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ロスト・ハート・マリオネット ~魔法学院の人形使い~  作者: 天空海濶
“魔専アステリア女学院”中等部二年生
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第二百六十四幕 第十惑星の戦い・二年目のダイバース代表戦・終幕

「ティーナはボロボロだ。アタシが中心的に仕掛けるぞ?」

「うん……ちょっと疲れちゃったから……」

「何なら交代するのも手だけど」

「大丈……夫……。ここまで来たんだもん。最後までやらなきゃ……!」

「……そうか」


 控えに残っているメリア先輩、サラちゃんにベルちゃんにリゼちゃんの方が今の私より体力があるのは間違いない。

 だけどここで引いちゃいけない気がする。完全に全てが感情論だけど、そう思うの。

 私達で勝って“魔専アステリア女学院”を優勝に導くんだ!


「なら、頼りにしてるぜ。ティーナ!」

「うん! ボルカちゃん!」


 それだけ交わし、ボルカちゃんは炎で加速してリルさんの方へ。

 私のままでも控えと変わったとしても、ボルカちゃんが中心の陣形になる事は変わらない。私は意識を保ちつつ、サポートを中心に執り行う。

 ボルカちゃんは既にリルさんへ迫っていた。


「そらよっと!」

『身軽なものだ』


 正面から蹴りを放ち、それはかわされ前足が迫る。

 しかし片手からの炎噴射で上昇して避け、そこから巧みに操り翻弄ほんろうする。

 上下左右、重力の影響を受けず微細な調整を交えてあらゆる方向へと移動する。


「“植物の網(プラネット)”!」

『植物……!』

「お、ナイス。ティーナ」


 そんな一人と一匹の周りにツタを張り巡らせ、リルさんより小さくて身軽なボルカちゃんはその網を伝って更に加速。

 踏み込む瞬間と移動する時の炎も調整しており、蔦が簡単に燃えないように飛び回っていた。

 それがそのまま緩急となり、リルさんが追い付かないまま顎下に蹴りを突き刺す。


「此処は大抵弱点っしょ!」

『狙いやすいのか、ダクもこの場所を重点的に狙ってきていたぞ』

「へえ。なら、間違いないみたいだ」

『その上で私に敗れているんだ。君が同じような事をしても勝因にはならぬ』

「アタシだけじゃねえさ。アタシ達はチームなんでね!」

『……! 足を……』


 ボルカちゃんが怯ませたところでリルさんの四肢を蔦で拘束。身動きを取れにくくする。

 ボルカちゃんはそこから加速し、また勢いを付けた。


『これがどうした。弱っているティーナ・ロスト・ルミナスの拘束なんぞ、容易く引き千切れる!』

「ですよね。けど、気は逸れるでしょう……!」


 足を動かし、蔦類を切り裂いて脱出。だけど私の狙いはボルカちゃんの邪魔にならないよう、リルさんの動きを止めるだけ!


「“炎の断頭(フレイムギロチン)”」

『……ッ!』


 頭上へと上がり、炎で加速。自身に縦回転を加え、踵落としをリルさんの首元へ叩き込んだ。

 本当のギロチンのようにはならないけど、威力は十分。その体は地面に叩き付けられ、大きなクレーターが形成される。


『この……程度……!』

「……!」

『ワオ━━ンッ!!』


 意識までは届かず、起き上がって遠吠えを叫ぶ。

 それによって生じた音波で蔦の檻は消し飛び、ボルカちゃんの体も吹き飛ばされた。


「“クッション”!」

「サンキュー。ティーナ」


 その体は植物からなるクッションで受け止め、ダメージを防ぐ。

 目の前には檻から解放され、自由の身になったリルさんが。


『これは予想以上。弱った体には響いたが……まだ私は意識があるぞ』

「この程度で意識を奪えるとは思ってないさ!」

「その通り……!」


 踏み込み、目にも止まらぬ速度で私達の眼前に躍り出るリルさん。

 次の瞬間に前足が振り下ろされ、ボルカちゃんは反応して炎剣で防ぐ。

 私も呆気に取られている場合じゃないよね。体は痛いけど魔力はまだそこそこ残っている。この距離で相手の動きを止めたなら絶好のチャンス!


