表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

ヨシおばさん

駐車場に軽自動車が止まって、見るからに

人のよさそうなヨシおばさんが、手に一杯

のビニール袋を提げて下りてきた。


小百合と亜紀が駆け寄る。清一も近寄る。

「小百合、まだ助手席にもあるよ。

あら、清一ちゃんお帰り!」


「ああ、おばさん。買い物いつもすみません」

「なんのなんの。やあ、亜紀ちゃんも

おおきゅうなって!」


亜紀もビニール袋を両手に持って、

「こんにちわ!」

「こんにちわ!いくつになったの?」

「9才!小学三年生!」


「もう9才!どう?亜紀ちゃんは田舎好き?」

「だあいすき!」

「ハッハッハ。そうかね。」


ヨシは田舎大好きに感動して破顔笑顔になった。

小百合と亜紀がビニール袋を持って先に行く。

後からゆっくりと清一とヨシ歩きながら、


「一ヶ月前に姉さんが喘息の発作で死に掛けてナ」

「ああ、今お袋から聞きました。おばさんに

命を助けられたとほんとに感謝していました」


「どうしても清二夫婦には見てもらいとうない

と言うてなあ」

「お袋は頑固だから」


「ああ、頑固頑固。こりゃ逆らえんと腹を決めて

小百合と越してきたんじゃ」

「清二は?」


「清二は前より益々悪うなっとる。ここにあった親父

さんの高級乗用車も持っていったきり。むこうの

親父が極道だで、清二もそれに染まってきとる」


「ふーん」

「気をつけんと何されるか分からんよ、あの連中!」

「あの連中」


お袋と同じことを言うと思い、清一は顔をしかめた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