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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5.5章 小休止(2)
84/130

84 君をどんなことからでも守ってみせる

 庭に出ると、やわらかな日差しがさしこんでいた。

「あっ、ここは誰もいませんね」

「とりあえず、向こうに座ろうか」

 レンが指さした方には、大きな木があった。

 それを囲むように、ベンチが置かれていたのだ。

 荷物を置き、ハルも座ろうとした。

 すると、レンに手を掴まれる。

 突然のことに、ハルは首を傾げた。

「レンさん、どうしたんですか?」

「ハル、弁当を食べる前に、渡したい物があるんだ」

「渡したい物?」

「あぁ、これなんだが……」

 レンが取り出したのは、炎をモチーフにしたペンダントだった。

「あっ、レンさんも作っていたんですね!」

「君に渡そうと思ったんだが、タイミングがなくてね」

「えっ、私に?」

 ハルが驚いていると、レンは目線をそらした。

「君が吸いこまれる時、俺は駆けつけることができなかった」

「でも、あの時は、薫さんたちもいましたし……」

「あぁ、そうだな」

 レンは一旦目を閉じ、ハルをまっすぐ見つめる。

「だが、君のアニマなら、あの時優先すべきは、君だったはずだ」

 ハルを見つめたレンの瞳は、真剣なものだった。

 そのことに、ハルは一瞬ときめいてしまう。

「レンさん……」

「今度は、君をどんなことからでも守ってみせる!」

 レンはハルの手を取り、ペンダントを握らせる。

「これは、俺の想いだ。どうか、受け取ってほしい」

「ありがとうございます……」

 ハルは微笑んだが、突然マサの顔が頭に浮かんだ。

 それにより、同様と困惑の表情になる。

「でっ、でも、私はマサのペンダントつけていますし……」

「大丈夫だ」

「えっ?」

「マサのは、外さなくていい」

 ハルからペンダントを取り、レンはチェーンを外す。

 そして、ハルの首につけ始めた。

「俺も、マサと同じ気持ちだ。だから、俺のもつけて」

「はい……」

 ハルはうれしくなり、涙があふれそうになる。

 やがて、ペンダントをつけ終わり、レンはハルの頬に手を添える。

 だが、ハルは一瞬怖くなってしまった。

 そのため、強く目を閉じてしまう。

 レンは驚いたが、すぐ優しく微笑んだ。

 すると、ハルの右頬にキスをする。

 キスされたハルは、目を開けて顔を赤くした。

「れっ、レンさん?!」

「今は、これで我慢するよ」

「がっ、我慢って!」

 赤面するハルに近づき、耳元で囁いた。

「ハルが俺の方を向いてくれたら、教えてあげる」

 レンの囁きに、ハルは硬直した。

 気をよくしたレンは、持ってきた弁当を出し始める。

「さぁ、早く食べてしまおう。ハル?」

 レンが振り向くと、ハルはぎこちない動きをしていた。

 それはまるで、ロボットのようだった。

 なんとかベンチに辿り着き、ゆっくり腰を下ろす。

 レンさん、大人すぎる……と、ハルは思ったのだった。

 レンはというと、笑いをこらえていた。

 だが、ごまかすように咳払いをひとつする。

 そして、ハルの隣に座った。

 あまりの近さに、ハルは一瞬肩を上げた。

 しかし、弁当を食べ始めて、笑顔になる。

「このからあげ、すっごくおいしい!」

「あの人は口は悪いが、料理の腕はいいと評判だよ」

「確かに皮がパリッとしていて、おいしいですね!」

「ふふっ、君はご飯を食べている時、すごく幸せそうだね」

「えへへ……お腹空いていたのもあるかもです」

「じゃぁ、俺のをひとつあげよう」

「えっ、いいんですか?!」

「君がうれしいと、俺もうれしいんだ」

 レンの微笑みに、またハルはときめいてしまう。

「あっ、ありがとうございます!」

 楽しい食事も終わり、二人は庭を後にした。

 弁当の袋をゴミ箱に入れ、ハルは何気なく談話室を覗いた。

 すると、薫がいるのを発見する。

 薫はコーヒーを飲みながら、テレビを見ていた。

「薫さん!」

「おや、ハルさんたちもお昼かい?」

「私たちは、さっき食べました」

「薫は休憩かい?」

「あぁ、そうだよ。それより……」

 薫の視線は、ハルたちの手を見つめていた。

「二人はお熱いねぇ」

「えっ?」

 薫の笑みに、ハルは首を傾げた。

 だが、すぐ自分たちが、手をつないでいることに気づく。

 そのため、慌てて手を離した。

「いや、違うんです、これは!」

「照れなくてもいいだろう」

「照れてないです!」

「ちなみに、彼はうれしそうだったぞ?」

「レンさんが?」

 ハルが隣を見ると、レンは目線をそらした。

「さっきも、しっぽ振っていたしね」

「あっ、レンさんは、犬のアニマだから……」

 隠そうとしても、感情がしっぽに出ちゃうんだなぁと、ハルは苦笑した。

 薫はコーヒーをひと口飲み、レンに微笑んだ。

「よかったな、レン。大切な人ができて」

「あぁ……」

 二人が見つめ合っていることで、ハルは気まずい気持ちになった。

 それを見ないように、ハルはテレビに視線を向ける。

 すると、あるニュースが流れだした。

『ここで、速報です』

「えっ、この人たちって……」

 そこに映っていた人物に、ハルは驚く。

 さらに、女性アナウンサーはニュースを続けた。

『戦闘用アンドロイドを、無断で製作したことにより、男たちが逮捕されました』

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― 新着の感想 ―
ハルちゃんとレンの二人きりのデート♪ レンもネックレスのプレゼントを?? わ、そのまま付けるのはいいけど、マサが見たら怒りそうww レンはマサに比べて大人っぽい魅力があるよね〜♪ ハルちゃんもドキド…
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