「“樹木刺突”!」

『ガハッ……!』

「追加注文だ。“フレイムバーン”!」

『……!』


 地面から植物を生やして腹部を突き、空中へと舞い上げる。そこへボルカちゃんが追撃するように炎魔術を放ち、リルさんの体を吹き飛ばした。

 向こうは怯んだもののこらえ、体に力を込める。


『ワオ━━ンッ!』

「「……!?」」


 耳をつんざく遠吠えが響き、私達の体が意図せず硬直。また即座に詰め寄られ、前足によって薙ぎ払われた。

 私達は近くの建造物を粉砕しながら吹き飛び、一際大きな物にぶつかって停止。多分次に狙われるのは──


『終わりだ。ティーナ・ロスト・ルミナス』

「私だよね……!」


 ──弱っている私。

 でもそれは予想の範疇。だって一番簡単に倒せるもんね。

 だからこそ、既に下準備は終えている。痛みはもうある程度麻痺して感じにくくなってるし、吹き飛びながら考えていたもん!


「“貫通樹林”!」

『……! 下から……成る程。地面に触れるだけで生み出せるのか』

「本来はマ……お人形を触媒にすれば良いだけだからね……!」


 植物を地面から生やし、リルさんの体を打ち上げる。

 元々地面に触れずに植物魔法が使えたもんね。弱っている状態でもこれくらいは出来る。私の魔法じゃなくてママの魔法だし!

 身動きの取りにくい空中へと持ち上げられたリルさん。そこへボルカちゃんが炎の加速と共に攻め入る。


「“打ち上げロケット”ォ!」

『それは最早もはや呪文か……!?』


 全身で強烈な一撃を与え、リルさんの体を更に打つ。

 空中で停止して魔力を込め、両手を向けてそれを解放した。


「“ヘルファイア”!」

『……ッ!』


 灼熱の業火で焼き払い、その体も吹き飛ばす。

 単なる炎の放出じゃリルさんの体は吹き飛ばない。それ程の力を込めた一撃なんだ。

 下方に落ちたのを確認し、火柱が立つ。体毛にも引火して中々消えにくいよね。ダメージは絶大な筈。


『──この程度で……』

「……!」

「ボルカちゃん!」

『やられると思うなァ!!』


 燃え盛る体をそのまま、空中のボルカちゃんへと跳躍して前足を薙ぎ払う。

 魔力と炎でガードした気配はあったけどそのまま吹き飛ばされ、下方へ落下。地面を擦って縦に粉塵を巻き上げながら吹き飛び、その後をリルさんは追う。

 私もすぐにティナを伸ばし、感覚を共有。自分自身も植物に乗って向かう。


「オイオイ……この傷……全治何ヵ月だ?」

『世界の医療技術は目まぐるしく成長している。案ずるな。──ワオ━━ン!!』

「……!」


 近距離で吠え、ボルカちゃんの両耳から血が噴き出す。

 鼓膜が破れた……! 音の衝撃波でフラついており、リルさんのトドメが放たれようとしていた。


「今度は私が間に合う……! “樹海大行進”!」

『まだこれ程までの魔力出力を……!』


 建造物全てを植物で飲み込み、ボルカちゃんの手助けに。

 リルさんも飲み込み、即座に治療効果のある植物で耳にカバーをして応急措置。


「ティーナ。悪い、助かったけど……暫く言葉に返答は出来なそうだ」

「うん。大丈夫……!」


 声は聞こえなくなってしまったので頷いて相槌で返答。

 リルさんは植物の波を乗り越え、全身をもちいた体当たり。植物でガードをした瞬間に私達は吹き飛ばされ、建造物の残骸を更に散らす。

 全身痛いと思うけど、私は感覚が麻痺してる。植物で動かせば行動も可能。ボルカちゃんは元々のダメージ量からまだ耐えられる筈。

 リルさんは大口を開けて迫っており、その口を蔦で封鎖。なので頭突きに切り替えられ、私達は全身を強く打つ。


『これで終わらせてやろう……!』

「受けて立ちます……!」


 全身の筋肉に力を入れる様が窺えられ、私達も魔力を込める。

 リルさんもボロボロなのは間違いない筈。だったら今まで以上の渾身の一撃で沈めるのみ。


『終わりだ……!』

「“多重守護樹木”!」

「……!」


 全身をもちいた突進。多重の植物で防御。けれど粉砕され、瞬く間に正面へ。

 良い。これで良いの。ボルカちゃんがフリーになれば勝利は確定するから……!


『カァ!』

「やあ!」

『……! 自らの腕を……!?』


 大口が開かれ、植物と魔力で強化した私の片腕をそこに突っ込む。そこから体内へツタを伸ばし、地面からも生やしてリルさんの体を完全に拘束。

 勢いまでは抑え切れず、拘束した瞬間に突進が直撃。私の中の意識が遠退くのを感じた。意識を失えばすぐに拘束は解かれてしまう。

 でも、その一瞬があればボルカちゃんが終わらせてくれる筈。


「これで終わりだリル! ──“太陽の大放出(プロミネンス)”!!」

『──』


 消え行く意識の中、暗い惑星。炎によって光るボルカちゃんの姿は後光が差しているように見え、次の瞬間に放たれた熱線。

 リルさんの体は爆炎に飲み込まれて降下し、幻の巨大惑星を炎が貫通する。内部から破壊され、全てが光に包まれた。

 勝負の行方は──



*****



 ──“医務室”。


「……!?」


 目覚めた時、私は慣れ親しんだ医務室に居た。……痛っ!?

