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~~~影~~~

俺はブレスターン王国の第二王子に忠誠を誓う影の一人

あの方はまだ幼いが、聡明で予言者のように先を見通す力を持っておられる。

腐りつつあるブレスターン王国に芽吹いた希望の光だ。

今回の任務は幼き頃の主を教え導いた偉大なる人物、ツファ・ラリート・シャリ・バルト・ブレスターン様の現状とついでに阿己羅国の現状も確認する事である。

あのお方が阿己羅国に嫁がれてから、秘密裏に連絡が取れる魔法具だけでなくブレスターン王宛ての儀礼上の手紙すら送られてこなかった。

主は表情には出さないようにしていたが、たいそう心配しておられる。

現状第二王子に従う仲間は少なく、阿己羅国へ人員を割くことが難しい。

あの方はそれを理解し毅然と振る舞っておられるのだが、時折海の方角を見つめるお姿が見るに忍びなく、俺は阿己羅国の情報収集が必要ではないかと進言した。


そして俺は阿己羅国にやってきた。


後宮に居られるツファ・ラリート・シャリ・バルト・ブレスターン様の情報は市井にまったく存在せず調査は難航を極めた。

そのため俺は後宮に潜入することを決めた。

宮殿の周りに展開されていた探知の魔法術式は高度な物であったが、三時間かけてこれをごまかし宮殿に侵入することに成功した。

巡回兵がいれば塀の上で術式を解析していた俺に気付いただろうが、警備の兵は詰め所らしき場所で酒盛りをしていた。

この国もだいぶ病んできてるな。

さて、あのお方がおられるはずの赤妃邸にたどり着いたが、ここの周辺に展開されている魔法も宮殿や後宮の外壁に展開していた魔法とまったく同じであった。

解析されることを考え、同じ効果の術でも配置を換えたりしてわかりにくくするのが普通なのにまったく同じとは・・・

まあ侵入する方からすれば簡単でありがたいが、あのお方の安全を考えれば良くないな。

そんなことを考えた瞬間、横手から微かな気配を感じてそちらを見た。


これはなんだ!


条件反射で短剣を抜き身構えたがそれ以上は動けなかった。

俺は何を見ている。

いや見えているのか?

言いようのない恐怖が体を侵食する。

そこには闇があった。

夜中に闇があるのは当然ではあるが、存在するのかしないのかわからない未知の何かがそこにあることだけしかわからなかった。

闇よりも暗き闇

逃げなければと頭ではわかっているが、直感は動くなと警告してくる。

闇の中で目らしきものが怪しげに光った。

いったいこれはなんだ!

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