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改訂版 アニマルな君たちは今日も戦う  作者: しゅうらい
第4章 アニマの暴走編
63/92

63 分断と乱入者

 乱入者にハルが驚いている頃、マサたちはあかりと対峙していた。

 しかし、レンとイグは困惑していた。

「マサが、俺たちを連れだしただと?」

「あぁ、そうさ。分断できて、好都合だ」

 あかりは不敵に笑い、槍を構える。

「マサ、あいつの言っていることは本当か?」

「……」

「おい、黙っていないで説明しろ!」

「イグ、今はマサを問い詰めている場合じゃない」

「わかっている、シューティングアロー!」

「甘いっ!」

 先手を取るため、イグは自分の羽根で弓矢を出現させる。

 そして、何本もの矢を放った。

 だが、あかりに振り払われる。

「ちっ、やはり弾かれるか……」

「ならば、これでどうだ、業火!」

 レンも攻撃態勢に入り、炎の渦を放った。

 すると、あかりは槍で地面を叩いた。

 その音を合図に、数名のアニマが出てくる。

「水部隊、攻撃準備!」

 指示されたアニマたちは、片手を前に出す。

「放てーっ!」

「アクアボム!」

 あかりのかけ声とともに、たくさんの水の玉が放たれた。

 それは、レンの炎を打ち消し、マサたちに命中した。

「くっ!」

「なにをしているんだ、マサ。君も戦うんだ!」

「戦えるはずないさ」

 二人が振り向くと、あかりは不敵な笑みを浮かべていた。

 そして、槍をマサの方に向ける。

「そいつはもう、あたしたちの仲間なんだからな」

「違う、俺は……」

 戸惑うマサの頭に、突然声が響いてきた。

『マサ!』

 それは、ハルの声だった。

 愛しい人の声に、マサの心は落ち着いていく。

 落ち着きを取り戻したマサは、目を閉じる。

「そうだ……俺はハルと……」

 マサがゆっくり目を開くと、空から何かが落ちてきた。

 それは地面に叩きつけられ、煙が周囲を覆った。

「誰だ、邪魔する奴は!」

「ボス、煙で周りが見えません!」

「一体、なにが起こっている?」

 レンが辺りを見回すと、誰かに手を引かれた。

「早くこちらへ」

「なに?」

 レンとイグが離れた時、マサも手を引かれた。

 だが、それはマイの手だった。

「さぁ、マサはこちらへ!」

「おい、なにを……」

 やがて煙が晴れ、視界がクリアになる。

 だが、もうレンとイグの姿はなかった。

「あいつら、どこに……」

 あかりが見回していると、一台の車が通り過ぎていった。

 消えた奴らは、それに乗っている。

 あかりは、そう直感した。

「ちっ、逃がしたか……」

 舌打ちをするあかりだったが、マサを見て微笑む。

「マサ、また一緒に暴れようじゃないか」

「ふざけるな、誰があんたと……ぐっ?!」

 マサが言い終わる前に、あかりの拳がみぞおちに入った。

 マサは気を失い、マイの方に倒れこむ。

「よしっ、お前たち、一旦退くぞ!」

 マサを連れたあかりは、満足げな笑みを浮かべていた。

★★★

 突然現れたメイドに、ハルたちは戸惑っていた。

「あの、あなたは一体……」

「お嬢さん、今お楽しみなんだから、邪魔するなよなぁ?」

「そのようなことを申されても、私に関係ありません」

 コバットに睨まれても、メイドは表情を変えなかった。

 それどころか、両手を変形させ乱射する。

「私は、ただ任務を実行するのみです」

「なっ、煙幕だとぉ!」

「わわっ、私たちも周りが見えないよ!」

 ハルは、慌てて自分の周りを確認する。

 だが、ユミたちを見つけられずにいた。

「ユキ、ユミちゃん、二人ともどこ?!」

 すると、ロープのようなものが、腰に巻きついてきた。

「えっ?」

 驚くハルだが、一気に引っ張り上げられる。

「きゃぁーっ、なんなのこれーっ?!」

 ハルの悲鳴も空しく、車に放りこまれた。

「いてて……」

「ハルさん、無事だったんですね!」

「ユミちゃん、ユキ!」

 ハルは、ユミとユキに会えて喜んだ。

 しかし、安心したのも束の間、すぐにドアを閉められた。

 ハルたちを乗せた車は、スピードを上げて走り去った。

「おやぁ、逃げられちまったかぁ」

 煙も晴れていき、コバットは肩を落とす。

「また、ここに戻ってくるかもしれねぇし、見張っていても……」

『コバット様、一度戻ってきてください』

「なんだぁ、マイか」

 突然頭に声が響き、コバットは顔をしかめる。

 その声の主は、マイだった。

「まだ遊び足りないんだがなぁ」

『そういうところ、あなたの悪い癖ですよ』

 駄々をこねるコバットに、マイの声は呆れていた。

『あかり様もお待ちですから、急いでくださいね』

「わかったさぁ。おい、ベアト帰るぜぇ」

 コバットに呼ばれ、ベアトは静かに従った。

★★★

「一体、ここはどこなのかしら……」

 ハルは、今までの状況に混乱していた。

 ベアトとの戦いがあり、メイド服の女性が出現。

 そして、煙で視界を奪われたと思えば、突然引っ張り上げられる。

 しかも、そのまま車に投げこまれたのだから。

「そして今は、どこかの建物内を案内されている、というわけだけど……」

「先ほどから、なにをおひとりで、話されているのですか?」

 振り向いたメイドに、ハルは緊張のあまり、顔を引きつらせた。

「あっ、いや、ちょっと頭の整理を……」

「そうですか」

 納得したのか、メイドはまた前を向いて歩きだす。

 ハルも置いていかれないように、小走りでついていった。

「それより、他の皆はどこですか?」

「アニマの皆様は、別室で待機されております」

「じゃぁ、私もそこに連れていってもらえるんですね!」

「いえ、あなた様は、別のお部屋にご案内いたします」

「なんで、私だけ?」

「あなた様に、お会いしたいという方がいらっしゃるんです」

「お会いしたい方?」

「はい。政府の方たちですよ」

 メイドの発言に、ハルの顔はどんどん青ざめていった。

「なっ、なんでそんな偉い方が、私なんかと?!」

「それは、わかりません。ですが、その中でも、上層部の方たちですね」

「やめて、いろいろ情報が多すぎる!」

 『政府』という言葉だけでも、ハルは緊張していた。

 しかも、上層部が相手となり、さらに緊張が増していく。

 ハルの背中を、嫌な汗が流れていった。

 そうこうしている内に、メイドの足が止まった。

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― 新着の感想 ―
メイドさんは、サラと言うんですね! メイド女子、好きです♡ でも、誰のセンスなんでしょうか…?(^-^;
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