~~~再会~~~
ブレスターン王国南部で反乱が起こった。
新国王は火種が大きくなる前に反乱を鎮圧するため、自身が兵を率いて南部へ進軍した。
半月後、両軍はパルミヤ平原に布陣しにらみ合っていた。
そして現在会戦前におこなわれる儀礼的交渉が両軍の中間地点でおこなわれている。
マクシミリアン卿が交渉にあたり、反乱軍に無条件降伏を勧告しているはずだ。
この交渉が決裂した場合は開戦となる。
まあ今更反乱軍が降伏勧告に応じるはずもないので開戦は既定路線だ。
新国王の後ろで将軍たちが言葉を交わす。
「我が方よりやや少ないが、反乱軍もよくこれだけの兵を集めたものだな」
「勇猛で名高いブレナン将軍が反乱軍として参戦している影響が大きいのでしょう」
その会話に新国王がのんびりした口調で参加した。
「ブレナンの武勇はこの国で並ぶものがいないからね。彼がいるからこれだけの貴族が反乱軍に参加したのだろう。だけどそれってブレナンさえ討ち取ってしまえば敵は崩壊するってことさ。猪突猛進の彼を討ち取る策は説明した通りだから心配はいらないよ」
事前の軍議でブレナンを討ち取る策はいくつか説明している。
まあ犠牲は多く出るだろうけど、この戦いには勝てる・・・が問題はその後だ。
小規模の反乱が起こることは想定していたが、それにブレナンが参加する事は想定外だった。
この戦いでこちらの将軍の誰かが戦死すれば、さらに別の地域で反乱が起こり日和見の連中の一部が裏切るだろう。
可能な限り被害を最小限にしなければならない。
敵と交渉していたマクシミリアン卿が戻ってくる。
当然のことだが交渉は決裂したようだ。
さて、前進しようか・・・
新国王が音で全軍に行動方針を知らせる太鼓隊に命令を出そうとした瞬間、敵陣で異変が起こった。
反乱軍の先頭にいたブレナンが落馬し、馬だけがこちらに走ってくる。
落馬したブレナンは倒れたまま動かない。
首の骨でも折って死んでいてくれればありがたいが、そんな都合のいい話はないだろう。
そう思ったがしばらく立ってもブレナンが起き上がる様子はない。
それに反乱に参加している貴族どもの様子もおかしい。
敵陣を注意深く観察する。
そのとき無人のままこちらに走ってくるブレナンの馬に黒い影を見つけた。
「並足前進」
新国王の指示で太鼓隊が決められた音を奏でる。
その音を聞いた全軍がゆっくりと前進を開始するなか、新国王はこちらに向かってくるブレナンの馬へと自身の馬を走らせた。
二頭の馬が近づくにつれて馬上の黒いもやが薄れていき、その中から細身の女性が姿を表した。
「お帰りなさいねえさま!!」
「ただいま末弟」




