表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/26

幼女に迫るポリ公の魔の手! ルナは逃げ切ることができるのかの巻

5話です。よろしくお願いします!

「うぇ~ん! 我なんにもしてないのに、公僕がイジメる~! おかあさ~ん! ダディ~! びぇぇぇええ!!! 」


ワザとらしい泣きマネをし始めたルナ。その演技は大根と呼ぶにもおこがましいレベルの棒である。

そしてチラっと警官の方を見るルナ。

「泣きマネしてもダメだよ」

冷めた目で呆れている警官。

(な、何……!? 我の迫真の演技をまさか見破っているというのか! いや、そんなわけ……だって、元の世界では我が主人公のオリジナル演劇をやったら、部下たちみんな拍手しとったもん!)

というわけで、ルナは泣きマネを続行する。

「びぇぇえぇぇ……!」

「はぁ……もういいからさ。一旦署まで……」

「びええええ……えうげぇええええ!?!? おうぇ……! ゲホゲホガハッ!? 変に高い声出したせいで喉が……! ブヘボヘオウェ……ゴホゴホ!」

「うっわ、汚っ! ちょっ唾とか鼻水がめちゃくちゃ飛んd……あっ!」

ばっちくて警官が少し手を緩めた隙に逃げ出すルナ。


「ゴホゴホッ! は、はん! 我の演技にまんまと騙されおって! 今日はこのくらいで勘弁してやるわい! 覚えておれよ!」

明らかに演技以外の要素で手を緩めたのだが、ルナの節穴には、か弱い美少女に警官が絆されたように映っているのだ。

そして、ルナは夜の女王とは思えない雑魚の台詞を吐いてダッシュする。

「あ、待ちなさい!」

それを追う警官。


「な……! 相手が捨て台詞を吐いたら、ため息をついて『始末する価値もないな』とか言って追ってこないのがお約束じゃろうが! 守れそういうルールは!」

「何言ってるんだ、止まりなさい!」


警官との追いかけっこが始まるが、幼女化した上に魔力を失ったルナと、国家公務員の脚力の差は歴然である。

路地を使ってなんとか撒こうとするルナだが、警官の追跡は止まらない。

「っはぁはぁはぁ……!! く、くっそ……! このままでは捕まる……!」

そんな時、路地を曲がった先で住宅街に出る。平屋の古い家屋が道の両脇に立ち並んでいた。

「こらあ! 逃げるんじゃない!」

警官の迫る声。


「っ! ええい、邪魔するぞ!」

追いかけっこでは、勝てないと踏んだルナは、近くの住家に飛び込んだ。


幸いなことに玄関の引き戸には鍵がかかっておらず、入り込むことができた。

「ぜぇぜぇぜぇ……このままやり過ごし………………って、くっっっさぁあああぁ!?」


玄関にはなぜか異臭が漂っていた。

例えると、夏の車内に放置してしまった100g98円の豚バラ肉のような臭さである。

端的には腐臭である。


「な、なんじゃこの匂いは……! いや、でもそこはかとなく、どっかで嗅いだことあるような……」

鼻をつまみながらルナは、思い返す。

「あ、そうじゃ! これあっくんの家じゃ!」


ルナは魔族の部下の一人、アンデットのあっくんの家がこんな匂いに包まれていたのを思い出す。

あっくんの家はモルグを改装したアットホームなお家で、いつもカビと腐臭に包まれていた。

「ということは……異世界にも魔族がいるのか!」

態度はデカいが結構寂しんぼのルナは、パッと表情が明るくなる。

匿ってもらえると判断したルナは、勝手にお家にお邪魔していく。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

続きは明日投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