パラレルワールド
この世界に人は生まれ、そして死んでいく・・・。
しかし、この世界の裏側には、パラレルワールドと言われるもう一つの世界があった・・・。
私はカオリ・・・。
大学で勉強して、友達と遊んで。
そんな毎日に退屈していた。
大学でも、別に勉強したいこともなく、適当に単位を取るためだけに行ってる。
友達も、みんな自分中心の人ばっかりで、正直言うと、つまらない。
家はお金を払うのが大変だからという理由で、大学の友達と一緒に住んでいる。
だから、家に帰ってもつまらないのは変わらない。
みんなは、私のことを「穏やかで温厚で、優しくて、いい人だよね。」
なんて、言っている。
だけど、そんなの上辺だけ・・・。
本当の自分は、きっと・・・。
ある時、いつも通りに大学から帰る帰り道・・・
公園の方をふと見ると、ベンチのところに小さな光が見えた。
その光に導かれるように、公園に入っていく。
そして、光に向かって手を伸ばすと・・・
光が大きくなり、カオリは吸い込まれてしまった。
光の中で、カオリは意識を失った。
次にカオリが目を覚ましたのは、同じく公園のベンチだった・・・。
カオリ「あれ? 寝ちゃったのかな? 頭がボーとする。」
すると、いきなり公園の周りが騒がしくなった。
「待て~!!」 バンッ! バンッ!
「うわ~!!」
カオリ「えっ! 何!?」
男「そこの子、危ないよ!」
その声と同時にカオリの体が持ち上げられ、こめかみに銃口が向けられた。
カオリ「キャー!!!!!」
「うるせぇ! だまれ!!」 ドンっ!
びっくりして叫んだカオリに驚き、銃を持っている男に殴られた。
男「なぜ、泣いてる女に手を挙げるんだ!!!」 ドンっ!!
カオリに声をかけてくれた男が、銃を持っている男に鉄パイプで攻撃して、撃退させた。
男「君、大丈夫?」
カオリ「ありがとうございます・・・。」
男「ここは危ないから、こっちに来て。」
男に手を引かれついていく・・・。
カオリ「あの、さっきは本当にありがとうございました。」
男「いいって(笑) 俺はピエロだ!」
カオリ「ピエロ?」
男「俺の名前だよ(笑)」
カオリ「えっ? 本当に?」
男「いや、本当の名前は違うけど、教えられないから、ピエロって呼んでもらってる。」
カオリ「そうなんですか。 私は、カオリです。」
ピエロ「カオリちゃんか。 いい名前だね。」
カオリ「ありがとうございます。」
ピエロ「そういえば、今から行く所に、カオリちゃんにそっくりな人がいるんだよ(笑)」
カオリ「あの~。 ここは、どこなんですか?」
ピエロ「そういうのは、あとでね(笑) ほらっ! ついたよ。 俺たちの基地に!」
カオリ「基地?」
目の前を見ると、大きな廃工場があった。
ピエロ「みんな~。 帰ってきたぞ~!!」
ピエロが呼びかけると、中から数人の人が出てきた。
「このお姉さん誰?」
「キャプテンに似てるね!」
「そっくりだよ!!」
ピエロ「ほらっ! みんな困ってるから、通してあげて(笑)」
「は~い」
ピエロ「さぁ。 中に入って(笑)」
カオリ「はい。」
言われるがまま入っていった。
そして、そこで自分とそっくりな女の人と出会った・・・。
「本当に来ちゃったんだ。」
カオリ「えっ?」
「私、ユリカ。 よろしくね、カオリ。」
カオリ「どうして、私の名前・・・。」
ユリカ「知ってるよ。 生まれた時からね(笑)」
カオリ「どういうこと?」
ユリカ「まぁ、ざっくり言うと、ここは、パラレルワールドって言う所かな!」
カオリ「パラレルワールド!?」
ユリカ「そう。 もう1つの世界かな。」
カオリ「なんで? どういうこと?」
ユリカ「簡単に説明すると、カオリがいた世界と、私がいるこっちの世界があるってこと、分かる?」
カオリ「うん。」
ユリカ「で。 その2つの世界は、常に一緒の時を刻んでるの。」
カオリ「同じ時?」
ピエロ「つまり、カオリちゃんがいた世界が朝なら、こっちの世界も朝ってこと。」
カオリ「なるほど。」
ユリカ「それで、私とカオリみたいに必ず片方の世界に1人ずつ同じ人間がいるの。」
カオリ「じゃあ、どうして、私はこっちの世界に来ちゃったの?」
ユリカ「おそらく、何らかの原因で、2つの世界の間に隙間が開いちゃったから。」
