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第二十二話 モブヒロインはムチムチ属性

 最上さんの制服姿について、俺は二点ほど気になった部分がある。

 一つ目は、ジャージを着用していること。それについてはしっかりと脱がせた。おかげで彼女には巨乳属性が明確になった。


 ただ、これは夏休み前から提示していた選択肢である。最上さんにとっても寝耳に水ではなかったのかもしれない。意外とすんなりと聞き入れてくれた。


 しかし、二点目にかんしては……初めて伝えることである。

 これについては、彼女もやや抵抗感があるかもしれない。だが、それでもこれをやってくれたら、更なる地位の向上が見込めると予測している。


 正直なところ、今でも十二分に魅力的だ。

 ただ、真田才賀という主人公を狙うヒロインたちを侮ってはいけない。


 美少女であることは当たり前。成績が優秀な子もいるし、部活で優秀なタイプもいる。

 もちろん、巨乳のヒロインだって――一部ではあるが存在するのだ。


 今の段階において、最上さんはあくまで彼女たちと同じラインに立ったにすぎない。

 だからこそ、一つ――差別化をすることで、他のヒロインたちを凌駕する存在へと昇華することを、俺は期待している。


「それで、あの……二つ目って、何かな」


 なんだかんだ気になっているのか。

 ジャージを脱いだ最上さんが、自分から聞いてきた。落ち着かないのか、胸元を手で隠そうとしているのがすごくいい。まったく隠れない大きさであることもたまらない。


 上半身は最高のデザインに仕上がった。

 でも、まだ手を付けていないところがある。それは――下だ。


「スカート、長すぎる気がするんだ」


 そう。最上さんのスカートは、他の女子よりも丈が長い。

 膝をしっかりと覆うほどの長さで、露出している肌色はすね付近くらいだ。


 この部分にも、俺は手を加えたい。


「もっと短くすることを提案する」


「み、みみみ短く!?」


 やはり、最上さんは驚いていた。

 動揺して動いた拍子に、ぽよんと胸元が揺れる。前髪も揺れて、空色の瞳も見えた。


 うん。このふとした拍子に感じる魅力がたまらない。

 それに加えて――スカートの丈も揺れると、更に良いだろう。


「アンバランスに見えるんだ。上はハイテクな軽装備だけど、下は古風な重装備みたいでな」


「でも、でも、でも……! 佐藤君っ。たしかに夏休みは、たくさん運動したよ? 体重も少しだけど減ったから、すごく嬉しかった。だけどね、まだ……わたし、痩せているわけじゃないの。標準体型よりも、少し多いの。だからっ」


「……? だから、なんだ?」


 あれ?

 恥ずかしい、というのなら理解できる。

 いろいろ言っているが、これは結構センシティブな領域でもある。人によってはセクハラと認識して当たり前のワードだ。


 ただ、最上さんが意外と下ネタに寛容で、こうやってストレートに言われて特に不快感はないと言っていた上に、逆に俺が嘘をつく方が嫌らしいので、ハッキリ言っている。


 それでも、本当に厳しいなら無理はしなくていいと考えていた。

 ただ……スカートを短くしたくない理由は、恥ずかしいからではないらしい。


「ふ、太くて」


「太い?」


「ふ、ふとももが――太いの」


 いや、どこが太いのか分からなかったわけじゃないんだが。

 スカートを短くして太いと言われたら、ふともものことだと思うのは自然だろう。


 俺が疑問符を浮かべたのは『太い』という単語そのものである。

 なるほど。彼女は、ふとももを露出することに抵抗があるだけみたいだ。


「ふとももなんだから、太いのは当たり前だろ」


「え? いやいやっ。他の子たちは、みんな細くて綺麗な足をしているんだよ? わたしはムチムチしてて、ダメだもん」


「……はぁ」


「え。なんでそんなに、呆れたような目で見てるの……?」


 いや、こうなるのも無理はないだろ。

 だって、最上さん。君は大きな勘違いをしているのだから。


「――ムチムチのふとももなんて、むしろ最高だろ。最近のヒロインのトレンドを知らないのか? モデル体型と並ぶ最高の属性だ。最上さんはなぜ、自分が魅力的だと言うことを分かっていないんだ?」


「ひろいん? とれんど? ぞくせい? た、たまに佐藤君の発言が分かんないよっ」


「とにかく――自信を持て、最上風子!」


「ひぅっ」


 喝だ。

 俺は、彼女に喝を入れた。


 大きな声を出されたせいか、最上さんがびっくりしている。

 でも、俺は感情を抑えきれなかった。


「地味めだが清楚な大人しい子が、実は巨乳でムチムチ体型……こんなの最高じゃないか。俺が君の同級生なら、間違いなく陰ながら恋をして密かに好きになって卒業式で告白できずに大人になって後悔しているだろう!」


「え? ど、同級生だよっ。佐藤君はわたしと同級生だから!」


 おっと。激情に流されて、つい変なことを言ってしまった。

 とにかく、それくらい最上さんは最高の属性を持っている。


 その武器を、隠すのはやっぱりもったいない。

 これこそが、他のヒロインとの差別化する要素だ。


 清楚で地味だが、意外と主張している。

 このギャップに、きっと真田だって魅了されるはずだから――。

お読みくださりありがとうございます!

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これからも執筆がんばります。どうぞよろしくお願いしますm(__)m

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― 新着の感想 ―
なんだろ、昭和なキン○マン世代には、だめ超人が復活パターンに見えて仕方ない。ムチムチでウンタラボンバーや!
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