 体を動かそうとすると激痛が走り、上手く動けない。周りにはいくつかの気配もあった。


「……!? おお! 気付いたか! ティーナ!!」

「ボ、ボルガ……ぢゃ……ッ!」


 目覚めるや否や、ボルカちゃんが涙を流して抱き付いた。なんか大袈裟な気もする。嬉しいけど、全身が痛くて悶絶する。


「おおっと。無理すんな。てか、抱き付くのがダメだな。アタシの鼓膜や骨折は何とかなったけど、ティーナは重傷オブ重傷だ。マジで命の危機だったらしいぜ」

「ぞ、ぞうなんだ……」

「だから無理すんなって。今継続して回復のポーションを点滴で入れてるんだから。アタシは経過報告してるだけだ」

「分がっだ……」


 どうやら本当に危ない状況だったみたい。

 回復魔法を施された状態でこの激痛だもんね。声も出にくくなってる。大会が終わったらしばらく入院かな……。学校の課題終わらせておいて良かった~。

 あ、と言うか大会!


「ボ……」

「あー、喋んな。喋んな。聞きたい事は分かってる。大会の結果だろ? 丁度総合ポイントの発表だ。アタシを含めて重傷者が多くてな。数時間経てようやく此処まで来たんだ」

「そう……」


 流石のボルカちゃん。聞きたい事なんでも分かってる。

 周りにはメリア先輩を筆頭に、知り合いの人達が涙を流していた。


「もう! 本当に心配したんですわ! ティーナさん!」

「……全く……本当に全く……無茶ばかりして……! 貴女は少し自分がおろそかよ!!」

「うえーん! 良かったよー! ティーナちゃーん!」

「先輩~! 良かったです……起きて……本当に……!」

「うう……! ウチらに心配掛けないで~!」

「良かったですわ~!」

「先輩には苦労します……」


「あまり心配をさせるな……!」

「本当に心配したんですよぉ~!」


「ご、ごめん……」


 ルーチェちゃん達や高等部の先輩達。“魔専アステリア女学院”のみんな。と言うかこの様子、本当に危なかったんだ……。

 もしかして数時間で目覚めた私の回復力ってスゴいのかも……! ……うっ……でもダメ。スゴく痛くて多くは語れない。

 みんなのみならず、他の人達も集まっていた。


「全く……私と戦った時に意識を失っていれば此処まで大事にはならなかったと言うに……」

「心配掛けるでない。ティーナ殿」

「ティーナさん……本当に大丈夫なんですね!?」

「もし目覚めなかったら私が電気ショック治療で無理矢理引き戻していたぞ」


 シュティルさんにレモンさん。更にはエメちゃんにユピテルさんまで。数時間もあれば確かに集まれるかも。

 そして他校の人達も。


「俺達魔族より無茶してんじゃねェのか? ティーナ・ロスト・ルミナス」

「可愛い顔で無茶しちゃうんだからぁ~……」

『これ程の状態で戦っていたとは。凄まじいな……』


 ダクさんとリテさん。リルさん。三人もそれなりのダメージだったけど、私より早く回復したみたい。

 そんな感じで知り合いや先輩が集いつつある中、医務室のモニターでは結果が発表されていた。


《さあ! 今回は例年以上に波乱に満ちた展開となりました今大会!! 諸々の事情によって選手達は少ないですが、試合結果を発表して行きましょう!!》


「「「どわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!!」」」

「「「ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!」」」

『『『グギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!』』』

『『『キュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォンンンンンンンッッッッッ!!!!!!!!』』』


 選手が少なくてもスゴい盛り上がり。“魔専アステリア女学院”のみんなは此処に来ちゃってるから一人も居ないんだね。なんだか申し訳無い気持ち。

 だけど既に司会も大詰めって感じなのでその結果を見届ける。


《それではまずは今行われた試合で個人成績のトップ3から発表していきましょう!! 3位! 2ポイント獲得で“レイル街立暗黒学園”のダク選手ゥ━━ッ!!》


「「「ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!」」」


 3位に選ばれたのはダクさん。

 だけどまさか3位が2ポイントなんて、今回の試合はかなり拮抗していたのかも。

 その紹介を皮切りに、次も発表される。


《2位! なんと同率! 3ポイントで“神魔物エマテュポヌス”のシュティル選手と“リヤンフロマージュ”のリル選手ゥゥ━━━ッ!!》


『『『グギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!』』』

『『『キュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォンンンンンンンッッッッッ!!!!!!!!』』』


