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---洗濯と風呂---
新月の夜がやってきた。
いつもは服を替えて布で体を拭くだけだが今日は風呂に入ろう。
私は窓から外へ出て、まずは洗濯場に向かう。
完全に真っ暗闇ではあるが、私は闇と相性が良いので周囲の様子はわかる。
まずは着替えを準備して、それからお風呂だ。
洗濯場に到着すると、シーツや衣服などが干されていた。
後宮内で働く人員に対して洗濯場が小さすぎるため時間がかかり、日中に乾かなかった物は夜中も干しているのだろうと推測する。
自分の着ている服と下着を脱いで真っ裸になり、干してある洗濯物と入れ替える。
「よし、洗濯完了」
後宮は女性しかいないので、屋外で全裸になろうとも恥ずかしくない。
まあ新月だから近くに誰か居たとしても見えないだろうけどね。
それから大きな洗濯タライに汲み置きされている水に浸かって体を洗う。
水は結構冷たいが私は我慢強いのだ。
そして干してあるシーツで体を拭いてから服を着た。
「さて、帰るか」
私は帰り道の途中で適当な建物に忍び込み、食べ物を拝借して部屋に戻った。