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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第5章 vsアンドロイド編
80/81

80 俺たちを信じてくれ

「安心しな、ハル。俺たちにはまだ、希望がある」

「希望?」

 言われている意味がわからず、ハルは首を傾げる。

「マサ、こんな絶望的な状況で、なにを言っているんだ!」

「絶望的じゃねぇぜ。なぁ、レン」

 あかりに責められたマサは、腕を組んでレンに視線を向けた。

 それに気づいたレンは、小さく頷く。

「マサの言う通りだ。手段はあると言っただろ?」

「それは、そうですけど……」

「レン、とか言ったな。もったいぶっていないで、さっさと話せ!」

 なかなか答えを言わないレンに、あかりはイラついていた。

 すると、レンは遠くにいるメイドたちを指さした。

「俺たちが大型アニマになって、あの攻撃をとめる、ということだよ」

「なっ、そんなことできるのか?!」

「まぁ、できたのは一度だけだが、やってみる価値はある」

★★★

 ハルたちが話し合っているのを、遠くから見ていた柊とマイは、余裕を見せながらも警戒していた。

「彼女たちは、なにを話しているんでしょうか」

「知りませんわ。それより、まだ発射しないんですの?」

「まぁ、待ちなさい」

 イラつくマイを、柊は優しく制した。

「彼女たちも負傷していて、充電に時間がかかるんですよ」

「充電完了まで三十……三十五……五十……」

 標準を合わせたまま、メイドたちはカウントを続ける。

 充電は半分まできていたが、マイはその時間さえも惜しかった。

「目の前に、復讐する相手がいるのに、こんなにもどかしいなんて……」

 マイは憎しみをこめて、拳を握った。

★★★

「大型アニマになるって、本気ですか?」

「あぁ、彼女たちに対抗するには、それしかない」

「でも、またあの時のようになれるかどうか……」

 ハルは不安になり、両手を胸の前で握った。

 その震える手を、レンは優しく包んだ。

「不安になるのもわかる。だが、これには君の力が必要だ」

「私の力、ですか?」

 首を傾げるハルに、レンは優しく微笑む。

「力、というより想いかな」

「ハルさんが、私たちを想ってくれれば、それだけで力になります!」

「桂木博士の時も、お嬢のおかげで、俺たちは戦えた」

「ハル殿、俺たちはずっと一緒ですぞ!」

「みんな……」

 それぞれの想いに、ハルの目は潤んでいた。

 そして、マサはハルに笑いかける。

「ハル、俺たちを信じてくれ!」

「わかった、やってみる!」

 ハルの決意に、マサたちは頷いた。

 そして、ハルたちを背にして、五人は平行に並ぶ。

「お願い……みんなに力を……」

 ハルは目を閉じ、必死に祈りをこめる。

 すると、指輪が仄かに光りだした。

「本能覚醒!」

 マサたちのかけ声に指輪が応え、全員の体が光りだした。

 やがて光の球になり、ひとつに集まっていく。

 そして形を変え、桂木戦の時同様、大型アニマになった。

「これが……噂に聞いた大型アニマ?」

 目の前の出来事に、あかりは驚いていた。

 しかし、その光景を見ていたマイは、怒りに顔を歪める。

「あれが……大型アニマ……」

「八十五……九十二……百。充電完了しました」

 メイドたちのカウントが終わり、マイはため息をついた。

「まったく、いつまで待たせますの。さぁ、撃ちなさい!」

「ターゲット、大型アニマ。レーザー砲、発射!」

「サンダーボルト!」

 メイドたちは、一斉にレーザー砲を発射する。

 それと同時に、大型アニマは電撃を放った。

 そして、互いの力がぶつかり合う。

「よしっ、防いだぞ!」

「でも、向こうに届いていない……」

 ハルは不安になったが、マサの言葉を思いだす。

『ハル、俺たちを信じてくれ!』

「大丈夫、私たちは負けない!」

 すると、ハルの想いに応えるように、指輪が強く光りだした。

「ガアァーッ!」

 指輪の光が増し、大型アニマの力も強力になった。

 そして、徐々にレーザー砲を押し返していく。

「なっ、このままじゃ負けますわ!」

「うーん、もう少し調整が必要だったみたいだね」

「なに悠長なことを言っていますの?!」

 意外と冷静な柊に、マイは焦りを見せる。

 そして、柊のスマホを取り上げた。

「なにをしているんです、マイ!」

「出力が足りないなら、もっと上げればいいだけじゃない!」

「落ち着けよぉ、マイ」

 焦って操作するマイに、コバットがよろけながら話しかける。

「このままじゃ、あのメイドたちがもたねぇぜ」

「コバット様……」

「今回は、オイラたちの負けだ……」

 コバットの言葉に、マイは唇を噛みしめた。

★★★

「すごい、どんどん押し返しているぞ!」

「皆を傷つけて、味方だったあかりさんまで利用して……」

「あんた……」

「それに、マサにキスしたこと、ちゃんと償ってもらうんだからーっ!」

「おい、今はそれ関係ないだろ?!」

 ハルの怒りで、さらに指輪の光が増した。

 そのため、電撃がレーザー砲を上回った。

 メイドたちはというと、電撃に巻きこまれ、完全に壊れてしまった。

 そして、次々と倒れていく。

「やっ……やったのか?」

「でも、こんな終わり方、ないよ……」

「そうだ、マイたちはどうなった?」

 あかりは駆けだし、周囲を見回した。

 しかし、マイたちの姿は、どこにもなかった。

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