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私を通り過ぎていく風
初日の授業
もとい友達作りを終え
ぶらぶらと≪遊学の路≫を歩く。
さっきまで
とても清々しい気持ちでいたが
自分の胸についたバッチの
もう一つの意味を
理解した今では
とてもそんな気持ちになれなかった。
うちの学校は
才能順でクラス分けされる。
Sが最高ランクで
Cが凡人
私のクラス、つまりB組は
下から二番と
あまりに中途半端な順番だったのだ。
これから一年間
このレッテルを
ずっとぶら下げたまま
ここを歩かなければならない。
少なくとも
同学年で
一クラス三十五人
×
二クラス七十人
の人に見下されるのだ。
それが三年まであるので二百十人。
もう絶望的だったのだ。
それに比べ
あの会長はどうだろう。
ダイアモンドのバッチなんて
だれも見下さない。
見下せる訳など、ない。
私に残された路は
十月に行われる
生徒会選挙に当選する他無い、
そう思った。