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水炊き

「ふん、あいつら鬼じゃ。塩山の財産ばっかり狙うとる。

わしがまだ生きとるうちは、まだ爺さんの遺言があるから


ええが、わしが死んだら全部あの一家が持っていきよるぞ

清一、気をつけんと一銭もお前の手には入らんぞ」


「いいじゃないですか。十分今これでいけていますから。

なあ、亜紀」


亜紀、清一を見上げて微笑みうなづく。


「お前とは人間が違うんじゃよ。清二は隣村の地主の娘と

駆け落ちして、今は神城に住んどる。時々来るがの。

酒の匂いをぷんぷんさせて相変わらずじゃ。わしはあの


春子という女が大嫌いでの、何をやらかすかあの連中、

まだまだ死ねん、ハアハア」

「あまり興奮しないでください、かあさん!」


ちょうどこの時、小百合が飲み物を持って入ってきた。

「もうすぐ母が帰ってきます。店を閉めた帰りに

スーパーに寄って。今日は水炊きですよ」


亜紀がうれしそうに手を叩く。

「わーい。みずたき、みずたき。

お手伝いしていい?小百合姉さん」


「もちろんいいわよ。台所行く?」

亜紀が清一のほうを向いて、

「パパ、いい?」


ヨネは笑顔で一部始終を見守っている。

清一が明るく答える。

「もちろんいいとも!」


亜紀は喜んで小百合の後について部屋を出る。

ヨネがしんみりとつぶやく。


「あの子はほんまにええじゃ、ゴホゴホ」

清一、すぐに駆け寄りヨネの肩を支えて、

「ああ、大丈夫?休んで、休んで」


「お前達の笑い声が一番なんじゃがのう」

「ああ」


その時外で車の止まる音がしてヨシおばさんが帰って来た。

皆で迎えに出る。

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