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春風の意図とは

自分のクラスになる1年B組に一番乗りで入り黒板に書かれた席に座る。


それだけで何だか

存在を(みと)められているような気がして

(ほこ)らしく思える。


10分たち、20分たち…

私は耐えられなくなり

腕時計を見て驚愕(きょうがく)した。


まだ7時10分。


私は目覚まし時計を

1時間早くに設定していたのを

思い出し、落胆(らくたん)した。


まだまだ時間があるので

校内探索をする事にした。


…1人で教室にいたら

嫌なことを思い出してしまうから。


冷たい風が髪を揺らす。

折角(せっかく)気合いいれて巻いた髪型が。


ボサボサになった髪の毛に

引っかかった桜の花びら。


くそう、髪の毛が

ボサボサじゃなかったら様になってたのに。


それでさっとイケメンが出てきて

花びら、ついてるよ。

なんて現実にあるわけが



「花びら。」

「えっ?」

「だから、花びらついてるよ。」



目の前にイケメン。

私はついに幻覚を見たのか。


「しゅ、しゅみましぇんっ…。」


エロゲのオープニング、

乙女ゲーのオープニング…


全てを思い出してみても

こんなグダグダな出会いは

無かったと今思い返しても思う。


この頃の私は

ウブで純でまっしろだったのだ。


ただ、現実は

ゲームのように、ラノベのように、

アニメのように甘くはない。


ボッサボサの髪に

花びらが付いてる新入生にむかって

髪を指摘する訳ではなく、

花びらを指摘してきたのだ。


相手は間違いなく

心の中で見下している。


この場合は多分早く謝って

この場を去るべきだと

心の中で何度も肯定した。


「あの、鳥海(とりうみ)さんですよね。

鳥海(とりうみ) 摩耶(まな)さん。」


どうして知っているのですか?

とつい反射的に聞く。


「知ってるも何も。

新入生総代だよね。

こっちから伺おうと

思っていたんだけど…。」


その言葉の後は

風が強くて聞こえない。


聞こえなかった

というより頭が真っ白になったのかも

しれない。


どちらにしても

この瞬間の出来事は

後々に忘れられない出来事になる。


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