7話
山を抜けると、道が整備された通りに出た。
さすがにここからは徒歩で移動した方が良さそうだ。
「お疲れ様。後はゆっくり休んで」
そう言うと人形から降りた。
そして、人形の中からトランクを取り出した。
このトランクはある魔法をかけており、見た目に反してかなりの量が入るようになっている。ちなみに重さは感じないという特別仕様だ。
「さあ到着するまでこの中に入って。」
トランクに人形を入れて道に沿って歩き始めた。
暫く歩いていると前方の方からなにやら争っている声が聞こえた。
そこには大きな馬車が止まっており、その周りに冒険者がその馬車を守るように囲んでいる。
さらにその周りを盗賊と思わしきものが囲んで襲いかかっている。
「さっさと諦めればいいものを、しぶとい奴らだ」
「ギャハハ」
と盗賊たちが騒いでいた。
「隊列を崩すな。」
冒険者たちは傷ついていながらも、盗賊の攻撃をさばいていた。
見た感じ冒険者側がピンチになっている。
「あ?なんだ嬢ちゃん。」
盗賊側がいち早くこちらに気づいた。
「危ない、早く逃げろ!!」
冒険者のリーダーと思われる男性がこちらに注意してきたのを聞いて思わず
「いや、危ないのはそっちでしょ。」
という声を漏らしてしまったが、どうやらその声が聞こえなかったらしい。
私が彼らに少しあきれていたら、盗賊の何名かがこちらに向いて襲いかかろうとしていた。
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