小学生がランドセルに入れているモノを見たらヤバすぎた
「今から持ち物検査をする! みんな、ランドセルの中身を見せろ!」
中年の男性教師が、児童たちにそう一喝する。
プライバシーの侵害、個性の尊重。そんなものを踏み躙ったその提案は、しかし小学生がおいそれと抗えるものではない。皆、しぶしぶランドセルを開くとその中に入っていたものを教師の前に並べる。
「おい、田中! なんだこれは!」
言いながら教師が取り上げたのは、小さいながら立派な装飾をされた剣だった。哀れなる田中くんは、おずおずと教師に言い返す。
「あの、これは、えんぴ……」
「鉛筆と言えば誤魔化せるとでも思ったのか! いいか、ここは学校だ! こんなふざけたものを持って来たら風紀が乱れる! 没収だ!」
無茶苦茶な言いながら、教師がその剣を手に取れば――
紫色の、禍々しい光が教室を包み込んだ。
それに驚き、尻もちをついた教師に田中くんは冷静に告げる。
「これは魔剣『平和の終止符』、略して『えんぴす』です。どんな平穏な世界をも破壊し、災いをもたらす恐ろしい剣……だから校長先生に頼んで、処分してもらおうと思ったんです」
「っ妙な略し方するな!」
児童の前で醜態を晒したことに怒りつつ、教師は次の生徒の持ち物検査に入る。
「鈴木! なんだこのペンダントは! 学校にアクセサリーを持ってきていいと思っているのか!」
「これは、死んだおばあちゃんの……」
「『おばあちゃんの形見なんです』なんてよくある言い訳が通じると思うなよ! 没収だ没収!」
そう喚き、教師がネックレスを握ったその途端――
全身から力を吸われるような感覚に陥り、ばったりとその場に倒れ込む。クラスメートたちが息を飲む中、鈴木さんは落ち着いて話す。
「これは、死んだおばあちゃんの怨念が籠った呪いのペンダントなんです。恨みのあまり、周囲の人間を手当たり次第に祟り殺すから校長先生に処分してもらおうと思って……」
「っ……そんな……」
そんなものを孫に残すなんて、この子の家庭では一体何があったのだろう。
というか、この学校の校長先生は一体何者なんだろうか?
そんな疑問に答える者など、いるはずなく――傲慢な教師はそのまま、動かなくなった。
これが、小学生のランドセルの中身を不用意に覗いた男の末路である。