表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5.5章 小休止編(2)
88/92

88 楽しい時間

 ユミたちと別れたハルたちは、ゲームセンターに来ていた。

「うわぁっ、いろんなゲームがいっぱい!」

「けっこう種類が多いな」

「前は食事だけだったから、なんかワクワクします!」

「じゃぁ、まずはあれで遊んでみよう」

 レンが指さしたのは、モグラ叩きだった。

 横に置いてある巨大なハンマーで、どれくらい叩けるかを競うゲームなのだ。

「よしっ、まず私がやります!」

 ハルがお金を入れると、ゲームが始まった。

 しかし、結果は散々だった。

 二人が驚くくらい、ハルの動きが鈍かったのだ。

「うぅー……意外とこれ、難しいです」

「いや、難易度の問題ではないと思うが……」

「ハル、もう一回やってみよう」

「えっ?」

 不思議に思ったハルは、顔を上げて振り向く。

 すると、レンがもうひとつのハンマーを持っていた。

「これは最大二人までできるみたいだし、今度は俺もやるから」

「でも、どうすれば……」

「お互い、半分ずつ叩けば、労力も半分だろ?」

「なるほど!」

「じゃぁ、背中合わせに」

「はい!」

「では、始めるぞー」

 神の遣いは、面倒くさがりながらお金を入れる。

 そして、ゲームが始まった。

 ハルとレンは背中合わせになり、どんどんモグラを叩いていく。

 やがて、終了の音楽が流れた。

 二人の結果はというと……

「えっ、満点?!」

「よかったな、ハル」

「やったーっ!」

「娘の時とは、大違いだな」

「あれは、忘れてください……」

「おめでとうございまーす!」

 ハルたちが談笑していると、笑顔の店員が賞品を持ってきた。

「満点をとった方には、これをプレゼントしています」

「えっ、これって……」

「ハンマーを持った、モグラのぬいぐるみだな」

「さっき叩いていたから、申し訳ない気持ちが……」

「まぁ、いいじゃないか。満点の記念だから、もらっておこう」

「おい、他のゲームもやりたいぞ!」

「そうですね……あとは、クレーンゲームとか?」

「それなら、我にやらせろ!」

「えっ、神の遣い様、やり方わかるんですか?」

 ハルに問われ、神の遣いは偉そうに仁王立ちをした。

「お主らが遊んでいる間、他の奴らのやっているのを見ていたから、大体わかるぞ!」

「ちょっと、私たちのを見てくださいよ!」

「だって、お主らだけ楽しそうだったし」

「それは……」

 神の遣いは、口をとがらせてそっぽを向いた。

 その行為に、ハルは少し申し訳ない気持ちになった。

 確かに、レンとゲームをしている時のハルは、楽しさでいっぱいだった。

 そのため、神の遣いに強く言えないでいた。

 しかし、神の遣いはいたずらな笑みを浮かべる。

 そして、クレーンゲームを再度指さした。

「だから、我がやる」

「わかりました。でも、何回もはできませんよ?」

「そんなの、一回で十分だ」

 自信のある神の遣いは、ハルに景品を選ばせる。

「娘、どれが欲しいのだ?」

「えっ、じゃぁ……あのもふもふのヒヨコを……」

「よしっ、我に任せるがいい」

 お金を入れ、神の遣いは操作を始める。

 そして、アームがヒヨコに近づいた時、神の遣いの目つきが鋭くなる。

「ここだ!」

 ボタンを押し、アームがヒヨコを掴む。

 見つめていたハルたちは、ドキドキしながら願っていた。

 やがて、掴まれたヒヨコは、ボックスに落とされた。

「すごい、本当に一回で取っちゃった!」

「やるじゃないか、神の遣い」

「ふふんっ、もっと褒めるがいい!」

 二人に褒められて、神の遣いは得意気だった。

「おぉ、そうだった。娘よ、欲しかったのはこれだろ?」

「ありがとうございます、神の遣い様!」

「ハルがうれしいと、俺もうれしいよ」

「お二人のおかげで、今日はすごく楽しかったです!」

 ハルの笑顔に、レンと神の遣いも微笑んだ。

★★★

「はっ、なんだかハルが他の男と、仲良くしている気がす……むぐっ?!」

「バカ言っていないで、早く食べろ」

 病室にいたマサは、食事中だった。

 だが、突然耳を立て、眉間にしわを寄せる。

 しかし、あかりにスプーンを突っこまれてしまう。

 そのため、危うく咳こみそうになった。

「ごほっ……あかり、いきなりなにするんだ!」

「あんたが、食事中に変なこと言うからだろ」

「ふんっ」

「あいかわらず、仲がいいですね」

「本当だね、はなちゃん」

 マサたちのやり取りに、同室であるベアトは苦笑していた。

 もちろん、契約者の桜坂はなも一緒である。

 はなはポニーテールを揺らし、ベアトに微笑む。

「でも、ベアトの目が覚めて、本当によかった」

「心配かけて、ごめんね……」

 すまなそうにするベアトに、はなは首を横に振った。

「私の方こそ、あなたのこと守れなくてごめんなさい……」

「はなちゃんは、悪くない!」

「そうだぞ。自分自身を責めるのは、間違っている」

 はっきり言う声に、二人はあかりを見つめた。

「まずは、お互い無事だったことを喜ぶべきだ」

「そうですね……ありがとう、あかりさん」

「まぁ、あたしも言えたもんじゃないけどね」

 はなにお礼を言われ、あかりは目線をそらす。

 そして、照れを隠すように、リンゴをむき始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