学校
学校に着くと、明日香が寄ってきた。
「昨日は、すごかったな。」
「あの集会は、なんなの?」
今は、彼女に聞くしかなかった。
「聞きたい?」
「聞きたい。」
「じゃ、お前の負けで良いな!」
「自分の負けで良い。」
「じゃ、これから、私の言うことは何でも聞きなよ。」
「僕のできる範囲で、対応する。」
「正、調子に乗り過ぎ。」そう言って、彼女は、僕のおでこを人差し指ではじいた。
「痛。」
「子猫は、どうした?」突然、話題が変わった。『こいつ、絶対B型だ。』とおもった。
「朝、ご飯を上げてから家に置いてきた。」
「後は、お母さんが出かける前にご飯を上げてくれるはずだよ。」
「そうか、それは良かった。」
「昨日の集会は、半分は人間、そして、半分は、猫だよ。」
「そして、人間がもっている猫耳は、飼っていた猫からもらったんだ。」
「自分のも、依然飼っていた猫にもらったんだ。」
「猫耳を付けると、猫と話が出来るようになる。それと、猫の能力が使えるようになる。」
「昨日、何で校舎の3階から落ちても大丈夫だったか?」
「あの子猫が、お前に猫耳をくれたからだよ。」
「子猫にとっては、命の次に大事なものだから、無くすなよ。」
「わかった。」
「自分たちは、集会と他の部族とテリトリーでもめたときに加勢するときに使うんだ。」
「最近、いぬ族と縄張り争いをやってるんだ。」
「そうなんだ。」
「猫耳を着けていれば、猫たちにも自分たちの仲間だとわかる。」
「但し、いぬ族には、自分たちが人間にしか見えないから、いぬ族にいじめられている猫が居れば、自分たちが助けてあげるの。」
「自分たちの人探しは、猫耳を使ってその辺で寝そべっている猫に聞けば何でも解決できるわ。」
「最近、いぬ族の急襲が多くて困っているのよ。」
「どうして、いぬ族と仲が悪いの?もう少し、仲よくすればいいのに。」
「嫌だね、だって、犬ってみんな鼻の頭が黒いじゃん。アイデンティテーのかけらもないね。」
「もう少し、個性が欲しいね。」その時、始業のベルが鳴った。
「放課後、また色々教えてやるよ。」そう言って、彼女は自分の席に戻っていった。