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「異世界征服の始まりじゃい!!」

2話です。よろしくお願いします!

「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

ルナは素っ頓狂な声を上げる。

「ルナ様、うるさいです」

「驚きのあまり、ページ跨いだわ! どどど、どうするんじゃ!? 我のご飯は!」 

「この世界にはもうないので、別のところから調達するしかありませんね」

「それはつまり……あの今流行ってるやつか」


「はい、異世界転移です」


「はい出た~!! 出ましたよ、異世界に行くやつ!! はいはい、わかっとるわかっとる!」

大仰にリアクションをとるルナ。それを無表情で見つめるマリラ。

「……せめてなんかリアクションしてくれんか?」

「楽しそうですね」

「全然じゃ! 全然楽しくないぞ!」

「そうなんですか」

「そうなんじゃ! だって我、ああいうのには、まだついていけてないっていうか? なんていうかぁ……」

モジモジと急にまごつくルナ。ちらちらとマリラの方を見て質問を催促する。

ため息をついてマリラは質問する。

「とりあえず話してください」


「だってぇ~。我は攻●機動隊とかみたいな硬派な奴が好きなんじゃよなぁ……ほら、転生とかそういう、な●う系って若い奴らの流行みたいなとこあるじゃろ? 我3000歳じゃし、色々アニメとか見てるから、ちょっとテンプレすぎる展開に既視感があるというか? こだわりって言うのかのう~……自分結構マニアなところあるんで(暗黒微笑)」

すごい早口である。

魔界インターネットで、ジャパンのハイクオリティアニメーションを違法視聴していたルナは、偏った知識を持っていた。

「夜型のくせに毎週日曜だけプリ●ュアのために起きてるのは誰ですか。年齢のせいにしないでください。自分の嗜好に合わない物を変な言い訳して貶めるのはダサいですよ」

ルナの言説をバッサリと切ったマリラ。


「ぐはぁっっ!?!!?」

ルナは正論パンチを食らって5mほど吹き飛んだ。

「た、たしかに……どんなアニメも3話見てから判断しろという金言もあるしのう……」

なんとか起き上がったルナは、しばし考えた後、顔を上げる。

「よしっ、決めたぞ!」

ルナはバサッとマントを翻す。

「我もな●う系を見習おうではないか! 異世界に転移してチートで無双じゃ! 美少女の血液で酒盛りじゃ! さっそく魔法陣の用意をせい!」

「かしこまりました。そうおっしゃると思い、すでに転移用の魔法陣をご用意してあります」

「我の従者、有能すぎぃ!」

ワクワクしているルナをよそに、マリラは4つ折りにしていたスーパーのチラシを取り出す。

そして、ポケットに入れていたため少しクシャッとなったそれを地面に広げた。

チラシには少し歪んだ形の六芒星と呪文が書かれている。


「どうぞ」


「どうぞであるかい!!!!」


ルナは声を荒げた。

「世界を征した闇の女王が、今度は異世界を征服しに行くと言うとるのに、なんでチラシに書かれた魔法陣で出発するんじゃ! 普通もっと盛大な感じじゃろがい!」

「経費を削減しろとルナ様が命じられたので」

戦勝記念に豪遊しすぎて、自国を財政破綻させ、部下たちに白い目で見られて泣いちゃったことを思い出すルナ。


「あ、あ~……そうだっけ? でも、言うて削減しすぎではないか? 作ってるときおかしいなとか、やりすぎてんな、とか思わんか?」

「ルナ様の命令に背くなどとんでもない。背信するくらいであれば腹を切ります」

きっぱりと言い切ったマリラ。その姿を見てルナは思う。

(ガチの忠臣じゃん……)

ルナはちょろいのですごく感動した。


「そうか……我の言うことをよく聞いてくれたの! おぬしの心意気に免じて今回はここより出立する!!」

大見えを切ったルナ。


あまりにちょろすぎてマリラは真顔で小さくつぶやく。

「マジか」

「ん? マリラ何か言ったか?」

「いえ、異世界では詐欺などにご注意ください」

「おいおい、我にそんな後期高齢者向けのテンプレートかますとか。我、闇の支配者なんじゃけど~?」

鼻で笑ったルナは、魔法陣の上に立つ。

すると魔法陣から眩い光が溢れ出した。


「さあ、夜の女王による異世界征服の始まりじゃ!!!」

最後まで読んでいただきありがとうございました!

続きは明日投稿する予定です。

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