 2位はシュティルさんとリルさん。これで各チームの主力が出揃った。

 此処でそうなると、1位は──


《栄えある第1位! 此方も同率でランクインしました!! “魔専アステリア女学院”のティーナ・ロスト・ルミナス選手とボルカ・フレム選手ゥゥゥ━━━━ッ!!! 4ポイントで同じチームから入りましたァァァ━━━━ッ!!!》


「「「どわあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!」」」


 なんと1位は私とボルカちゃん。二人とも4ポイントを取る事が出来、1位と言う結果に終わった。


《それにより!! 総合得点!! 1位は10ポイントで“魔専アステリア女学院”!!! 2位が……なんと! なんとなんとなんとォ!! 3ポイントで“レイル街立暗黒学園”!! “神魔物エマテュポヌス”!! “リヤンフロマージュ”が同率で入りましたァァァ━━━━ッ!!!?》


「「「どわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!!」」」

「「「ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!?」」」

『『『グギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!?』』』

『『『キュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォンンンンンンンッッッッッ!!!!!!!!?』』』


 まさかの結果に終わった。

 私達が最高得点を飾れたのは良いけど、本当に全チームが一歩も譲らない試合だったんだと思う。

 因みに他のポイント取得者はメリア先輩とディーネちゃんとゾルさんで1ポイント。

 結果だけ見れば倍以上のポイントを取った私達の圧勝に思われるかもしれないけど、どれか一つでも歯車が違っていたら全てのチームにその可能性があった。何なら傷だけ見たら私が完敗だもんね~。

 何はともあれ、スゴい決勝戦だったよ! 体は動かせないから心の中で叫んでみた!

 司会者さんは〆に入る。


《これにより! 全チームの日程が終了!! 今年の“多様の(ダイバース・)戦術による(タクティクス・)対抗戦(ゲーム)”!! 優勝国を発表致します!!》


「「「どわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!!」」」

「「「ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!!」」」

『『『グギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!』』』

『『『キュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォンンンンンンンッッッッッ!!!!!!!!』』』


 そしていよいよ発表される、今大会の優勝国。

 そう、最終的な結果は総合得点によって決まる。一つの試合だけで大量得点したとしても、その結果が覆る可能性は大いにあるんだもんね。


《──2位! “魔物の国”!! ──3位! “魔族の国”!! この両国がこの順位を飾りました!!》


 サクサクと順に発表される国々。

 シュティルさんの活躍もあって2位に収まった魔物の国と総合的に強さを発揮した魔族の国が3位。

 そしていよいよ、優勝国が──


《そしていよいよォ!!! ──1位に輝いたのはぁ~…………──……“人間の国”です!! 4位は残念ながら“幻獣の国”!! 今年は例年以上に拮抗した試合運びとなりましたァァァ!!!》


「「「どわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!!」」」

「「「ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッ…………!!!!!!!!」」」

『『『グギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!』』』

『『『キュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォンンンンンンンッッッッッ…………!!!!!!!!』』』


 それが今年の結果となった。

 優勝は私達人間の国! “魔専アステリア女学院”と“神妖百鬼天照学園”のポイントが大きく作用し、この結果に到達したみたい!

 ホントは声を大きくして喜びたいけど、残念ながら今の私は重傷。代わりに医務室でみんながはしゃいでいた。

 そう言えば主要国の主力が全員揃ってるんだもんね~。


「やったぜティーナ! 優勝だよ優勝!」

「フッ、我ながら良い結果に収まった」


「あァ……3位か。ま、しゃあねェな」

「悔しい~!」


「フム、2位……最終戦が勝敗を決める切っ掛けとなったな」


『今年も最下位か……。1ポイント差で覆るとも思えないが、最終戦に敗れたのがより悔やまれる』


 歓喜と後悔など、様々な感情が渦巻く医務室。

 だけど誰も敵対やケンカしたりせず、各々(おのおの)で手を取ったり握手を交わしたりと分かち合っていた。

 これで波乱万丈のダイバース代表戦も終わりを迎える。優勝出来たのは良かったけど、残りの長期休暇と明けても少しの間学校には行けなさそうだね。

 全員が競い合った試合はこれにて終了。今回私は打ち上げに参加出来ないけど、私達人間の国は見事に優勝を掴んだのだった。

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