心のささくれ~クリスマス、妹に申し訳ない事したの巻~
子どもとはいえ・・・おーいですね。
私は3兄妹の長男、年子の妹と8歳離れた妹がいる。
子どもって、時折、罪な事をしてしまう。
あれは、私が小学高学年の頃か。
いや~、たまに妹に今でも恨みがましく言われる・・・それはもっともで申し訳ない。
「ねぇ、ねえ、サンタさんの正体知っとる?」
下の妹に無邪気に言い寄る私。
「知らない」
あきらかに不機嫌そうな妹。
でも、そんな姿を見るのが、子どもって楽しい。
「ねぇねぇ」
「こらっ!大助」
母親に怒られ、私はすごすごと退散するニヤニヤと笑いながら。
そして、クリスマスの朝。
「サンタさんきた~!」
と、喜ぶ妹たち。
私は思っていたプレゼントと違っていたことに腹をたてた。
(なんで・・・なんで・・・あんなに言ったのに)
怒りがこみあげてくる。
正体はすでに知っていて、プレゼントを貰う矛盾・・・今思えば、そうなのだが、子ども思考というのは短絡で浅はかで、
「なんで、これなの!」
と、思わず母に詰め寄る。
「いい加減にしなさい!」
と、ぴしゃり。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
その時、何でかなあ。
どうして、そんなことしたんだろう。
下の妹の顔の前に立ち言った。
「あのね、サンタの正体は〇〇だよ」
「・・・へっ」
妹は聞きたくない言葉を聞かされ絶句する。
みるみる顔が歪む。
(しまった!)
浅はかな言葉を言ってしまった兄は瞬時に、とんでもないことをしてしまった事を悟る。
「・・・ははは」
私はにへらと笑う事しかできない。
「大助っ!」
母の雷が落ちた。
じんわり、胸の奥に重い何かがおりたような。
私は、それを誤魔化すかのように、逆ギレをして、その場を離れた。
親に対する?自分自身に対する怒りか情けなさか、それは今では分からない。
多分、私は泣いたろうな、だけど一番傷ついたのは間違いなく妹である。
クリスマスが来るたんびに思いだす。
心のささくれ。
またひとつ。
うん、まあ、ごめんなさい。