5話
「起きてください。」
ブルー・ベアーに揺すられ目が覚めた。
目が覚めると魚の焼ける匂いがした。
「おはよう。ってあれ?その魚どうしたの?」
洞窟を抜けた先にはレッド・ベアーが焚き火の後を消していた。
レッド・ベアーの手には串に刺さった焼かれた魚を持っていた。
洞窟の方ではブルー・ベアーが片付けをやり終わって、大きいぬいぐるみと一緒にこちらに向かって歩いてきた。
「魚は近くに川が流れていたのでそこで今朝とってきたんですよ。」
と私に向かってその焼き魚を差し出してきた。
「ありがとう。」
見事な焼き加減で美味しい。
でも、ちょっと悔しい。
自分が作った人形なのに、私よりも料理が上手だなんて。
そのことが顔に出ていたのか。
「しょうがないですよ。手先が器用のくせに料理が壊滅的なんですから。」
「見た目が良くても、味はちょっとアレですけど・・・」
と二体が私に言ってきた。
そう、私が料理作ると何故かまずくなるのだ。
そう、あれは私がまだ幼かったときのこと・・・・
いつも忙しい両親のために軽食を作って、食べてもらったのだ。
両親がその料理を食べた瞬間、顔を真っ青にして美味しいといっていたけど、気遣ってくれたのだろう。
それ以降、私には料理をさせないように縫い物などを教えていたのを思い出したのだ。
「まぁ、料理は壊滅的ですけど、他は大丈夫じゃないですか。」
「料理や雑用は任せてください。」
と二体は最後にはフォローしてくれた。
「「でも、料理はぜったいにしないでくださいね。」」
最終的には念を押されたが・・・・
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