて安心していた。

「おいしいのが・・できそう」

カズハも食料をみて、思いついたレシピをメモっていた。

(期待しとこ~)

横から覗き込んだコウタはそのレシピをみて微かによだれがでそうだった。


休憩したこともあり、カズハが魔法の練習をすることになった。時間は20分ほど、内容は魔法維持。火、風、氷、水、電気を各5分ずつ球体で維持し続けていた。球体の大きさは1mほどだった。

「きつそう」

それをみたコウタは自分でもしてみようとしたが、火の魔法を出すことはできても、維持させることができなかった。

「難しぃ」

それに続き、ケイタ、メイカも試したが、ケイタはコウタと同じようになり、メイカは維持できたものの数秒で弾けてしまった。


「結構調整が重要」

カズハは最初、放出しながらの練習だったもののソータから魔力調整もかねて球体維持までになった。段階的に大きくしていき、最初は直径30cm、次に50cmそして1mまで維持することができた。

「でも、放出がうまくいかない」

そういって放出を試みたが動いた瞬間に風に流されたように火球が消える。維持させながらの放出はまだいかないようだった。


「練習の成果がでているじゃない」

メイカは素直にカズハを褒める。最初は回復と支援魔法しか使えなかったのに習ってすぐに5つの魔法を得ている。コウタ、ケイタ、カズハの中では一番成長しているだろう。


「そういえば、カズハの支援魔法は何が使えるの?」

メイカが思い出したかのように聞いた。魔王討伐にでて半年がたったもののあまり戦闘がないのでカズハの回復魔法と先ほどの攻撃魔法しかみたことがなかった。

「これを機に説明・・・する」

そういってカズハは自分の『魔法の羽』を構えた。

「まずは剣を」

メイカはそれに従い剣をカズハに渡す。カズハは(さや)から剣を抜き、刃をなぞるように『魔法の羽』でなぞった。すると微かだが刃が輝いた。

「これは切れ味が少し良くなる魔法。時間は10分」

剣をメイカに返してメイカは切れ味を確かめようと地面に生えている雑草に剣を添えた。添えられた雑草はそよ風に煽られた瞬間、剣に触れそのまま切れた。いつもは切れず、先ほど風なら雑草が剣に被さるだけであった。

「ほんとに切れ味上がってる」

メイカは感心していた。カズハは次にケイタに近づいた。

「ん?私?」

ケイタは少し困惑しているが構わずカズハはケイタの両の耳に手を被せる。

「五感強化」

カズハが魔法を唱えた瞬間ケイタの眼が大きく開いた。

「なんかものすごく冴えてる」

カズハの魔法によりケイタの五感が強化された。それも微かなものだが違いはわかるくらいだった。草が風吹かれている音が鮮明に聞こえ、さらに10m離れている木の模様までくっきり見える。そして匂いもどこからするのかわかるくらいだ。


「戦う時にこれ以上に五感を上げたりしてるの?」

ケイタが支援魔法を経験してふと疑問に思った。

「いや、これ以上すると逆に異常がでる」

そういってこの魔法のメリットデメリットを上げた。

メリットは簡単に五感があがるだけだが、デメリットとしてはその効果が切れた後によるものだった。

 カズハではないものの昔支援魔法を濃度高く使った人がいたらしく、その魔法を受けた人が治った際に、視力聴力が2倍になったらしい。だがそれに慣れてしまい魔法が切れた一瞬で視力聴力が元に戻ったものの逆に元よりも見えずらく、聞きにくくなってしまったらしい。


「この魔法は封印ね」

それをきいた3人はゾッとしていた。メイカが封印を指示したけど、カズハ自身もその魔法のことを理解しているので大丈夫だろう。


「あとは物の強度を上げる魔法ですかね。」

と、カズハの支援魔法紹介は終わった。一通りみたメイカは戦術に使えるかもと期待した。




「さて、そろそろ行くわよ」

支援魔法紹介も終わり、メイカの号令で馬車が動き出す。

・・・・6時間後・・・


「しまった」

メイカが口を開く。馬車を動かして6時間。月が雲で隠れ真っ暗の中、勇者御一行は現在、まだ草原にいた。



次回はカズハの支援魔法が役立つかも・・・

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