カオリ「隙間?」
ピエロ「君は、きっとその隙間に吸い込まれてしまったから、ここにいるんじゃないのかな?」
カオリ「元の世界に戻れるんですか?」
ユリカ「それは、正直分からない。」
カオリ「分からない!?」
ユリカ「隙間に吸い込まれて来たんだったら、もう1度隙間に入ってみるっていうのもあるけど」
カオリ「でも、さっき見たら、もう光が消えてました。」
ピエロ「帰る道を失ったってことか。」
カオリ「どうしたらいいんですか? 助けてください!」
ユリカ「だったら、自分たちで隙間を作るしかないんじゃない?」
カオリ「どうやって? そんなこと出来るんですか?」
ユリカ「分からないけど、やるしかないでしょ?」
カオリ「はい。 なんでも協力します!」
ピエロ「いや、君はここで動かない方がいいと思うよ(苦笑)」
カオリ「どうして?」
ピエロ「さっきも危険な目にあっただろ?」
ユリカ「こっちの世界は今、戦争が起こってるから、1人でいると、殺されちゃうよ。」
カオリ「そんな!!」
ピエロ「だから、ここにいた方がいいよ(笑)」
カオリ「はい。」
「ユリカさん! 〇ビルの屋上から攻撃されました!」
ユリカ「道化師、大丈夫か? 他にやられたのは?」
道化師「いえ、僕だけです。」
ユリカ「そうか。 怪我をさせて悪かった。 ゆっくり休んでくれ。」
道化師「ありがとうございます。」
ピエロ「そうだ、道化師。 そこにいるのは、向こうの世界のカオリちゃんだ。」
道化師「えっ? わぁ。 初めて本物見ましたけど、ユリカさんと同じですね(笑)」
ユリカ「当たり前だろ、もう1人の私なんだから(笑)」
道化師「そうですね(笑)」
カオリ「あの、道化師さん? でいいんですか?」
道化師「うん。 あってるよ(笑) よろしくね、カオリちゃん!」
カオリ「はい。 よろしくお願いします。」
道化師「あれ? なんでもう1人いるの?」
ピエロ「その話、もう終わったから。 あとで時間があるときにね。」
道化師「え~!!」
ユリカ「とにかく、この世界と向こうの世界の間に隙間を作るから、協力して!」
道化師「は~い。」
ユリカ「今は、〇ビルに行こうか!」
ピエロ「はいよ。 じゃあ、カオリちゃん。 ここで道化師と待ってて!」
カオリ「はい。 いってらっしゃい。」
道化師「もうちょっと、こっち来て。」
カオリ「えっ? はい。」
道化師「あ~。 邪魔とかじゃなくて、立ってる裏にスクリーンがあるからさ(苦笑)」
カオリ「あ、本当だ。 何か見るんですか?」
道化師「うん。 ユリカさんたちがどういう感じに戦ってるかを見ようかなって。」
カオリ「私も見ていいですか?」
道化師「もちろん。」
カオリ「あの! さっきから、気になってたんですけど、道化師って、本名ですか?」
道化師「違うよ(笑) こっちの国では、男だけは本名を名乗ってはいけないって決まりがあるの。」
カオリ「ずっとですか? なんで?」
道化師「死ぬ時は、本名になるけど。 なんでかは、僕にもよく分からない。けど法律だからさ。」
カオリ「そうなんですか。 女の人は?」
道化師「女の人は、決まりはないよ。 大体の人は本名だよ。」
カオリ「へぇ~。」
道化師「もう、質問はいいかな?」
カオリ「はい。 ありがとうございます。」
道化師「ほらっ、戦ってる!!」
スクリーンに映し出されたのは、今までここにいた笑顔のユリカではなかった・・・。
しかし、その姿にカオリは胸を打たれた・・・。
そして、カオリの中の何かが騒ぎ出した・・・。
[1時間後]
ピエロ「ただいま。」
ユリカ「ただいま~。」
道化師「おかえり~。 はい、飲み物です!」
ユリカ「ありがとう。」
ピエロ「どーも!」
カオリ「あの、ユリカさん!」
ユリカ「どうした?」
カオリ「私も、戦いたいです!!」
ユリカ「はぁ!? 危ないって!」
カオリ「でも、戦ってる姿を見て、どうしても戦いたくなったんです!」
ピエロ「戦いは、本当に危険だよ? いつ死ぬかもわからないんだよ?」
カオリ「私、もう決めましたから!!」
ユリカ「・・・分かった。 そのかわり、最低限、自分の身は自分で守ること!」
カオリ「はい!」
こうして、カオリも戦うことを決意したのだった・・・・・。 end




