第二十一章 専売
魔道具を扱う店は何処も格式高い店構えをしていた。ヴァイスは中古品が並ぶ棚で吟味をしている。
「いや、でも…まてよこれなら…」
水の問題は解決したので買わなくてもよいが、ヴァイスは魔道具自体に夢を抱いているらしく、ブラックバイパーの素材が高く売れたがおかげで手の届くのもあって実用性よりもロマンを求めているようにも見える。
「すいません」
「はい、なんでしょうか?」
格式高い店だけあり、店員の顔には柔らかな笑みが浮かんでいた。ヴァイスが迷っていることもあり、連れである私を無碍には出来ない様子だ。
「魔道具ってどうして高いの?」
価格を耳にしてからずっと抱いていた疑問を口にした。店員は少し不思議そうな顔をしたが、ヴァイスに尋ねても答えは得られなかった。詳しい人に聞くのが最善だろう。
「まず、魔道具の製造者は王公貴族でして」
王公貴族が?と心の中で首を傾げつつ相槌を打つ。
「製造の全てが秘密で行われておりまして…こちらをご覧ください」
鍵付きの棚から取り出されたのは水の魔道具。背面には製造・販売する貴族の紋章が描かれているのを私に見えるように説明が続く。
「こちらは偽造ができない紋章で、正規品となります」
偽物が存在するかのように思ったが、魔道具の効果を持つ偽物は存在しないという。
そんなに複雑な仕組みなのかと期待はしたが、見る限りは核が使われただけの魔法を現実の現象として引き起こす効果でしかない。
大気中の魔力を取り込む魔物の核だからこそ、私の使う現実の現象と同じ効果が生まれたと仮定するが。恐らくはその仮定は間違ってはいない。




